【米ビルボード・ソング・チャート】ジャック・ハーロウ通算3週目の首位、ケンドリック・ラマーTOP10に4曲送り込む
【米ビルボード・ソング・チャート】ジャック・ハーロウ通算3週目の首位、ケンドリック・ラマーTOP10に4曲送り込む

 ジャック・ハーロウの「ファースト・クラス」が通算3週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 No.1デビューを飾った4月23日付から先週4週ぶりに返り咲いた「ファースト・クラス」は、今週もエアプレイとセールスが上昇したことで首位獲得週を通算3週目に更新。R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでは、初登場から5週連続で1位をキープした。

 特にラジオの伸び率が良く、前週から23%増加の6,030万回を記録して、エアプレイ・チャートでは先週の8位から3位にTOP3入りを果たしている。また、その週最も伸びた曲に贈られるAirplay Gainerも5週連続で獲得するという快挙を達成した。

 セールスはエアプレイほど伸びてはいないが、8%増加の8,600に上昇してデジタル・ソング・セールス・チャートでも7位から4位に順位を上げた。一方、週間ストリーミングは19%減少の2,520万回に落ち込み、ストリーミング・ソング・チャートでは2位から6位にランクダウンしている。

 続いて2位も、先週に続きハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」が同位をキープ。「ファースト・クラス」ほど伸びてはいないが、前週から6%増加の7,010万回を記録してエアプレイ・チャートでは2週目の首位を獲得した。また、先週トップに立ったポップ・エアプレイ・チャートでも2週目の首位をキープし、今週はアダルト・ポップ・エアプレイ・チャートでも1位に上昇。3つのラジオ・チャートを制した。なお、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートでの首位獲得は、2020年10月に1週を記録した「ウォータメロン・シュガー」以来2曲目のタイトルとなる。

 次週は、「アズ・イット・ワズ」が収録された新作『ハリーズ・ハウス』がアルバム・チャート“Billboard 200”に初登場するため、リリース効果を受けて同曲のポイントも上昇する可能性が高い。

 そのアルバム・チャートで今週No.1デビューを飾ったケンドリック・ラマーの新作 『ミスター・モラル&ザ・ビッグ・ステッパーズ』から、ミュージック・ビデオが公開された「N95」が今週3位に初登場。アルバムからは、5位に「Die Hard with ブラスト&アマンダ・ライファー」、7位に「Silent Hill with コダック・ブラック」、8位には「United in Grief」がそれぞれデビューし、TOP10に初登場曲4タイトルを送り込んだ。

 同じアーティストの曲がTOP10に4曲以上初登場したのは史上8回目だが、先々週にフューチャー、そして先週はバッド・バニーが同4曲を初登場させていて、今月だけで3回(3週連続)も達成するというレアなチャート・アクションが続いている。その他には、ドレイクが2021年9月18日付で9曲、2018年7月14日付で4曲の2回を達成し、2021年5月29日付でJ.コールが4曲、2020年7月25日付でジュース・ワールドが4曲、2018年10月13日付でリル・ウェインが4曲をそれぞれ1回ずつ達成した。

 今週4曲をランクインさせたことで、ケンドリック・ラマーはTOP10入りしたタイトル数を12曲目に、ゲストのコダック・ブラックは4曲目に更新。ブラストとアマンダ・ライファーはどちらも初のランクインとなる。

 3位の「N95」は、初週3,720万回を記録してストリーミング・チャートで1位に初登場。ケンドリック・ラマーは、2017年の「HUMBLE.」(4週)、2018年にゲストとして参加したリル・ウェインの「モナ・リザ」(1週)以来約4年ぶり、3曲目のNo.1タイトルを獲得した。そのほか、セールスは2,300、エアプレイは942,000を記録している。

 5位の「Die Hard」は、今週のR&Bソング・チャートでNo.1デビューを飾り、ケンドリック・ラマーは同チャート初のNo.1タイトルを獲得した。初週のストリーミングは2,700万回、エアプレイが240万回。7位の「Silent Hill」は、ストリーミングが2,650万回、エアプレイが180万回。8位の「United in Grief」は、ストリーミングが2,500万回をそれぞれ記録している。

 2週前にNo.1デビューしたフューチャーの「Wait for U feat. ドレイク&テムズ」は、3位から4位にダウン。前述の「Die Hard」を5位に挟み、今週6位には誕生日の5月13日にリリースしたモーガン・ウォレンの新曲「ユー・プルーフ」が初登場した。

 TOP10入りは、2020年8月の「7サマー」(6位)、2021年1月の「ウェイステッド・オン・ユー」(9位)、そして先月4月30日付で7位にデビューした「ドント・シンク・ジーザス」に続く4曲目で、「7サマー」と同率の自己最高位に並んだ。なお。この4曲はいずれも初登場でTOP10にランクインしている。

 「ユー・プルーフ」は、初週2,240万回を記録してストリーミング・チャートで8位に、23,100を売り上げてデジタル・ソング・セールス・チャートでは1位に初登場。また、カントリー・ソング・チャートでも同1位にデビューしていて、前述の「7サマー」(1週)、「ウェイステッド・オン・ユー」(1週)、「ドント・シンク・ジーザス」(1週)、そして2019年5月に2週を記録した「ウイスキー・グラス」に続く5曲目のNo.1タイトルを更新した。

 同じ週にHot 100でTOP10に、カントリー・ソング・チャートでは1位に初登場したのは史上6曲目で、そのうち4曲をモーガン・ウォレンのタイトルが占めている。

モーガン・ウォレン「7サマー」(Hot 100 / 6位)2020年8月
ルーク・コムズ「フォーエバー・アフター・オール」 (Hot 100 / 2位) 2020年11月
モーガン・ウォレン「ウェイステッド・オン・ユー」(Hot 100 / 9位)2021年1月
テイラー・スウィフト「オール・トゥー・ウェル(テイラーズ・ヴァージョン) (Hot 100 / 1位)2021年11月
モーガン・ウォレン「ドント・シンク・ジーザス」 (Hot 100 / 7位) 2022年4月
モーガン・ウォレン「ユー・プルーフ」 (Hot 100 / 6位) 2022年5月

 TOP10入りは逃したが、前シングル「ソート・ユー・シュッド・ノウ」も先週のHot 100で12位、 カントリー・ソング・チャートでは1位に初登場した。また、自身がゲストで参加したリル・ダークの「ブロードウェイ・ガールズ」は、今年の1月にHot 100で14位、セールス・チャートとR&B/ヒップホップ・ソング・チャートでは首位を獲得している。

 モーガン・ウォレンは、昨年2月に差別用語等を叫ぶ様子が報じられ、約1年間様々な活動や宣伝に制限がかけられていた。先月からシングルを立て続けにリリースしているのは、その状況が緩和されたからだろう。現地時間5月15日に開催された【2022ビルボード・ミュージック・アワード】では、騒動以降初めて授賞式でのパフォーマンスを行い、前述の「ウェイステッド・オン・ユー」や「ドント・シンク・ジーザス」を披露した。

 チャートに戻り、先週9位にジャンプアップしたリゾの「アバウト・ダム・タイム」は今週も同位にとどまり、8位にランクインしていたラトーの「ビッグ・エナジー」は10位にダウンした。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月27日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ファースト・クラス」ジャック・ハーロウ
2位「アズ・イット・ワズ」ハリー・スタイルズ
3位「N95」ケンドリック・ラマー
4位「Wait for U」フューチャー feat. ドレイク&テムズ
5位「Die Hard」ケンドリック・ラマー with ブラスト&アマンダ・ライファー
6位「ユー・プルーフ」モーガン・ウォレン
7位「Silent Hill」ケンドリック・ラマー with コダック・ブラック
8位「United in Grief」ケンドリック・ラマー
9位「アバウト・ダム・タイム」リゾ
10位「ビッグ・エナジー」ラトー