【第64回グラミー賞】オミクロン株感染急増のため開催延期を発表
【第64回グラミー賞】オミクロン株感染急増のため開催延期を発表

 現地時間2022年1月5日、レコーディング・アカデミーは、新型コロナウイルスのオミクロン株による感染拡大のため、【第64回グラミー賞】の開催を延期すると発表した。当初、米ロサンゼルスにあるCrypto.com Arenaで1月31日に行われる予定だったが、関係者によるとおそらく4月に延期されるそうだ。さらに、別の会場を使用、または米ロサンゼルス以外で開催される可能性もあるようだ。

 レコーディング・アカデミーと米CBSは、共同声明で「市や州の関係者、健康と安全の専門家、アーティスト・コミュニティ、そして我々の多くのパートナーと慎重に検討、分析した結果、レコーディング・アカデミーとCBSは【第64回グラミー賞】を延期することにしました」と発表した。「音楽コミュニティ、観客、そしてショーのために休むことなく働く、何百人もの人々の健康と安全が、私たちの最優先事項であることに変わりありません。オミクロン株にまつわる不確かさを考慮すると、1月31日に開催することはあまりにも多くのリスクがあります。我々は音楽最大の夜を近い将来に祝えることを楽しみにしています。開催日は近々発表します」と声明には綴られている。

 新型コロナウイルスによる【グラミー賞】の延期は、2年連続となった。昨年は当初2021年1月31日に開催される予定だったが、米ロサンゼルスでの新型コロナウイルス感染者数が急増したため、同年3月14日に延期されることが1月5日に発表された。その際、授賞式での混雑を緩和するためにステイプルズ・センター(Crypto.com Arenaの旧名称)から近くのロサンゼルス・コンベンション・センターに会場が移された。

 今回の判断は、レコーディング・アカデミー、【グラミー賞】のプロデューサー、米CBS、Crypto.com Arena、およびアーティストのマネージャーが、延期すべきかどうかについて、数日間にわたって議論を重ねた末に下された。関係者が米ビルボードに語ったところによると、ほとんどの出演アーティストがすでに決定していたため、レコーディング・アカデミーは1月31日の開催を維持しようとした。だが、一部のマネージャーは延期をした方がいいと感じていたようだ。5月か6月に延期する案もあったが、その場合多くのアーティストのツアーの時期と重なってしまうため、現在、唯一意見が一致しているのは、春に開催されるということだと情報筋は述べた。

 レコーディング・アカデミーと米CBSは現在、【グラミー賞】の準備とリハーサル、本番に必要な数日間を確保できる会場と他の授賞式を含むテレビ特別番組と重ならない日程の両方を見つける課題に直面している。NBAやNHLチームの本拠地となっているCrypto.com Arenaなどの会場では、春にホームチームがプレーオフに参加する可能性があり、その日程を空けておかなければならないため、状況は複雑だ。情報筋によると、主催者は米ロサンゼルス市内外のさまざまなシナリオを検討するとともに、アーティストが安心して参加できる場所を探しているようだ。

 昨年3月14日の【グラミー賞】は、1972年以来、最も遅い時期での開催となった。今年の【グラミー賞】が4月に延期された場合、1965年4月13日に行われた【第7回グラミー賞】以来の4月開催となる。

 米TV局コメディ・セントラルの『ザ・デイリー・ショー』の司会者トレバー・ノアが、昨年に続き今年も司会を続投することが決定している。

 レコーディング・アカデミーCEOのハーヴィー・メイソンは昨年末、米ビルボードに対し、チケット販売による収益が教育や支援運動、MusiCaresの資金源となるため、同アカデミーはフル・キャパシティで開催することを望んでいると語っていた。昨年の【グラミー賞】は規模を縮小したため、見込んでいたチケット収入は得られなかった。

 1月29日にロサンゼルス・コンベンション・センターで予定されていた【MusiCares パーソン・オブ・ザ・イヤー】式典と、1月30日に米カリフォルニア州ビバリーヒルズのビバリー・ヒルトン・ホテルで予定していたクライヴ・デイヴィスとレコーディング・アカデミーの【Pre-Grammy Gala】も延期されることになった。2022年度の<MusiCareパーソン・オブ・ザ・イヤー>には、ジョニ・ミッチェルが選出されており、【Pre-Grammy Gala】ではソニー・ミュージック・グループ会長のロブ・ストリンガーが2022年度の<Grammy Salute to Industry Icons賞>を受賞する予定だ。