解散したダフト・パンク、もし2022年にツアーを行っていた場合の興行収入を推測
解散したダフト・パンク、もし2022年にツアーを行っていた場合の興行収入を推測

 米ビルボードの推計によると、ダフト・パンクのカタログは過去4年間に毎年640万ドル(約6億8000万円)の収益を上げており、その半分は米国、残りは海外からの収益となった。

 2月22日に解散を発表した彼らの印税率が、他の人気アーティスト同様に売上の22%、オンデマンド・ストリーミングの33%であるとすると、印税はおよそ188万3000ドル(約2億円)になると計算できる。この数字には、マスター・レコーディングのシンクロ権、サンプリングの印税、出版の印税は含まれていない。

 7年以上アルバムをリリースしていないにもかかわらず、ダフト・パンクのカタログは過去4年間一定の売上を維持している。年間平均約31万7000枚のアルバムの売上を記録し(2017年に32万8000枚、2020年に31万2000枚)、毎年若干の売上の減少に止まった。同期間でのアナログ・レコードの販売枚数(主に2枚組アルバム)は年間平均約3万6000枚、CDは約1万2000枚、そしてアルバムのダウンロード数は約1万4000となった。

 楽曲のダウンロード数は2017年の19万1000から2021年には6万9000に減少し、年間平均11万7000となっている。ただし、この期間のダウンロード数は全体的に減少している。一方、オンデマンド・ビデオとオーディオ・ストリーミングは同期間中に平均4億860万回を記録している。ダフト・パンクにとって最も収益が多かったのはオーディオ・ストリーミングで、約274万ドル(約2億9000万円)を得た。続いてアナログ・レコードの収益が172万ドル(約1億8000万円)だった。

 ダフト・パンクは新曲のリリース以上にツアーから遠ざかっている期間が長く、最後のツアーは2006年から2007年に48公演を行った【Aliveツアー】だった。Billboard Boxscoreに報告された10公演のうち、興行収入の範囲は米コロラド州の9000人収容可能なレッド・ロックス・アンフィシアターでの34万8000ドル(約3700万円)から豪シドニー・ショーグラウンドでの280万ドル(約3億円)となる。

 確かな数字がないため、2007年のツアーの総興行収入を見積もるのは困難であるが概算で2000万ドル(約21億2000万円)から4000万ドル(約42億4000万円)の範囲と推測される。13年間ツアーを休止していたため、どれだけの金額をツアーで稼ぐことができたのか推定するのはさらに難しい。

 もし、ダフト・パンクが2022年にツアーを行うと仮定した場合、1年間で1億ドル(約106億円)を稼ぐことができただろう。例えば、2週間にわたり開催される【コーチェラ】でのヘッドライナーとしての2公演では経費を差し引いても1200万ドル(約12億7000万円)を簡単に手にすることができただろう。

 また、他の少なくとも10の主要な世界的なフェスティバルは、1公演あたり500万ドル(約5億3000万円)から600万ドル(約6億4000万円)を支払っていただろう。これらのフェスティバルへの出演と厳選されたスタジアム・ツアーを組み合わせれば、ダフト・パンクは1公演で300万ドル(約3億2000万円)を稼ぎ出すことができ、米ビルボードの独自の見積もりによると、1年間に35回~40回の公演を行うことで1億ドル(約106億円)の大台を突破することができただろう。