【米ビルボード・アルバム・チャート】モーガン・ウォレン4週連続首位、カントリー・アルバムとして18年ぶりの快挙
【米ビルボード・アルバム・チャート】モーガン・ウォレン4週連続首位、カントリー・アルバムとして18年ぶりの快挙

 モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』が4週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 前週から14%増加の149,000にユニット数を上昇させ、初登場から4週連続で1位をキープした『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』。149,000ユニットの内訳、アルバム・ストリーミング(SEA)が118,000と全体の8割近くを占めていて、カントリー・アルバムとしては異例の4週連続で1億再生を突破するという大記録を打ち出している。

1月23日 2億4,018再生(カントリー・アルバム歴代最高週間ストリーミング)
1月30日 1億7,711再生
2月6日  1億5,413万再生
2月13日 1億5,976万再生

 また、アルバム・セールスは前週から102%増加の25,000に、トラックごとのユニット数(TEA)も67%増加の6,000にそれぞれ大きく上昇させた。

 カントリー・アルバムが初登場から4週以上首位を獲得したのは、2002年12月7日から2003年1月4日までの5週を記録した、シャナイア・トゥエインの『アップ』以来約18年ぶりで、男性アーティストとしては、ガース・ブルックスの『ダブル・ライヴ』が1998年12月5日から1999年1月2日までの同5週を記録して以来、22年ぶりの快挙。

 非連続記録を含むと、テイラー・スウィフトの『レッド』が2012年11月10日から24日、12月22日から2013年1月12日の計7週を記録して以来約8年ぶりで、男性アーティストでは、アラン・ジャクソンの『ドライブ』が2002年2月2日から16日、3月2日の通算4週を獲得して以来、約19年ぶりの記録となる。

 数々の記録を更新したモーガン・ウォレンだが、夜中に友人と騒ぎ、放送禁止用語や差別用語を叫ぶ様子を捉えた映像が2月2日にニュース・サイトのTMZで報じられ、レーベルのBig Loudは契約を無期限で停止すると発表した。騒動を受け本人は謝罪したものの、影響力のある多くのラジオ局やストリーミング・サービスが、モーガンの音楽をプレイリストから削除し、【アカデミー・オブ・カントリー・ミュージック・アワード(ACM賞)】も除外を発表するなど、大騒動に発展している。

 このニュースが報じられた2月2日は、今週のチャート集計期間内(1月29日から2月4日)であり、影響は2日間にとどまっているが、次週のチャートではエアプレイが減少するなどアルバムのユニット数に影響を及ぼす可能性が高い。なお、各ストリーミング・サービスでの利用と、iTunesなどのデジタル・ダウンロードや小売店でのパッケージ販売・購入は、引き続き可能とされている。

 先週5位に再浮上したリル・ダークのミックステープ『ザ・ボイス』は、1月29日に14曲を追加したデラックス盤がリリースされ、各ポイントの上昇により2位にランクアップした。週間ユニットは、前週から167%増加の86,000を記録している。これまでの最高位は1月16日付チャートで獲得した2位で、2020年7月11日付チャートで同2位を記録した5thアルバム『Just Cause Y'all Waited 2』と並ぶ、自己最高位となる。

 以下、ポップ・スモークの『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』(43,000ユニット)が2位から3位にダウンし、先週4位に上昇したザ・ウィークエンドの『アフター・アワーズ』(34,000ユニット)は同位をキープ。ユニット数は若干減少しているものの、故ジュース・ワールドの『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』(30,000ユニット)は6位から5位にランクアップした。

 TOP5以下も、ルーク・コムズの『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』(30,000ユニット)が8位から6位に上昇し、テイラー・スウィフトの『エヴァーモア』(29,500ユニット)は3位から7位に下降。リル・ベイビーの『マイ・ターン』(29,000ユニット)が9位から8位に、アリアナ・グランデの『ポジションズ』(28,000ユニット)が7位から9位に入れ替わるなどしたが、ミーガン・ジー・スタリオンの『グッド・ニュース』(26,000ユニット)が12位から10位に再ランクインしたのみで、 今週はTOP10に初登場した作品はなかった。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、2月12日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
2位『ザ・ボイス』リル・ダーク
3位『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』ポップ・スモーク
4位『アフター・アワーズ』ザ・ウィークエンド
5位『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』ジュース・ワールド
6位『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』ルーク・コムズ
7位『エヴァーモア』テイラー・スウィフト
8位『マイ・ターン』リル・ベイビー
9位『ポジションズ』アリアナ・グランデ
10位『グッド・ニュース』ミーガン・ジー・スタリオン