悪魔崇拝・教会放火・殺人…ノンフィクションを原作にした実在ブラックメタルバンドの青春物語、衝撃の映画『ロード・オブ・カオス』予告映像解禁
悪魔崇拝・教会放火・殺人…ノンフィクションを原作にした実在ブラックメタルバンドの青春物語、衝撃の映画『ロード・オブ・カオス』予告映像解禁

 実在するメタルバンドの狂乱の青春映画『ロード・オブ・カオス』が3月26日より公開。日本版予告映像が解禁された。また、公開にあわせて本作の原作『ロード・オブ・カオス ブラック・メタルの血塗られた歴史』が、2009年刊行の邦訳に新たな解説を加え復刊されることになった。

 ノルウェー・オスロに拠点を置き、初期ブラック・メタル・シーンの中核的バンドとなったメイヘム(Mayhem)は、サタニズム(悪魔崇拝主義)を標榜し、過激なライヴパフォーマンスとコープスペイント(死化粧)で世界のメタルシーンを席捲。同時に、バンドリーダーのユーロニモスは“誰が一番邪悪か”を競い合うアンダーグラウンド集団「インナーサークル」を結成。その活動は過激化し、教会連続放火、暴動、果ては複数の殺人事件まで引き起こし社会問題に発展した。

 本作は、そんなメイヘムにも在籍したヴァーグ・ヴァイカーネス(バーズム/Burzum)への獄中インタビューや「悪魔教会」教祖のアントン・ラヴェイなど、多数の主要人物や専門家への取材をふまえ、音楽的な歴史からオカルト/悪魔崇拝の歴史、北欧における異教信仰やナショナリズムのあり方など、社会的・文化的・心理学的な背景を探ったノンフィクション『ロード・オブ・カオス ブラック・メタルの血塗られた歴史』を原作にした作品で、メイヘムの邪悪ながらも切なく尊く痛々しい青春を描いた音楽ドラマとなっている。

 監督を務めるのは、自身もブラック・メタル・バンド、バソリー(Bathory)の元ドラマーであり、ローリング・ストーンズ、マドンナ、ポール・マッカートニー、メタリカなどのMVも手掛けるジョナス・アカーランド。当時のメタルシーン内部にいた監督ならではの演出と、関係者たちへの綿密な取材で音楽と世界観を完璧に再現し、メンバーの心情を繊細かつ大胆に活写。

 また、音楽を担当するのはシガー・ロスで、劇中で流れるメイヘムやメタルバンドの楽曲の狭間、心揺るがす劇伴を披露している。

 主人公のユーロニモスを演じるのはマコーレー・カルキンの実弟、ロリー・カルキン。ヴォーカルのデッドを演じるのは、ヴァル・キルマーの息子でありオジー・オズボーンの「Under the Graveyard」のMVで若きオジー役を演じたジャック・キルマーだ。

 映画『ロード・オブ・カオス』は完全無修正での日本公開となり、映倫管理委員会(映倫)によって〈R18+〉指定されている。より詳細なストーリーは下部の映画情報内に記しているが、とにかくその内容ともに映像がリアルかつショッキングで、思わず目を覆いたくなるシーンも多い。しかしながら、自殺が社会問題ともなるノルウェーの当時の若者たちの姿がリアルに描かれ、劇中のユーロニモスや「インナーサークル」メンバーたちも、普段は妹や両親とともに“普通”に暮らす、ごく普通の若者であることも印象的に描かれており、考えさせられる内容にもなっている。…にしても、あまりにもショッキングな内容なので観る方はそれなりの覚悟が必要だろう。

 映画『ロード・オブ・カオス』は3月26日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにて公開。

書籍情報
『ロード・オブ・カオス ブラック・メタルの血塗られた歴史』(ele-king books/Pヴァイン)
マイケル・モイニハン&ディーデリック・ソーデリンド(著)島田陽子(訳)
2021年3月24日発売 (価格未定)
ISBN 978-4-909483-94-2

◎公開情報
映画『ロード・オブ・カオス』
出演:ロリー・カルキン、エモリー・コーエン、ジャック・キルマー、スカイ・フェレイラ、ヴォルター・スカルスガルド
監督・脚本:ジョナス・アカーランド
脚本:デニース・マグナソン
原作:『ロード・オブ・カオスブラック・メタルの血塗られた歴史』
(著:マイケル・モイニハン、ディードリック・ソーデリンド)
音楽:シガー・ロス
撮影:パー・M・エクバーグ
編集:リカード・クランツ
原題:LORDS OF CHAOS
字幕監修:川嶋未来(SIGH)
アドバイザー:増田勇一
【2018年|イギリス・スウェーデン・ノルウェー合作|アメリカンビスタ|117分|R18+】
配給・宣伝:AMGエンタテインメント、SPACE SHOWER FILMS提供:AMGエンタテインメント

-- バンドの名声を夢見ていただけの若者たちによる“真実と虚構の物語”。1987年、19歳のギタリスト、ユーロニモスはヴォーカルのデッドたちとともに「真のブラック・メタル」を追求するバンド「メイヘム」の活動に熱中していた。デッドは、ライヴ中に自身の身体を切り刻み、観客にその血をかけた上、豚の頭を投げるなどの行為を繰り返し、その過激さもあってメイヘムは熱狂的にブラック・メタル・シーンに受け入れられる。

 しかしある日、デッドはショットガンで頭をブチ抜き、自殺…。発見者のユーロニモスは、親友の脳漿が飛び散る遺体の写真を撮り、頭蓋骨の欠片を友人らに送付し、喧伝することでカリスマ化。レコードショップ「ヘルヴェテ(地獄)」を根城に、“誰が一番邪悪か”を競うインナーサークルを作り、王として君臨するようになる。しかし、メンバーのヴァーグが起こした教会放火を契機に、主導権争いは熾烈化。歯止めが効かなくなった果て、彼らですら想像しえなかった狂乱が待ち受けていた。--

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