“皆が同じ曲を聴いていた”80年代の洋楽が印象的なハッピー映画『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』公開へ
“皆が同じ曲を聴いていた”80年代の洋楽が印象的なハッピー映画『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』公開へ

 2019年にフランスで公開され大ヒットを記録、同国に実在するゲイの水球チームを題材に作られた映画『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』が、7月9日に全国公開となる。

 本作は、同性愛者への心ない発言の罰としてゲイのアマチュア水球チームのコーチをすることになった、元オリンピック・銀メダリストの水泳選手マチアス(ニコラ・ゴブ)と、 パーティー大好きなお調子者チーム“シャイニー・シュリンプス”が、LGBTQ+による世界最大のスポーツの祭典【ゲイゲームズ】を目指すというストーリーだ。

 シャイニー・シュリンプスが主張する人生の価値は、“他人の意見に煩わされることなく人生を精一杯生き、たとえどんな困難にぶつかっても自分に正直に生きること”。そんな彼らの「積極的に人生を楽しもう」という考え方は劇中で流れる音楽にも反映されており、特に80年代を彩ったヒットソングが随所に散りばめられている。

 本作のメガホンをとったマキシム・ゴヴァール監督は、「80年代の音楽は歴史上最高なんです」とコメント。加えて、実際にシャイニー・シュリンプスのメンバーでもあるセドリック・ル・ギャロ(共同)監督も、「1980年代の楽曲は音楽的にも本当に素晴らしい。そのことに加えて、あの時代は好き嫌いにかかわらず、みんなが同じ曲を聴いていたという時代だった。僕もマキシムも子供の頃によく聴いていたしね。1980年代の音楽には、この音楽を聴いたらひとつになれる、みんなを連帯させるような力があると思う」と話す。

 ゲイゲームズの舞台クロアチアに向かうバスの道中でメンバーが歌う「BOYS」(1987)は、イタリアの女性シンガー、サブリナ・サレルノのヒットナンバーだ。グルーヴに身を委ねて夏の恋を楽しもう!という自己の解放を謳ったもので、セクシーで過激なMVがイギリスで初めて検閲を受けた楽曲でもある。

 クライマックスにメンバーがダンスを披露する曲はボニー・タイラーの名曲「Holding Out for a Hero」(1984)。逆境と闘う偉大なヒーローが必要、という歌詞の同曲をパフォーマンスするメンバーたちに感化され、ゲイ嫌い、且つ勝ち負けにこだわらないチームのメンバーが理解できなかったマチアスは、本当に大切なものは何かということを理解する。

 また、80'sソングではないものの、2000年にフランスでミリオンセラーとなったガルーとセリーヌ・ディオンのデュエット曲「Sous Le Vent(風に乗って)」も印象的だ。ゲイということで故郷を追われたチームの新人・ヴァンサンが、殻を破り、周りの客から白い目で見られようとセリーヌ・ディオンになりきり女装してパフォーマンスを披露することで自分の居場所を見つける、といった心に迫るシーンで使用される。

 同曲についてセドリック監督は、「毎週日曜にチーム(シャイニー・シュリンプス)のメンバーたちと集まっていたんですが、毎回ラストはこの曲を歌ってお別れしていたんです」と、実際にチームで過ごした貴重な経験と楽曲へのリスペクトが選曲に反映されていることを打ち明けている。

 劇中ではこの他、R.E.M.「Lotus」、仏シンガーソングライター/俳優 Eddy de Prettoによる「Kid」などが印象的に使用されている。

 今夏、最高にハッピーになれる映画『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』は、7月9日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開。

◎公開情報
映画『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』
2021年7月9日 全国ロードショー
監督・脚本:セドリック・ル・ギャロ、マキシム・ゴヴァール
出演:ニコラ・ゴブ、アルバン・ルノワール、ミカエル・アビブル、デイヴィット・バイオット、ロマン・ランクリー、ローランド・メノウ、ジェフリー・クエット、ロマン・ブロー、フェリックス・マルティネス
配給:ポニーキャニオン、フラッグ
提供:フラッグ、ポニーキャニオン
原題:Les Crevettes Pailletees 英題:The Shiny Shrimps

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