【米ビルボード・ソング・チャート】アデル復帰シングル「イージー・オン・ミー」で自身5曲目の首位獲得
【米ビルボード・ソング・チャート】アデル復帰シングル「イージー・オン・ミー」で自身5曲目の首位獲得

 アデルが復帰シングル「イージー・オン・ミー」で約6年ぶりの首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 解禁後わずか5時間の集計で先週68位にデビューした「イージー・オン・ミー」は、その5時間分を除く残りのポイントが今週のチャートに反映し、1位に急上昇。Hot 100での首位獲得は、2015年11月14日から2016年1月16日までの10週を記録した「ハロー」以来約6年ぶり、下記のタイトルに続く5曲目の快挙で、それぞれ8位を記録した「スカイフォール」(2012年)、「センド・マイ・ラヴ(トゥ・ユア・ニュー・ラヴァー)」(2016年)の2曲を含む、通算7曲目のTOP10入りを果たした。TOP40には、最高21位をマークした「チェイシング・ペイヴメンツ」(2009年)から11曲目のランクインとなる。

7週「ローリング・イン・ザ・ディープ」(2011年)
5週「サムワン・ライク・ユー」 (2011年)
2週「セット・ファイヤー・トゥ・ザ・レイン」 (2012年)
10週「ハロー」 (2015年)
1週「イージー・オン・ミー」(2021年)

 イギリス生まれのソロ・シンガーとしては、エルトン・ジョン(9曲)、ポール・マッカートニー (9曲)、ジョージ・マイケル(8曲)、フィル・コリンズ(7曲)、同5曲をもつオリビア・ニュートン=ジョンに続く6番目の首位獲得数となる。今月は、10月9日付チャートでコールドプレイ&BTSの「マイ・ユニバース」が1位に初登場しているが、イギリス出身のアーティストの曲が同じ月に2曲首位を獲得したのは、エルトン・ジョン&ジョージ・マイケルの「ドント・レット・ザ・サン・ゴー・ダウン・オン・ミー」と、ライト・セッド・フレッドの「アイム・トゥー・セクシー」がランクインした1992年2月以来、約30年ぶりとなる。

 「イージー(Easy)」がタイトルに含まれる曲が1位を獲得するのは、意外にも「イージー・オン・ミー」が歴代初で、これまでの最高位はフィリップ・ベイリー&フィル・コリンズの「イージー・ラヴァー」(1985年)が記録した2位だった。その他4曲がTOP5入りしているが、いずれも「イージー・ラヴァー」より前のリリースで、1985年以降36年越しに記録が更新されたことになる。

 1位に到達した曲のジャンプアップ記録としては、以下のタイトルに続く歴代8番目に浮上し、テイラー・スウィフトの「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ」以降、過去4年間での最高記録を打ち出した。

97位から1位(97)ケリー・クラークソン「ウィズアウト・ユー」(2009年2月7日)
96位から1位(95)ブリトニー・スピアーズ「ウーマナイザー」(2008年10月25日)
80位から1位(79)T.I.「マイアヒ・ライフfeat.リアーナ」(2008年10月18日)
78位から1位(77)エミネム「クラック・ア・ボトルfeat.ドクター・ドレー&50セント」(2009年2月21日)
77位から1位(76)テイラー・スウィフト「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ」 (2017年9月16日)
72位から1位(71) テイラー・スウィフト「私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない」(2012年9月1日)
71位から1位(70) T.I.「ホワットエヴァー・ユー・ライク」(2008年9月6日)
68位から1位(67) アデル「イージー・オン・ミー」(2021年10月30日)

 「イージー・オン・ミー」の週間セールスは、先週の14,800から74,000に、ストリーミングは310万回から5,390万回に、エアプレイも310万回から6,500万回にそれぞれ跳ね上がり、セールス、ストリーミングの両チャートでも1位を獲得、Hot 100との3冠を制した。エアプレイ・チャートでは、全フォーマットによるランキングに改正された1998年12月以降、初登場の順位としては歴代最高位となる4位にデビューしている。

 2021年にリリースされたタイトルで週間ストリーミングが5,000万回を上回ったのは、オリヴィア・ロドリゴの「drivers license」(7,610万回 / 1月23日)、ドレイクの「Way 2 Sexy feat.フューチャー&ヤング・サグ」 (6,730万回 / 9月18日)、オリヴィア・ロドリゴの「good 4 u」 (6,270万回 / 6月5日)、「drivers license」の2週目(1月30日)が記録した5,970万回、ポロ・Gの「Rapstar」 (5,360万回 / 4月24日)に続く5曲目で、自身の曲では現時点での最高記録となる。

 デジタル・ソング・セールス・チャートでは5曲目、ストリーミング・ソング・チャートで2曲目、エアプレイ・チャートでは9曲目のTOP10入りを果たし、その他、アダルト・コンテンポラリー・チャートで4位、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートで6位、アダルト・オルタナティブ・エアプレイ・チャートでも同6位にTOP10入りし、ポップ・エアプレイ・チャートで14位、アダルトR&Bエアプレイ・チャートでは20位にそれぞれランクアップしている。

 「イージー・オン・ミー」は、11月19日にリリース予定の新作『30』からのリード・シングルで、2ndアルバム『21』(2011年)の「ローリング・イン・ザ・ディープ」、3rdアルバム『25』(2015年)の「ハロー」に続き、3作連続で1stシングルが1位を獲得するという偉業も達成した。

 アデルの登場により、先週1位に浮上した リル・ナズ・X&ジャック・ハーロウの「インダストリー・ベイビー」は3位に下降したが、R&B/ヒップホップ・ソング・チャート、ラップ・ソング・チャートではそれぞれ9週目の1位を獲得している。2位は、ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバーの「ステイ」が同位をキープし、エアプレイ・チャートでは6週目の首位を獲得したが、1位の「イージー・オン・ミー」とのポイント差は、2対1ほど引き離されている。

 今週TOP3にランクインした3曲は、いずれもコロムビア・レコードがリリース元で、同じレーベルからそれぞれ別のアーティストの曲がTOP3を独占したのは、2005年10月22日付チャートでアイランド・デフ・ジャム・ミュージック・グループが達成して以来、16年ぶりとなる。なお、ドレイクのように同じアーティストが独占するケースは除く。

 以下、先週3位をキープしたウォーカー・ヘイズの「ファンシー・ライク」は4位に、エド・シーランの「バッド・ハビッツ」も先週の4位から5位に、ドレイクの「Way 2 Sexy feat.フューチャー&ヤング・サグ」も6位から7位にそれぞれひとつ順位を落とし、8位はデュア・リパの「レヴィテイティング」が同位をキープした。「レヴィテイティング」は、今週でTOP10滞在記録を40週目に更新し、39週を記録したポスト・マローンの「サークルズ」(2019年)を抜いて歴代2位に浮上した。トップは、今年ザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」が打ち出した57週。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは10月29日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「イージー・オン・ミー」アデル
2位「ステイ」ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー
3位「インダストリー・ベイビー」リル・ナズ・X&ジャック・ハーロウ
4位「ファンシー・ライク」ウォーカー・ヘイズ
5位「バッド・ハビッツ」エド・シーラン
6位「Way 2 Sexy」ドレイクfeat.フューチャー&ヤング・サグ
7位「good 4 u」オリヴィア・ロドリゴ
8位「レヴィテイティング」デュア・リパ
9位「シヴァーズ」エド・シーラン
10位「キス・ミー・モア」ドージャ・キャットfeat.シザ