<ライブレポート>INNOSENT in FORMALが初ワンマンライブをShibuya WWWで開催 ラップとバンドが繰り出す懐の大きなサウンドに魅了 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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<ライブレポート>INNOSENT in FORMALが初ワンマンライブをShibuya WWWで開催 ラップとバンドが繰り出す懐の大きなサウンドに魅了

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<ライブレポート>INNOSENT in FORMALが初ワンマンライブをShibuya WWWで開催 ラップとバンドが繰り出す懐の大きなサウンドに魅了

<ライブレポート>INNOSENT in FORMALが初ワンマンライブをShibuya WWWで開催 ラップとバンドが繰り出す懐の大きなサウンドに魅了


 INNOSENT in FORMALが2月20日に東京・Shibuya WWWで初となるワンマンライブ【INNOSENT One man Live How to spend the live】を開催した。

 INNOSENT in FORMALは、映画のスクリーンの中から飛び出してきたロックバンドとして、2017年から活動を開始したバンド。2020年12月16日にメジャー1stミニアルバム『INNOSENT 2~How to spend the night~』にはTVアニメ『池袋ウエストゲートパーク』エンディング主題歌の「after song」や同じくエンディング主題歌の「思うまま」、ティザーPV曲の「No.1」などが収録されている。YouTubeに公開されているMVには、海外からのコメントも多数見受けられ、今まさに注目しておくべきバンドだろう。

 そんなINNOSENT in FORMALの初ワンマンライブは池袋ではなく、渋谷のライブハウス「WWW」で開催されたのには理由がある。この「WWW」は、かつて渋谷の映画文化を支えてきたミニシアター「シネマライズ」のBF館であったのだ。つまり映画館の跡地に「WWW」ができたのであり、これほどINNOSENT in FORMALの初ワンマンライブにふさわしい会場はなかったということになる。本公演は地を這うような歌と音が大音量でとどろく「Riff」からスタートした。

 “和製Gorillaz”と呼ばれて話題となったINNOSENT in FORMALの特徴と言えば、大きなサウンドを鳴り響かせるバンドと、ボーカルのぽおるすみすが繰り出すフロウ・デリバリーの合わさりだろう。それがより顕著に場を支配したのは4曲目の「I wanna...」以降といえる。10年代中旬から日本でもラップミュージックがより勢いを増してきており、さらに、ここ数年ラップが音楽の中心にある北米のシーンにおいても、2020年はギターサウンドの入ったラップのヒットが目立っていた。INNOSENT in FORMALがそのような要素が見いだせるようにも感じられるが、しかし、それにしては楽器の音(特にギター)が大きく、それがより会場のダイナミクスを増しているといえるだろう。6曲目の「日向が少ないこの街で」は、ぽおるすみすがいなければロックバンドという印象を受けるが、声が入ると途端に単純にロックバンドともいえない、しかし単純にラップともいえない、心地よくとも少しグルーヴィーで、そして矛盾しているようだがリニアなサウンドが場を支配していた。

 7曲目からはゲストアーティストとしてキーボードのMIHO.Oが加わって「Night cruising」を披露したが、ここからは70年代や80年代の歌謡曲のような、少し艶やかなテイストも感じられる空気が醸成されていく。8曲目の「fragrance」はその空気感を維持しながらラップの雰囲気が少し強くなったかと思えば、9曲目の「Glass」や10曲目の「思うまま」では少しトーンを落として披露したことで、盛り上がるというより思わず曲をじっくり聴く時間が生まれたことも、ライブ中盤の効果として抜群だった。

 今回のライブで最も盛り上がったシーンの1つとして、12曲目の「Jackin' Rock Beats」を外すことは出来ないだろう。MC4人組のquon6をゲストアーティストとして呼んだこの楽曲は、The White Stripes「Seven Nation Army」やNirvana「Smells Like Teen Spirit」等といったロックの名曲と呼ばれる楽曲たちのリフを裏地としてラップを繰り出す、疾走感溢れるナンバーだ。そしてそのままの勢いで「Junkie's never enough」に突入。「超いいね あなたが揺れているその様は」というリリックがそのまま当てはまる盛り上がりを見せた。

 ライブも終盤。「思ってたよりもここまで来るのが早かったな」と語ったぽおるすみすは、続けて「今まで自分たちだけのライブを避けてきたんですけど、こんなに来てくれてありがとうございます。最近アンテナを伸ばすとINNOSENT in FORMALのことを好きでいてくれる人たちが多いんだなと改めて感じて、ありがとうございます」とコメントした。さらに「いつかもっと大きな会場で出来るように、言霊を飛ばして、今年、これからを生きて行こうと思います。一緒に挑戦していきましょう」と締めて、「TRAIN」と「after song」を披露した。リリックにある通り、かつて一緒に遊んだ人たちのことをライブ後に思い馳せる「after song」を本編最後に持ってきたのは憎いセットリストだ。今、このコロナの状況において苦境を強いられているライブハウスの中で、出来る範囲で盛り上がったINNOSENT in FORMALの初ワンマンライブ。互いの顔をほとんど知らないであろうオーディエンスたちも、今後どこかの場面でこのライブを思い出すことになるだろう。それほどの懐の大きさを見せたライブであった。


Text by Akihiro Ota
Photo by 白石達也


◎公演情報
【INNOSENT One man Live How to spend the live】
2021年2月20日(土)
東京・Shibuya WWW

<セットリスト>
01.Riff
02.Footloose
03.No.1
04.I wanna...
05.Atama
06.日向が少ないこの街で
07.Night cruising
08.fragrance
09.Glass
10.思うまま
11.Ficus umbellate
12.Jackin' Rock Beats
13.Junkie's never enough
14.Highway
15.TRAIN
16.after song
-ENCORE-
01.R.I.P.
02.One for you


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