年末~新年前半の注目の音楽映画を紹介、シーア初監督作品やセリーヌ・ディオンの半生描いた作品など
年末~新年前半の注目の音楽映画を紹介、シーア初監督作品やセリーヌ・ディオンの半生描いた作品など

 近年、『ラ・ラ・ランド』、『グレイテスト・ショーマン』、『ボヘミアン・ラプソディ』、『アリー/スター誕生』などの音楽をテーマにした映画が人気を博すなか、年末から来年前半にかけてもミュージカル・音楽映画が目白押しだ。なかでもシーアの初監督作やセリーヌ・ディオンの半生映画化した作品など、注目の作品を紹介する。

■『ライフ・ウィズ・ミュージック』(2022年2月25日公開)

世界的シンガーソングライター、シーアの初監督作。愛すべき友人と音楽の存在によって、多くの苦しみを乗り越えてきた自身の半生を基に、原案・脚本・製作まで担当。“愛する”ことを学び、居場所や明日への希望を見出していく感動のドラマを珠玉のミュージックシークエンスで描くポップ・ミュージック・ムービー。
 アルコール依存症のリハビリテーションプログラムを受け、孤独に生きるズーは、祖母の急死により長らく会っていなかった自閉症の妹・ミュージックと暮らし始める。周囲の変化に敏感なミュージックとの生活に戸惑うズーに、アパートの隣人・エボが優しく手を差し伸べ、次第にズー自身も、孤独や弱さと向き合い少しずつ変わろうとしていくが――。

シーア自身が投影された主人公・ズーを演じるのは、ケイト・ハドソン。周囲の人々との関わりの中で“愛”を知っていく孤独な女性を全身全霊で熱演し、第78回ゴールデングローブ賞コメディ/ミュージカル部門で最優秀主演女優賞にノミネート。シーアにとっての“救い”である音楽そのものをイメージした、イマジネーション豊かな自閉症の妹・ミュージックを演じるのは、シーアの楽曲「シャンデリア」のMVでダンスパフォーマンスを披露するマディ・ジーグラー。ズーに優しく寄り添う隣人・エボ役に、大ヒットブロードウェイミュージカル『ハミルトン』でトニー賞最優秀ミュージカル俳優賞に輝いたレスリー・オドム・Jr.が共演し、シーア自ら才能に惚れ込みキャスティングした実力派キャストたちが脇を固める。

2021年/アメリカ/原題:MUSIC
監督・製作・原案・脚本:シーア
出演:ケイト・ハドソン、マディ・ジーグラー、レスリー・オドム・Jr.
(c) 2020 Pineapple Lasagne Productions, Inc. All Rights Reserved.
https://www.flag-pictures.co.jp/lifewithmusic/
https://youtu.be/IhRta6x4NU4

■『ヴォイス・オブ・ラブ』(2021年12月24日公開)

全世界トータルセールス2億5000万枚を超え、グラミー賞を5回受賞したセリーヌ・ディオンの半生をはじめて映画化。誰も知らない、過去から現在までを、彼女の大ヒット曲はもちろん、同時代の不滅の名曲たち約30曲に乗せて大迫力のライブシーンで描く。監督と脚本、さらに主演を務めたのはフランスが誇る国民的スター、ヴァレリー・ルメルシエ。セリーヌの膨大な過去資料を調べ上げ、14人兄弟の末っ子として生まれたひとりの少女が、スターへと成長していく姿を通し、ユーモアとフィクションを交えながら、彼女の半生を忠実に再現。スターダムを駆け上がる中での不安や孤独、後に夫となるプロデューサーとの一途な愛、彼女を支え続けた家族との絆…小さな田舎町から世界へと羽ばたいたディーヴァの旅が、いま明かされる――。

世界的歌姫セリーヌ・ディオンの半生を初めて映画化した物語。小さな田舎町に住む12歳の少女が、才能を見出され、瞬く間にスターへと成長していく爽快なサクセスストーリーが描かれるとともに、少女時代から二人三脚で人生を共にしてきたプロデューサーとの26歳差の大恋愛が感動を呼ぶ、この冬一番の愛の物語。劇中ではセリーヌの大ヒット曲の数々が大迫力のライブシーンで完全再現されており、観るものを最高のステージへと誘う音楽エンターテイメントとしても楽しめる。

2020年/フランス・カナダ/原題:Aline
監督・脚本:ヴァレリー・ルメルシエ
キャスト:ヴァレリー・ルメルシエ、シルヴァン・マルセル、ダニエル・フィショウ、ロック・ラフォーチュン、アントワーヌ・ヴェジナ他
(c)Rectangle Productions/Gaumont/TF1 Films Production/De l'huile/Pcf Aline Le Film Inc./Belga
http://www.cetera.co.jp/voiceoflove/#
https://youtu.be/gmUr02-DkEQ

■『ウエスト・サイド・ストーリー』(2022年2月11日公開)

『ジョーズ』(75)、『E.T.』(82)、『ジュラシック・パーク』(93)などの巨匠スティーブン・スピルバーグ監督が、ブロードウェイミュージカルの金字塔「ウエスト・サイド・ストーリー」を映画化。1961年から2度目の映画化となる。
1950年代、ニューヨークのウエスト・サイドには夢や成功を求めて、世界中から移民が集まっていた。しかし、差別や偏見などにより分断された社会に不満を抱えた若者たちは、仲間と集団を作り、激しく敵対するようになっていく。そんな中、ポーランド系移民の「ジェッツ」の元リーダー:トニーは敵対する「シャークス」のリーダーの妹・マリアと出会い一目で恋に落ちてしまう――。
差別や貧困による社会の分断の中で渦巻く抗争と、それによって巻き起こる男女の恋の顛末を描く。

主人公のトニーを、『ベイビー・ドライバー』(17)のアンセル・エルゴートが、トニーと恋に落ちるマリアを、オーディションで約3万人の中から選ばれた新星レイチェル・ゼグラーが演じる。ミュージカル好きであれば誰もが知っている作品を、ハリウッド随一のヒットメーカーが映画化するため早くから注目を浴びてきた。現代アメリカのダンス界を牽引するジャスティン・ペックが振付を担当しており、そのミュージカルシーンにも期待が高まっている。

2021年/アメリカ/原題:West Side Story
製作:監督:スティーブン・スピルバーグ 脚本:トニー・クシュナー
キャスト:アンセル・エルゴート、レイチェル・ゼグラー、アリアナ・デ・ボーズ、マイク・フェイスト、デビット・アルバレズ、リタ・モレノ
(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.
https://www.20thcenturystudios.jp/movies/westsidestory
https://youtu.be/FEE1_Qv7_z8

■『シラノ』(2022年2月25日公開)

『プライドと偏見』(06)、『つぐない』(08)、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(18)のジョー・ライト監督最新作。1897年の初演以来、日本を始め世界各地で何度も上演され、映画化やミュージカル化もされてきた、世界中で最も愛されている舞台劇の一つ「シラノ・ド・ベルジュラック」。2020年に、同作の誕生秘話を描いた『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』が公開されたのも記憶に新しい。
本作は、17世紀フランスを舞台に織りなす、3人の男女の三角関係を描くロマンチック・ミュージカル。騎士のシラノは、剣の腕前だけでなく詩を書く才能も持っていたが、容姿には恵まれず外見に自信が持てずにいた。想いを寄せるロクサーヌに気持ちを告げることができずにいる中、彼女は実家の財政難のために裕福な男と結婚させられそうになる。そんな時、シラノはロクサーヌがシラノと同じ隊の青年クリスチャンに片想いをしていると知り、2人の恋仲を取り持つことに。愛する人の願いをかなえるため、シラノは口下手なクリスチャンにかわり詩を代筆するが――。

大ヒットドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」でエミー賞やゴールデングローブ賞などに輝いたピーター・ディンクレイジが主人公のシラノを演じ、『マグニフィセント・セブン』(16)や『Swallow/スワロウ』(21)のヘイリー・ベネットが、シラノの想い人ロクサーヌを演じる。さらに、クリスチャン役として『WAVES/ウェイブス』(19)のケルヴィン・ハリソン・Jr.が共演。

2021年/イギリス・アメリカ/原題:『Cyrano』
監督:ジョー・ライト
キャスト:ピーター・ディンクレイジ、ヘイリー・ベネット、ケルビン・ハリソン・Jr.、ベン・メンデルソーン
https://cyrano-movie.jp/
https://youtu.be/FMxpGuskXE0

■『SING/シング:ネクストステージ』(2022年3月18日公開)

『怪盗グルー』や『ペット』シリーズ、『グリンチ』(18)などの大人気作を次々と生み出すイルミネーション・エンターテインメントによる『SING/シング』(17)の続編。
前作から5年、コアラのバスター率いるニュー・ムーン・シアターは地元で大人気。連日満席で活気に満ち溢れていた。しかし、バスターには、世界的にも有名なエンターテイメントの聖地、レッド・ショア・シティにあるクリスタル・タワー・シアターで新しいショーを披露するというさらなる夢があった。そのためには、冷酷な経営者、ジミーのオーディションに通過しなければならず、グンターは、今は引退した伝説のロック歌手クレイ・キャロウェイを出演させようとするが――。
グンターの突発的なアイデアから始まった計画だったが、いつの間にか傷ついたものたちの心が、音楽とエンターテイメントの力で癒されていくミュージカル・コメディ。

テイラー・スウィフト、レディー・ガガ、スティーヴィー・ワンダーなど、誰もが知っている名曲やヒットソングが60曲以上も使用され、豪華キャストの歌唱で話題となった前作。第2作目となる本作でも、数々の名曲やヒット曲が使用され、さらに、内村光良、MISIA、長澤まさみ、大橋卓弥(スキマスイッチ)、斎藤司(トレンディエンジェル)、大地真央、坂本真綾、田中真弓という豪華キャストの続投が決定している。

2021年/アメリカ/原題:『Sing 2』
監督・脚本:ガース・ジェニングス
キャスト:マシュー・マコノヒー、リース・ウィザースプーン、スカーレット・ヨハンソン、タロン・エガートン、トリー・ケリー、ニック・クロールほか
新キャスト:ボビー・カナヴェイル、ホールジー、ファレル・ウィリアムス、ニック・オファーマン、レティーシャ・ライト、エリック・アンドレ、チェルシー・ペレッティ、ボノ (U2)、ほか
https://sing-movie.jp/
https://youtu.be/6s7tixvw57M