<ライブレポート>KREVA「絶対できるって信じてた」三浦大知との共演に武道館沸く
<ライブレポート>KREVA「絶対できるって信じてた」三浦大知との共演に武道館沸く

 KREVAが主催するライブイベント【908 FESTIVAL】。毎年9月8日(908の日)付近に行われるこのフェスは、2020年はオンラインでの開催、2021年は時勢を考慮して開催の発表前に中止が決定されていたが、2022年は2月17日~2月20日の4日間にわたって、【908 FESTIVAL 2021+1】として開催される運びとなった。本稿ではその2月19日の日本武道館公演をレポートする。

 この日のMCでもKREVAが語っていたように、例年は数多くのアーティストを迎え、音楽だけではなく、コントやパフォーマンスも含めた、まさに「お祭り」として開催されている【908 FESTIVAL】。しかし今回はコロナ禍を反映し、多くのアーティストを一日に集約するのではなく、木曜日は「タンポポ」などを共作してるZORNを、金曜日はKREVAを形成する大きなエレメントであるユニット・KICK THE CAN CREWを、そして土曜日はこれまでにも幾度となくコラボを展開し、【908 FESTIVAL】にもレギュラーに近い形で登場するなど関係性の深い三浦大知を迎えて、そして「+α」となる日曜日は音楽ライターの三宅正一氏との対談形式のアフタートークの配信と、分散した形での開催となった。またイベント自体の形式も、ツーマンライブは有観客ライブと配信を並走させる形で行われ、日曜のアフタートークショーはYouTubeで生配信という二本立てとなった。

 この日のライブは、舞台中央に登場したKREVAの「この状況の中、雨の中、本当によく来てくださいました。ありがとう。配信で見てくれてるみんなもありがとう。今日は音楽にどっぷり使ってほしいと思います」という言葉に続いて、昨年配信リリースされ、今年2月16日には『LOOP END / LOOP START(Deluxe Edition)』としてフィジカルリリースされたアルバムの冒頭を飾る「Finally」からスタート。そして新たにミュージックビデオも制作された「クラフト feat. ZORN」に続き、「全速力 feat. 三浦大知」のイントロが流れると、ステージ中央のKREVAに重なるように、ステージ後方から三浦大知が登場。二人が“K” のハンドサインを掲げ、タッグでのパフォーマンスが始まると、客席からは大きな拍手が巻き起こった。

 そして「ここからは三浦大知!」というKREVAのアナウンスに続いて、三浦大知のステージが始まる。「Le Penseur」「Yours」と披露し、MCでは「コロナ禍が始まって、有観客のライブが2年ぶりになるので、今日は本当に嬉しく思っています。だけどちょっと緊張して、自分の体はふわふわしてる感じですね。でもどんな状況でも音楽の中で想像を膨らませれば、宇宙にまで行けると思います」と、久々のライブへ想いを言葉にしながら「Spacewalk」、そして再びKREVAが登場し「Your Love feat. KREVA」を披露。そのまま「I'm Here」「Blizzard」に続き、「最後にもう一曲歌わせて頂きたいなと。2年ぶりのライブでこう感じました、ここが居場所だなって」というコメントから、KREVA「居場所」をカヴァーし、「次はKREVA!」と呼び込みステージを後にした。

 その言葉に呼び込まれたKREVAは『LOOP END / LOOP START』から「In the House」、そして「変えられるのは未来だけ」とニューアルバム曲からスタート。「今日は誰も経験したことのない素晴らしい一日を作ろうと思います」というMCに続いて、「基準~2019 Ver.~」や「Paradigm」と、彼自身のスキルや存在性を誇るタフな楽曲を披露し、アーティスト:KREVAの存在意義を形にする。

 そしてアルバム収録バージョンでは、イベントが中止になるという電話連絡を受けたときの会話が曲の冒頭に入っていたが、この日のライブではイベントが行われるという会話に改変されていた「よ ゆ う」、そしてコーラスにも参加したシンガーSONOMIとの「って feat. SONOMI」など、アルバム曲を中心にライブは展開した。

 「今回は(初回となる2012年のさいたまスーパーアリーナから数えて【908 FESTIVAL】は)第10回大会となります」とイベントを振り返りつつ、その初回から出演している三浦大知に向けて「三浦大知無しには908フェスは無いといっても過言ではないでしょう」と、感謝を改めて言葉にするKREVA。そして未来への希望を歌う「All Right」や、彼のソロの原点とも言える「音色~2019 Ver~」と展開し、「LOOP END / LOOP START」ではバンド「クレバンド」を紹介。そして再び三浦大知を呼び込み、この日のライブの最終曲となる「Fall in Love Again feat. 三浦大知」を披露。「絶対できるって信じてたぜ」と、この曲を披露できることの喜びを爆発させ、充実のうちにステージは幕を閉じた。

 なお、【908 FESTIVAL 2021+1】の模様はPIA LIVE STREAM、U-NEXT、Streaming+で2月25日~2月27までアーカイブ配信。当日に足を運べなかった方もライブを堪能できるチャンスだ。

Text by 高木"JET"晋一郎
Photo by 田中聖太郎

◎配信情報
【908 FESTIVAL 2021+1】
2022年2月25日(金)9時8分~2月27日(日)23時59分まで、PIA LIVE STREAM、U-NEXT、Streaming+で配信
配信チケット:5,908円
※再生開始時間は各配信メディアでご確認ください。