加山雄三、ビートルズとすき焼きのエピソードを明かす
加山雄三、ビートルズとすき焼きのエピソードを明かす

 6月29日は、ザ・ビートルズの来日(1966年)から、55周年の記念日だ。

 来日当時、ビートルズと接見できたのは、星加ルミ子氏やファンクラブの会長など、ごく限られた関係者だけだった。さらに、メンバー全員と一緒に食事をした日本人は恐らく加山雄三氏だけだろう。その様子については、今となっては、加山氏の記憶が頼りだが、会ったきっかけや当日の食事の様子など、貴重なエピソードが公開された。

「加山雄三のビートルズとすき焼きのエピソード」

 来日時、加山を誘ったのは、当時東芝レコードのビートルズ担当、高嶋弘之氏だった。「ビートルズに会いに行かないか?」と誘ったものの、加山は「考えさせてくれ」と答え、一旦帰宅。一番信頼する祖母に相談した。加山が「ビートルズって知ってる?」と尋ねると、祖母は「私を誰だと思ってんだい? おかっぱ頭の4人組だろ。それがどうしたのさ」「会わないかと誘われたんだけど、どうしたらいい?」「バカだね、将来きっと役にたつから会っておいで」このやり取りで決心した加山は高嶋氏に連絡、ビートルズに直接、会うことになった。

 4人が宿泊していた東京ヒルトンホテル(当時)は関係者さえ簡単には入れない厳重警戒だったが、加山はアポなしで「どうも加山雄三です」の一言で難なくビートルズが泊っている19階のスウィートに到着。最初に現れたのは高下駄を履いたリンゴ・スターとポール・マッカートニだった。その後ビートルズの4人と加山だけで通訳なしで談笑。お互いのレコード(ビートルズは『ラバーソウル』、加山は『ハワイの休日』)を聴いたりした。メンバーは時間を持て余して、絵を描いたりしていたが、その後「腹が減ったので日本的なものが食べたい」ということに。当時、若大将シリーズですき焼き屋の息子役を演じていた加山が機転を利かして、ルームサービスですき焼きを注文。自らが調理してメンバーにふるまい、卵をつけての食べ方も教えた。その際、ジョンがテーブルの椅子をよけて床に座り、テーブルに顎を置き、箸一本で食べ出した。加山が「行儀が悪いぞ」と注意したが「いいんだよ、こうやって日本を感じてるんだ」と答えたという。最後は4人と一緒にオフィシャル・カメラマンのロバート・ウイテカー氏に記念写真を撮影してもらって部屋をあとにした。

 当時、日英のスーパースター同士の束の間のひと時、加山氏と同年代のメンバーとの間で、どんな会話が交わされたのか…、加山氏は接見の翌日に武道館でビートルズを観たという。それから55年の年月が流れた今日でも、映画『ハード・デイズ・ナイト』の上映会、専門店舗の期間限定オープン、トリビュート・イベント等々、多くのビートルズ関連の催しがビートルズ来日月間を記念して開催される。

◎イベント情報
【ビートルズ来日55周年記念ビートルズ専門店GET BACK】
2021年6月15日(火)~7月2日(金)
池袋パルコ本館6F PGS STORE
11:00~20:00

【Rock Talks Movie Lab.~A HARD DAY'S NIGHT~】
2021年6月16日(水) 
OPEN17:30 START18:00
有楽町よしもとシアター
トーク&コメント出演者: 立川直樹 /ダイノジ大谷/こがけん

【LEGEND OF ROCK Vol.121~Tribute to The Beatles~
Presented by MUSIC LIFE CLUB】
2021年6月21日(月)
渋谷 duo MUSICEXCHANGE