【米ビルボード・ソング・チャート】ポロ・G「Rapstar」初登場1位、ドージャ・キャット&シザのコラボ曲TOP10デビュー
【米ビルボード・ソング・チャート】ポロ・G「Rapstar」初登場1位、ドージャ・キャット&シザのコラボ曲TOP10デビュー

 米イリノイ州シカゴ出身のラッパー=ポロ・Gの新曲「Rapstar」がNo.1デビューした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 2021年4月9日にリリースされた「Rapstar」は、初週5,360万再生を記録してストリーミング・ソング・チャートでも同1位を獲得。また、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでも自身初のNo.1に輝いた。

 2021年の週間ストリーミングとしては、オリヴィア・ロドリゴの「drivers license」が記録した7,610万回(1月23日)、5,970万回(1月30日)に次ぐ3番目に高い再生数で、男性アーティストとしては現時点での最高記録となる。

 デジタル・ソング・セールス・チャートでは、5,300を売り上げて21位に初登場。エアプレイ・チャートにはまだランクインしていないが、初週844,000オンエア数を記録している。

 これまでの最高位は、ゲストとして参加したジュース・ワールド&マシュメロの「ヘイト・ジ・アザー・サイドfeat.ポロ・G&ザ・キッド・ラロイ」の10位で、首位獲得は初の快挙。アルバム・チャート“Billboard 200”では、デビュー作『Die a Legend』(2019年)が6位、2ndアルバム『The Goat』(2020年)が2位に、2作いずれもTOP10入りしているが、未だ1位を獲得したことがない。

 Hot 100史上1位に初登場したのは「Rapstar」が52曲目で、2021年ではオリヴィア・ロドリゴの「drivers license」(1月23日)、ドレイクの「What's Next」(3月20日)、ジャスティン・ビーバーの「ピーチズfeat.ダニエル・シーザー&ギヴィオン」(4月3日)、リル・ナズ・Xの「モンテロ(コール・ミー・バイ・ユア・ネーム)」(4月10日)に続く5曲目のタイトル。

 今週「Rapstar」が首位を獲得したことで、ドレイクの「What's Next」から6週連続で1位のタイトルが入れ替わり、昨年の5月9日から6月13日までの同6週と記録を並べた。これまで最も首位が入れ替わったのは1990年の7週で、その記録にリーチをかけたことになる。

1990年
9月29日 ネルソン「ラヴ・アンド・アフェクション」
10月6日 マキシ・プリースト「クロース・トゥ・ユー」
10月13日 ジョージ・マイケル「プレイング・フォー・タイム」
10月20日 ジェイムス・イングラム「アイ・ドント・ハヴ・ザ・ハート」
10月27日 ジャネット・ジャクソン「ブラック・キャット」
11月3日 ヴァニラ・アイス「アイス・アイス・ベイビー」
11月10日 マライア・キャリー「ラヴ・テイクス・タイム 」

2020年
5月9日 トラヴィス・スコット&キッド・カディ「ザ・スコッツ」※初登場1位
5月16日 ドージャ・キャット「セイ・ソーfeat.ニッキー・ミナージュ」
5月23日 ジャスティン・ビーバー&アリアナ・グランデ「スタック・ウィズ・ユー」※初登場1位
5月30日 ミーガン・ジー・スタリオン「サヴェージfeat.ビヨンセ」
6月6日 レディー・ガガ「レイン・オン・ミーwithアリアナ・グランデ」※初登場1位
6月13日 ダベイビー「ロックスターfeat.ロディ・リッチ」

2021年
3月20日 ドレイク「What's Next」※初登場1位
3月27日 カーディ・B「Up」
4月3日 ジャスティン・ビーバー「ピーチズfeat.ダニエル・シーザー&ギヴィオン」※初登場1位
4月10日 リル・ナズ・X「モンテロ(コール・ミー・バイ・ユア・ネーム)」※初登場1位
4月17日 シルク・ソニック「リーヴ・ザ・ドア・オープン」
4月24日 ポロ・G「Rapstar」※初登場1位

 タイトルに「ラップ」(Rap)が含まれる曲が1位を獲得するのは、1981年3月28日から2週を記録したブロンディの「ラプチュアー」(Rapture)以来40年ぶり、歴代2曲目で、その他ジャガーズの「ザ・ラッパー(The Rapper)」(1970年 / 2位)と、エミネムの「ラップ・ゴッド(Rap God)」(2013年 / 7位)がTOP10入りしている。ラップ・ソング・チャートでは、その「ラップ・ゴッド」とアバヴ・ザ・ロウの「マーダー・ラップ」(1990年)に続く3曲目のNo.1タイトル。

 先週2位にダウンしたリル・ナズ・X「モンテロ(コール・ミー・バイ・ユア・ネーム)」は、今週も同位をキープ。「Rapstar」の登場によりストリーミング・チャートでも2位にダウンしたが、デジタル・ソング・セールス・チャートでは、前週から34%増加の19,500を売り上げて3位から1位に上昇した。セールス・チャートでの首位獲得は、2019年に通算16週を記録したモンスター・ヒット「オールド・タウン・ロードfeat.ビリー・レイ・サイラス」以来約2年ぶり、2曲目のタイトル。

 先週、登場5週目でNo.1に輝いたシルク・ソニックの「リーヴ・ザ・ドア・オープン」は3位にダウンしたが、ラジオのオンエア数を10%増加の6,550万回に伸ばし、エアプレイ・チャートでは2位から1位に上昇。登場6週目での首位獲得は、2017年に同6週でトップに立ったエド・シーランの「シェイプ・オブ・ユー」と並ぶ最速記録となる。

 エアプレイ・チャートでの首位獲得は、アンダーソン・パークにとって初、ブルーノ・マーズにとっては通算9曲目のタイトルで、集計がスタートした1990年以降では、リアーナ(13曲)、マライア・キャリー(11曲)に続く3番目に多い記録を更新した。R&Bソング・チャートでは、4週目の1位をキープしている。

 7位には、ドージャ・キャットの新曲「キス・ミー・モアfeat.シザ」が初登場。初週2,330万再生を記録してストリーミング・ソング・チャートで4位、7,600を売り上げてデジタル・ソング・セールス・チャートでは11位にそれぞれデビューした。エアプレイは1,260万回を記録している。

 ドージャ・キャットは、昨年の5月16日付チャートで自身初のNo.1を記録した「セイ・ソーfeat.ニッキー・ミナージュ」以来1年ぶり、2曲目のTOP10入りで、TOP10にデビューしたのは初のタイトル。ゲストのシザは、マルーン5の「ホワット・ラヴァーズ・ドゥfeat.シザ」(2017年 / 7位)、ケンドリック・ラマーとのコラボ・ソング「オール・ザ・スターズ」(2018年 / 7位)、「グッド・デイズ」(2021年 / 9位)に続く4曲目のランクインで、同7位で最高位を更新した。

 「キス・ミー・モア」が収録されるドージャ・キャットの新作『プラネット・ハー』は、今夏にリリースされる予定。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは4月23日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「Rapstar」ポロ・G
2位「モンテロ(コール・ミー・バイ・ユア・ネーム)」リル・ナズ・X
3位「リーヴ・ザ・ドア・オープン」シルク・ソニック
4位「ピーチズ」ジャスティン・ビーバーfeat.ダニエル・シーザー&ギヴィオン
5位「セイヴ・ユア・ティアーズ」ザ・ウィークエンド
6位「レヴィテイティング」デュア・リパfeat.ダベイビー
7位「キス・ミー・モア」ドージャ・キャットfeat.シザ
8位「Up」カーディ・B
9位「drivers license」オリヴィア・ロドリゴ
10位「アストロノーツ・イン・ジ・オーシャン」マスクド・ウルフ