【米ビルボード・ソング・チャート】アデル「イージー・オン・ミー」通算9週目の首位、ガンナ&フューチャー/ゲイルがTOP10入り
【米ビルボード・ソング・チャート】アデル「イージー・オン・ミー」通算9週目の首位、ガンナ&フューチャー/ゲイルがTOP10入り

 アデルの「イージー・オン・ミー」が通算9週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 先週3週ぶりに首位に返り咲いた「イージー・オン・ミー」は、セールスが24%減少の6,000まで落ち込んだものの、週間ストリーミングが1,510万回(4%減少)、エアプレイは1億120万回(2%増加)と安定した数字をキープして、今週もトップに立った。ストリーミング・ソング・チャートでは、後述にあるガンナの新作『DS4Ever』からアルバム曲がランクインしたことで5位から16位に急落したが、エアプレイ・チャートでは通算8週目の1位を獲得している。

 週間エアプレイが1億を突破したのは、ザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」が1億1,500万回を記録した2020年5月23日付チャート以来約1年半ぶりで、2021年は達成した曲がなく、2022年では初のタイトルとなった。なお「ブラインディング・ライツ」は、エアプレイ・チャートで通算26週の首位を獲得している。

 「イージー・オン・ミー」は、その他ジャンル別のエアプレイ・チャートでも、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートで9週目、ポップ・エアプレイ・チャートで7週目、アダルト・コンテンポラリー・チャートでは6週目の首位をキープしていて、アダルトR&Bエアプレイ・チャートでは6位に、ダンス/ミックスショー・エアプレイ・チャートでは10位にランクインした。

 「イージー・オン・ミー」が次週トップを維持できれば、2015年から16年にかけて10週をマークした「ハロー」と並ぶ自己最長記録に達する。

 先週2位に再浮上したザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバーの「ステイ」は、今週も同位をキープ。また、TOP5入りまでのチャートイン数を歴代最長の51週に更新したグラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」も3位を維持し、TOP3は先週と同じタイトルがランクインした。

 続いて4位は、ディズニー最新作『ミラベルと魔法だらけの家』のサウンドトラックから先週5位に浮上した「秘密のブルーノ」が最高位を更新し、ディズニー作品としては『ポカホンタス』(1995年)よりヴァネッサ・ウィリアムスの「風の色」が獲得した同4位以来、約26年ぶりのTOP4入りを果たした。その他には、『アラジン』(1993年)よりピーボ・ブライソン&レジーナ・ベルの「ホール・ニュー・ワールド」が1位、『ライオン・キング』(1994年)よりエルトン・ジョンの「愛を感じて」が同4位を獲得していて、「秘密のブルーノ」はそれに続く4曲目のタイトルとなる。

 『ミラベルと魔法だらけの家』は、昨年末にディズニープラスで開始した配信が好調で、アルバムの週間ユニットは前週から32%増加の95,700ユニットに上昇している。中でも人気の高い「秘密のブルーノ」は、週間8,000(10%増加)を売り上げてデジタル・ソング・セールス・チャートで6位から3位にTOP3入りし、ストリーミング・ソング・チャートでは2,900万回(15%増加)を記録して2週目の首位をキープした。

 先週4位に最高位を更新したエド・シーランの「シヴァーズ」は、今週5位にダウン。一方、コダック・ブラックの新曲「スーパー・グレムリン」は、先週の10位から6位にランクアップして、2017年の出世作「トンネル・ビジョン」の同6位に並んだ。コダック・ブラックは、その他に現時点での自己最高2位を記録した「ZEZE feat.トラヴィス・スコット&オフセット」(2018年)の3曲、TOP10入りしたタイトルがある。「スーパー・グレムリン」は、今週R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでトップに立ち、両チャートで「ZEZE」に続く2曲目の快挙を達成した。

 今週7位には、前述の『DS4Ever』からガンナ&フューチャーの「Pushin P feat.ヤング・サグ」が初登場。アルバムのプロモーション効果もあり、初週2,250万回を記録してストリーミング・ソング・チャートでは2位にデビューした。ガンナは、最高4位を記録したリル・ベイビーとのコラボ曲「Drip Too Hard」(2018年)、6位を記録したインターネット・マネー&ドン・トリバーとのコラボレーション「レモネードfeat. NAV」(2020年)に続く3曲目、 フューチャーは5曲目、ヤング・サグは6曲目のTOP10入りを果たした。

 「Pushin P」を収録したガンナの新作『DS4Ever』は、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”でザ・ウィークエンドの『ドーンFM』を破り自身2作目のNo.1に輝いた。

 先週の9位から8位に上昇したドージャ・キャットの「ニード・トゥ・ノウ」を挟み、今週9位には米テキサス州ダラス出身の女性シンガー・ソングライター、ゲイルのメジャー・デビュー曲「abcdefu」が先週の11位から9位にTOP10入りした。週間1,650万回(2%増加)を記録して、ストリーミング・ソング・チャートでも同9位にランクインし、10,200を売り上げてデジタル・ソング・セールス・チャートでは2位から1位に、自身初のNo.1をマークした。TOP10入りはしていないが、エアプレイ・チャートでも39位から28位にジャンプアップしている(2,540万回)。

 「abcdefu」は、複数のバージョンに加え、女性シンガー・ソングライターのロイヤル・アンド・ザ・サーペントをフィーチャーしたリミックスやザ・ワイルド・リミックス、TikTokのバイラル・ヒット等様々なヒット要因により、チャートを上昇した。既に、イギリスやスイス、ドイツ等の主要国では1位を獲得している。

 先週7位にTOP10入りしたエルトン・ジョン&デュア・リパの「コールド・ハート(プナウ・リミックス)」は10位にダウンしたが、ダンス/エレクトロニック・ソング・チャートでは14週目の首位を獲得している。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは1月21日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「イージー・オン・ミー」アデル
2位「ステイ」ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー
3位「ヒート・ウェイヴス」グラス・アニマルズ
4位「秘密のブルーノ」Carolina Gaitan、Mauro Castillo、Adassa、Rhenzy Feliz、Diane Guerrero、Stephanie Beatriz、Encanto Cast
5位「シヴァーズ」エド・シーラン
6位「スーパー・グレムリン」コダック・ブラック
7位「Pushin P」ガンナ&フューチャーfeat.ヤング・サグ
8位「ニード・トゥ・ノウ」ドージャ・キャット
9位「abcdefu」ゲイル
10位「コールド・ハート(プナウ・リミックス)」エルトン・ジョン&デュア・リパ