【米ビルボード・アルバム・チャート】タイラー・ザ・クリエイター初登場1位、ドージャ・キャットが2位に続く
【米ビルボード・アルバム・チャート】タイラー・ザ・クリエイター初登場1位、ドージャ・キャットが2位に続く

 タイラー・ザ・クリエイターの新作『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』がNo.1デビューを飾った、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 6月25日にサプライズ・リリースした本作『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』は、2019年5月発表の『イゴール』から約2年ぶり、通算6枚目のスタジオ・アルバム。首位獲得はその『イゴール』に続く2作目で、デビュー作から6作連続のTOP5入りを果たした。

1stアルバム『ゴブリン』(2011年 / 5位)
2ndアルバム『ウルフ』(2013年 / 3位)
3rdアルバム『チェリー・ボム』(2015年 / 4位)
4thアルバム『フラワー・ボーイ』(2017年 / 2位)
5thアルバム『イゴール』(2019年 / 1位)
6thアルバム『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』(2021年 / 1位)

 『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』の初動ユニットは169,000で、そのうちアルバム・ストリーミング(SEA)が114,000、トラックごとのユニット(TEA)は1,000、アルバム・セールスが55,000だった。週間ストリーミングは1億5,296万回を記録している。

 ラッパーのアルバムとしてはセールスも高く、その理由として公式ウェブサイトのみで販売されたCDとカセットテープのパッケージ・セールスが好調だったことが挙げられる。セールス55,000の内訳、CDによる売り上げが40,000、カセットテープが10,000で、デジタル・ダウンロードはわずか5,000程度だった。なお、16曲目に収録されたCDのボーナス・トラック(Fishtail)と、デジタル・ダウンロードのデラックス盤のボーナス・トラック(Safari)はそれぞれ異なる。

 『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』は、数量限定で販売したCDとカセットテープの他、CD、Tシャツ、ポスターが含まれたボックスセット2種と、カセット、Tシャツ、ポスターのボックスセット2種がそれぞれ25ドルでリリースされている。CD、カセットテープ、ボックスセットはわずか1日で完売し、現時点で再販されるか、その他の小売店等でリリースされるか等今後の詳細は明らかになっていない。現時点ではアナログ盤も販売されておらず、それらがリリースされれば再び高セールスを獲得する可能性が高い。

 なお、そのセールス55,000を除いたストリーミングのみのユニットとしても、今週2位に初登場したドージャ・キャットの『プラネット・ハー』を上回る114,000ユニットを記録して1位を獲得したことになる。

 『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』と同日にリリースされたドージャ・キャットの新作『プラネット・ハー』は、惜しくも初登場1位獲得を逃したものの、初動109,000と高記録を打ち出し自己最高位を更新した。これまでの最高位は前作『ホット・ピンク』が記録した9位で、TOP3入りはドージャにとって初の快挙となる。

 109,000ユニットの内訳96,000がアルバム・ストリーミングで、全体の9割弱をストリーミングが占めた。週間再生数も『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』に迫る1億3,200万回を記録している。ソング・チャート“Hot 100”で4位まで上昇中のリード・シングル「キス・ミー・モアfeat.シザ」のヒットもあり、トラックごとのユニットも3,000と高記録を打ち出した。アルバム・セールスは10,000で、そのうち6,000がデジタル・ダウンロード、4,000がCDによるパッケージ・セールスだった。本作は、2日後の6月27日に5曲を追加したデラックス・エディションが早々にリリースされている。

 先週1位に返り咲いたオリヴィア・ロドリゴの『サワー』は3位にダウンしたが、今週も93,000ユニットと高水準を維持している。次週は、6月30日に公式YouTubeで配信されたコンサート・フィルム【SOUR Prom】の反響を受け、ユニット数が増加する可能性が高い。リル・ベイビーとリル・ダークのコラボレーション・アルバム『The Voice Of The Heroes』も3位から4位に順位を落としたが、ユニット数は9%減少の52,000に留まっている。

 2週前にNo.1デビューしたポロGの新作『ホール・オブ・フェイム』は、前週比27%減少の49,000ユニットまで落ち込み2位から5位にダウン。5位から6位に下降したモーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』は、先週とほぼ同率の47,000ユニットで安定している。本作は、2021年上半期時点で最長の10週連続1位(1月23日から3月27日)を獲得し、以降TOP10にランクインし続けている。

 以下、ミーゴスの新作『カルチャーIII』(37,000ユニット / 31%減少)が4位から7位にダウンし、ボー・バーナムの『Inside (The Songs)』(32,000ユニット / 4%増加)が9位から8位に上昇。デュア・リパの『フューチャー・ノスタルジア』(31,000ユニット / 1%減少)は7位から9位にランクダウンし、ジャスティン・ビーバーの『ジャスティス』が先週の14位から10位にTOP10復帰した。『ジャスティス』は、6月25日にリリースされたアナログ盤の売り上げによりセールスが618%増加の7,000(うち6,000がLPのセールス)に上昇した。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは7月9日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』タイラー・ザ・クリエイター
2位『プラネット・ハー』ドージャ・キャット
3位『サワー』オリヴィア・ロドリゴ
4位『The Voice Of The Heroes』リル・ベイビー&リル・ダーク
5位『ホール・オブ・フェイム』ポロG
6位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
7位『カルチャーIII』ミーゴス
8位『Inside (The Songs)』ボー・バーナム
9位『フューチャー・ノスタルジア』デュア・リパ
10位『ジャスティス』ジャスティン・ビーバー