【ビルボード 2021年年間JAPAN HOT 100】優里「ドライフラワー」が上半期に続きイヤーエンドも総合首位に

2021/12/10 10:12

【ビルボード 2021年年間JAPAN HOT 100】優里「ドライフラワー」が上半期に続きイヤーエンドも総合首位に
【ビルボード 2021年年間JAPAN HOT 100】優里「ドライフラワー」が上半期に続きイヤーエンドも総合首位に


 2021年年間Billboard JAPAN総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”は、優里の「ドライフラワー」が総合首位に輝いた。
 2020年8月にメジャー・デビューを果たした優里による「ドライフラワー」は、今年度上半期首位の勢いが6月以降も衰えず、2020年11月25日公開チャートから現在までトップ10圏内を維持する異例のロングヒットを記録して、昨年度のYOASOBI同様、CDシングルのリリースが無いなか、総合首位を獲得した。各指標では、ストリーミング、ダウンロード、カラオケで1位となり計3冠を達成。他指標では動画再生3位、Twitter 43位、ラジオ54位だった。
 長く続いているストリーミングの高ポイント維持に目が行きがちだが、もうひとつ注目すべきはカラオケ指標だ。同指標では、2月10日公開分から当週まで44週にわたって1位を守り続けていて、これは当楽曲の歌詞とメロディーの秀逸さを物語る結果といえる。昨年から萌芽したTikTok・YouTube→ストリーミング・ダウンロード→カラオケという、新たなヒットパターンを確立させたという意味でも、大きな役割を果たした楽曲となった。
 今年6月の上半期チャート発表直後から“JAPAN HOT 100”の台風の目となったのはBTSだ。動画再生とラジオで2冠、ストリーミング2位、ダウンロード5位、Twitter 13位、カラオケ46位となり、「Dynamite」が総合2位にチャートイン。「Butter」が同6位、「Permission to Dance」が同15位となる大躍進を遂げた。
 国際的に広がる彼らのファンダムは、「Dynamite」以降、大きく潮目を変え、文字通り世界規模へと拡大。米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”にて「Dynamite」は3回、「Butter」は10回、「Permission to Dance」は1回総合首位を獲得した。日本では「Dynamite」が上位を守り続けるなか、デジタル解禁された「Butter」が5月26日公開分で総合2位、6月2日分で総合1位となり、通算4回の総合首位を獲得。この3曲が7月から10月までトップ10圏内にほぼチャートインする展開が続いた。
 グラフに示すのは、優里とBTSのストリーミング指標における獲得ポイントを面グラフにしたものだ。このグラフから、優里は「ドライフラワー」がトリガーとなって他の曲もストリーミングされる連続性が生まれ、BTSは「Dynamite」以降、各曲の連続性に一層のドライブがかかり、以降では新曲リリースごとに全ての楽曲のストリーミング数を伸ばす展開となっていることが分かる。
 ストリーミングに限らず、このように、アーティストとユーザーとのコミュニケーションにおいて連続性を生み出すことが、自律的なファンダムの拡充に結びつき、楽曲やアーティストのプレゼンスを上げていく重要な鍵となっている。2010年代後半から、デジタル領域へアーティストの活動範囲が拡大したことで、その戦略をより多くが実行することが容易になった。その結果、アーティスト起因か楽曲起因か、フィジカル・メインかデジタル・メインかあるいはその両方か、シングル・セールスやストリーミング再生数などの単指標ランキングでは把握が難しい、多彩なグラデーションのファンダムが複数形成され、国内音楽シーンが活性化しつつあるのが現在だ。
 また、昨年から今年にかけての大きなトピックとして、ニューカマーによるヒットの連発が挙げられる。総合1位の「ドライフラワー」を筆頭に、総合7位のAdo「うっせぇわ」、10位のEve「廻廻奇譚」、11位のAwesome City Club「勿忘」、19位の藤井 風「きらり」、25位の川崎鷹也「魔法の絨毯」、39位の変態紳士クラブ「YOKAZE」、43位のBLOOM VASE「Bluma to Lunch」、46位のVaundy「napori」と、50位圏内を見渡すだけでも9組に及ぶ。昨年は、YOASOBI、瑛人、NiziU、Snow Man、SixTONES、yama、Rin音の7組だった。アーティストに起因するファンダムと、楽曲に起因するファンダムが拮抗した昨年から、今年は明確な転換が起きている。
 優里とAdoが複数曲をチャートインさせていることからも、YOASOBIに続き両アーティストが頭一つ抜けつつあるが、彼らニューカマーによるヒットの連発が20年代のJ-POPシーンを大きく塗り替え始めている。そして、昨年の瑛人やYOASOBIがTikTokやYouTubeでブレイク後に地上波テレビ等のメディアがフォローするのに1~2カ月のタイムラグがあったが、今年のAdoは1か月弱でキャッチアップされたことから、局所的なスマッシュヒットがメディアに後押しされてビッグヒットに繋がりやすくなった=ヒットの土壌が整備された、のが今年のトピックと言い換えることも可能だろう。メディアもまた、変革のときを迎えているともいえそうだ。
 この状況から、来年の音楽シーンはどう変わるのか、楽しみな2022年はもう間もなくだ。願わくば、ひとつのファンダムに留まる必要は無いのだから、活性化するシーンが生み出す様々なアーティストや楽曲に触れて頂きたい。そのための最もシンプルなタッチポイントがチャートであるよう、ビルボードは今後もブラッシュアップを続けていく。
Text by 礒崎誠二

【Billboard JAPAN HOT 100 of the Year 2021】トップ10
1位「ドライフラワー」優里
2位「Dynamite」BTS
3位「夜に駆ける」YOASOBI
4位「炎」LiSA
5位「怪物」YOASOBI
6位「Butter」BTS
7位「うっせぇわ」Ado
8位「群青」YOASOBI
9位「虹」菅田将暉
10位「廻廻奇譚」Eve
集計期間:2020年11月23日(月)~2021年11月28日(日)

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