<ライブレポート>ジャンルを超えたハイブリッドなポップミュージックを生み出し続けるモノンクルの“今” 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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<ライブレポート>ジャンルを超えたハイブリッドなポップミュージックを生み出し続けるモノンクルの“今”

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<ライブレポート>ジャンルを超えたハイブリッドなポップミュージックを生み出し続けるモノンクルの“今”

<ライブレポート>ジャンルを超えたハイブリッドなポップミュージックを生み出し続けるモノンクルの“今”


 吉田沙良、角田隆太によるソングライティングデュオ、モノンクルが3月12日、ビルボードライブ東京で【MONONKVL in Billboard Live TOKYO】を行った。
 
 3月3日に配信された「抱いてHOLD ON ME!」(モーニング娘。)のカバーバージョンが話題を集めている二人はこの日、打ち込みと生楽器の演奏を融合させた新たなスタイルを披露。ジャズ、R&B、フォーク、エレクトロなどをフュージョンさせた音楽性、まるで映画のワンシーンを見ているような歌の表現によって、会場に足を運んだオーディエンスを魅了した。

 角田が繰り出すエレクトロ系のトラックのなかで、西田修大(G)、小川翔(G)、沖メイ(Cho、Synth、Effects)がアブストラクトかつメロウがフレーズを響かせる。心地よい音響が会場に広がるなか、吉田沙良がステージに登場。「RELOADING CITY」(アルバム『RELOADING CITY』)でライブは幕を開けた。オルタナR&Bのテイストを交えた「アポロ」(ポルノグラフィティ)のカバーを披露した後、最初のMCへ。

 「去年の7月に初めて配信ライブをやって。それはそれでおもしろかったし、たくさんの方が見てくれて嬉しかったんですけど、そのときすごく感じたのは、“お客さんがいる、いないで、こんなに違う?”ということで。声は出さなくても伝わってるので、拍手、身振り手振り、眼差しをください。とても心強いです」(吉田)と、約1年ぶりの有観客ライブへの思いを言葉にした後、「たくさん曲を用意してきたので、ここから詰め込みます」と「夕立」(アルバム『RELOADING CITY』)を演奏。アコースティックギター、ウッドベースの音色とエレクトロニカ的なトラックが溶け合うなか、叙情的なメロディラインが心地よく広がり、さらに強く観客を惹きつける。

 さらに未発表の新曲「似てない同士」も。角田がAbleton Pushを使ってビートとベースラインを響かせ、繊細さとしなやかさを内包させたメロディライン(沖メイとのハーモニーも絶品!)、恋人たちの心理的な距離感を描き出す歌がゆったりと伝わるこの曲は、モノンクルの最新モードを端的に示していたと思う。そして、「この曲をモノンクルとしてやるとは思わなかったよね。自分たちが思い描いていたものとは全然違う世界線を生きてるんだなって思わされた曲なんです」(吉田)という言葉に導かれたのは、「抱いてHOLD ON ME!」(モーニング娘。)。濃密なグルーヴを含んだベースライン、ラップを交えたボーカル、有機的に絡み合うギターフレーズが共鳴し、観客も気持ちよさそうに体を揺らし始める。笑顔で手拍子を求める吉田からも、久々のオンステージを心から楽しんでいることが伝わってきた。小川翔のノイジーかつメロウなギターソロも最高だ。

 「コロナになって、いろんな楽器を仕込んだこともそうですけど、今日は、今までのモノンクルとはちょっと違うテイストでお届けしていて。みなさんが都合をつけてここにきてくれたことでライブが成立しているのも、巡り合わせだなと思ってます」(角田)というMCを挟み、角田、吉田の二人だけのコーナーへ。と語り掛けるように歌った「最終列車 君を乗せて」、観客のハンドクラップに乗りというラインが響いた「SUNNYSIDE」。フロウの気持ち良さと奥深い歌心を同時に感じさせる吉田沙良のボーカリゼーションがとにかく素晴らしい。アコギと歌のシンプルな編成によって、楽曲に込められた情景と思いを描き出すパフォーマンスも、この日のライブの大きなハイライトだったと思う。(この2曲はいずれもアルバム「世界はここにしかないって上手に言って」に収録。洗練されたアレンジが施された原曲もぜひ聴いてほしい)

 モノンクル流のエレクトロ・ポップ「Every One Minute」からライブはクライマックスへ。「ここにしかないって言って」(アルバム)と「HOT CV」をつなぎ、会場全体がナチュラルな高揚感で包まれる。奔放なフェイクを響かせる吉田のステージングもめちゃくちゃ気持ちいい。

 アンコールの拍手に導かれて、メンバーは再びステージに。「こういう難しい状況なので、今日来てくれたことが本当に嬉しいです」(角田)と感謝を言葉にした後、「魔法がとけたなら」(アルバム「RELOADING CITY」)を披露。オーガニックな音響、切なさと愛らしさが重なり合うメロディ、という優しいフレーズが豊かな感動を生み出すなか、ライブはエンディングを迎えた。

 2021年6月27日のビルボードライブ横浜、7月16日にビルボードライブ大阪にてワンマンライブを開催することも決定。ジャンルを超えたハイブリッドなポップミュージックを生み出し続けるモノンクルの“今”を、ぜひ体感してほしいと思う。

Text by 森朋之
Photo by Yuma Totsuka


◎公演情報
【モノンクル
東京:MONONKVL in Billboard Live TOKYO
横浜:MONONKVL in Billboard Live YOKOHAMA
大阪:MONONKVL in Billboard Live OSAKA】

ビルボードライブ東京 ※終了
3/12(金)(1日2回公演)
1stステージ 開場 14:00 開演 15:00
2ndステージ 開場 17:00 開演 18:00

ビルボードライブ横浜
6/27(日)(1日2回公演)
1stステージ 開場15:30 開演16:30
2ndステージ 開場18:30 開演19:30

ビルボードライブ大阪
7/16(金)(1日2回公演)
1stステージ 開場17:00 開演18:00
2ndステージ 開場20:00 開演21:00

http://www.billboard-live.com/


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