<ライブレポート>Mega Shinnosuke、DIY精神が詰まった一夜限りのパーティー開催
<ライブレポート>Mega Shinnosuke、DIY精神が詰まった一夜限りのパーティー開催

 Mega Shinnosukeが、1月16日に自身初となるオンラインライブ『Mega Shinnosuke 1Night Online Party』を開催した。

 これまでの作品でも、そのユニークな世界観を余すことなく表現してきたMega Shinnosuke。そんな彼が初めて開催した今回のオンラインライブは、DIY精神の詰まった賑やかなパーティーとなった。披露される楽曲はバラエティ豊かで楽しく、一曲一曲の映像演出の差異にもこだわりを感じる。随所に挟まれる寸劇の数々も、手作りだからこそ醸し出せるユーモアがある。「やるんだったら楽しい方が良い」「やれることは全部やってしまえ」そんな気持ちの良い気概が、この日のライブには溢れていた。

 ステージは、Mega Shinnosukeを中心としたフロアライブのスタイル。ライブ序盤は、アンニュイ漂う「Japan」から、ファンキーチューン「桃源郷とタクシー」へ。暗めの照明のなか、バンドメンバーの手元や引きの画が多かった「Japan」とは打って変わり、「桃源郷とタクシー」では、小気味良い楽曲に合わせ、画面も映像のエフェクトも次々と切り替わる。程良くルーズな魅力を持ったMega Shinnosukeの歌声は、エバーグリーンな雰囲気の「Midnight Routine」にも、メロウな雰囲気の「blue men.」にも、絶妙にマッチしている。

 MCに入ろうとした矢先、突如スタッフに「ゲームやろう!」と誘われるMega Shinnosuke。ファミコン風のテニスゲームをやった後、ライブは「Sports」へと突入する。アウトロから間髪入れずに「電車」、「憂鬱なラブソング」と、中盤はアップテンポなナンバーが続く。「憂鬱なラブソング」では、同曲のミュージックビデオにも出演した外国人が乱入するハプニング(?)もあった。「Mega Shinnosuke Dog Talk Channel」と題した謎のインタビューVTRが挟まれた後は、弾き語りから始まるバラード「本音」へ。シューゲイザーを彷彿とさせるギターの轟音と甘美なメロディ、そこに乗っかるオルガンのサウンドは、底抜けにエモーショナルだった。

 オフィシャルグッズのスウェットを紹介するニセのテレビショッピング番組から、その番組のロケーションと衣装をそのまま使い、新曲「Sweet Dream special short ver.」を披露。さっきまで胡散臭さ満載だったテレビショッピングのMC(Mega Shinnosuke)も、ポップな楽曲と合わせるとオシャレに見えてフフッとなる。映像がフロアステージに戻り「O.W.A.」がスタートすると、ディスコのような色とりどりの照明がバンドメンバーを照らす。サビでは、舞台上に設置されたグリーンバックを用いながら、摩訶不思議な世界観をさらに増幅させていく。

 この日のラストナンバーは、「明日もこの世は回るから」。この曲は2019年にリリースされた楽曲だが、コロナ禍の今聴くとまた別の意味を持った曲に聴こえなくもない。曲中、「画面の向こうのみんな!」と、カメラ越しのオーディエンスに呼びかけていたMega Shinnosuke。初のオンラインライブのラストにこの曲を選んだことは、彼なりのエンパワーメントだったのではないだろうか。もしそうであったなら、それはしっかりと伝わってきていたことをここに書き記しておきたい。

 最後は全員でジャンプを決めて、この日のライブは終了した。このライブの模様は、明日1月23日(土)23:59まで視聴可能となっている。

◎公演情報
『Mega Shinnosuke 1Night Online Party』
2021年1月16日(土)20:00~
※配信アーカイブは1月23日(土)23:59まで
(チケット購入は1月23日(土)21:59まで)
https://w.pia.jp/t/megashinnosuke-pls/

〈セットリスト〉
1.Japan
2.桃源郷とタクシー
3.Midnight Routine
4.blue men.
-Play Games-
5.Sports
6.電車
7.憂鬱なラブソング
-Mega Shinnosuke Dog Talk Channel-
8.本音
-Mega Shinnosuke TV Shopping-
9.Sweet Dream special short ver.
10.O.W.A.
11.明日もこの世は回るから

Photographer:マスダ レンゾ
Director:Kaishu Kamotani
Text:Mika Fuchii