<インタビュー>『エルヴィス』バズ・ラーマン監督「BTSと同じ熱狂を感じた」、サントラ参加陣についても言及

2022/07/12 18:13

<インタビュー>『エルヴィス』バズ・ラーマン監督「BTSと同じ熱狂を感じた」、サントラ参加陣についても言及
<インタビュー>『エルヴィス』バズ・ラーマン監督「BTSと同じ熱狂を感じた」、サントラ参加陣についても言及


 現在公開中の『エルヴィス』を手がけた豪出身のバズ・ラーマン監督が、映画公開前にレオナルド・ディカプリオに依頼したこと、豪華アーティストが参加するサウンドトラックについて明かした。
 スーパースターの伝記映画の製作が報じられたのは、2014年4月のこと。前作『華麗なるギャツビー』(2013)の完成後からこの企画は進んでおり、監督はリサーチに5年かけた。「グレイスランド(エルヴィスの邸宅などを含む敷地一帯)に住んだり、エルヴィスを知る人たちにも会ったりして、自分が知らないエルヴィスを知ることができました。エルヴィスはトラウマを抱えていましたが、才能もあったので、自分のもてる全てをかけて、家族や世の中をいい方向へ導こうとしていました。ただ、愛に飢えている方だったので、世界最初のスーパーアイドルになったことで、ファンから愛をもらうほど、その愛が手離せなくなってしまったんです。」と、親近者の話や膨大な資料から、これまで知らなかったエルヴィスの姿が浮き上がったという。
 ラーマン監督といえば、『ロミオ+ジュリエット』(1996)や『ムーラン・ルージュ』(2001)、『華麗なるギャツビー』(2013)と、華やかな世界観が魅力の一つだ。シェイクスピアの戯曲を現代に置き換えたフィルムには、『タイタニック』(1997)で“レオ様ブーム”を巻き起こす前のレオナルド・ディカプリオを起用し、『華麗なるギャツビー』で再びタッグを組んでいる。
 伝説のスターを演じるのは、現在30歳のオースティン・バトラー。これまでTVシリーズを中心に活躍していた彼にとっては、ここまでフォーカスされる作品は初に近い。エルヴィスにどこまで近づけられるのか、公開前は誰もが予想できなかったが、数え切れないほどの努力と準備、そしてその低く落ち着きのある声が味方して、劇中の彼の姿はエルヴィスそのものだ。
 「『タイタニック』でレオナルド・ディカプリオが大ブレイクしたのを覚えています。そして、今作でオースティンも大ブレイクすることは間違いないです。プレミアのレッドカーペットで聞いた女性たちの熱狂的な歓声には、BTSのコンサートで聞いたものと同じエネルギーがありましたから。レオには、『オースティンにこれからどんなことが待ち受けているかを教えてやってくれないか』と頼んだんです。封切りされた最初の土日に全米で350万人がこの映画を観ました。そのうちの大多数はオースティンのファンになっているでしょうし、映画を観る人が増えるほど、彼のファンも増えるはずです。」
 前評判やエルヴィス遺族からの反応もよく、ファンの期待に沿った本作はアメリカ国内で9,130万ドル(125億円)、世界で1億5,500万ドル(212億円)を超えるヒットを記録(Box Office Mojo調べ、7月12日現在)。ただ、監督は作品の出来には満足していたものの、果たして観客は自身と全く同じ意見かどうかは不確かだったようだ。
 「私には子供が二人いまして、映画も自分の子供と呼べるかもしれないですね。ただ、私は自分の作品を全く観ないんですよ。【カンヌ映画祭】では観客を見ていました。自信はいつもないです。もちろん自分が手がけた作品は大事にはしていますけど、自信を持つのとは違う感覚です。子供が生まれるといろんな人がいろんなことを言ってきますよね? 映画も一緒です。世に出る前から批評する、叩く人がいますが、批評やコメントによって作品の魅力が潰されるのはもったいないことです。今の時代、映画の世界に逃避する必要もあると思っています。エルヴィスは人種や世代を超えて、世界が一つになることの代表ですよね。全米で興行収入No.1になったと聞いて、その道に進むための指針をオーディエンスが求めていたんだと実感しました。」
 ドージャ・キャットやマネスキン、エミネムといった、現在の音楽チャートを彩る豪華アーティストが参加するサウンドトラックも、音楽好きにはたまらない要素だ。
 「自分のレーベル<House of Iona>を持っていて、これまで多くの作品をリリースしてきました。実際のところ、映画よりもこっちのレーベルの収益のほうが多いんですよ(笑)。オースティンはもちろん、エルヴィスの歌声を使用した楽曲も収録されていますし、ドージャ・キャットやマネスキン、エミネム、テーム・インパラ、デンゼル・カリーといった、名前を挙げたらきりがないゲストスターもたくさん参加してくれました。出所したばかりのナード・ウィックはまだ20歳のラッパーですが、若いアーティストを起用した理由は、若い世代がサウンドトラックに興味を持ってくれると思ったからです。『華麗なるギャツビー』でジェイ・Zと組んだときと同じ目的で、音楽から入り込んでほしいと思ったんです。映画を観た後にサントラを聞いて、頭の中で映画をプレイバックしてほしいですね。」

Interviewed and photographed by Mariko Ikitake
◎公開情報
『エルヴィス』
全国公開中
監督:バズ・ラーマン
出演:オースティン・バトラー、トム・ハンクス、オリヴィア・デヨングほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

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