マックス・リヒター、『リコンポーズド』10周年を記念して再録音&「スプリング1」を先行配信
マックス・リヒター、『リコンポーズド』10周年を記念して再録音&「スプリング1」を先行配信

 マックス・リヒターが、バロック音楽の傑作を再構築した2012年の『リコンポーズド・バイ・マックス・リヒター~ヴィヴァルディ《四季》』(邦題:25%のヴィヴァルディ)の再録音に挑んだアルバム『ニュー・フォー・シーズンズ ヴィヴァルディ・リコンポーズド』が2022年6月10日発売されることとなった。

 リヒターは「新録音のきっかけは、ピリオド楽器(オリジナル楽器)によるこの曲の演奏を聴いたからです」と述べ、「ヴィヴァルディ当時のパレットを“リコンポーズド”に応用しました」と話している。今回の新録音では、ガット弦とバロック弓を使用した弦楽器を使用してヴィヴァルディ当時の奏法や音色を採り入れており、「ピリオド楽器は、硬質でエッジが効いています。ちょっとパンク・ロック的なところもあって、すごいんですよ」と彼は話している。さらにリヒターは、自身が演奏するシンセサイザーも見直しており、「シンセのストラディバリウスともいえる70年代のモーグを使いました。ピリオド楽器とピリオド・シンセの共演です」と述べている。

 今作では、ヨーロッパ初の多様な民族が過半数を占めるオーケストラとして、クラシック音楽の変革と多様性を体現しているチネケ!オーケストラと共演しており、リヒターの言葉を借りれば、「私たちが生きている世界の現実をアンサンブルでどう反映できるのか、クラシック音楽界の道を照らす灯台」となっている。ソリストにはアメリカの若手ヴァイオリニスト、エレナ・ウリオステを起用しており、その演奏は作品に「明らかにぴったりだった」とリヒターは語っている。「彼らは若く、その分、未来と一緒に仕事をしているような気がします」と彼は述べている。

 彼らは、リヒターの新しいスタジオで、作品の研究を続け、ピリオド楽器のテクニックからヴィヴァルディの原曲に含まれる言葉や物語性まで、音楽のあらゆる側面を話し合いながら、作曲家と演奏家が密接に連携して録音作業を進めた。リヒターの新バージョンは、「同じ物語でありながらも、21世紀的なひねりを加えている」ものとなっている。

 本日、アルバムから「スプリング1」が先行配信された。

◎リリース情報
アルバム『ニュー・フォー・シーズンズ ヴィヴァルディ・リコンポーズド』
2022/6/10 RELEASE
https://MaxRichter.lnk.to/newfourseasonsPR