セックス・ピストルズのドラマ・シリーズ『Pistol』がFXで製作、監督はダニー・ボイル
セックス・ピストルズのドラマ・シリーズ『Pistol』がFXで製作、監督はダニー・ボイル

 1970年代に活躍した英パンク・ロック・バンド、セックス・ピストルズを描いたドラマ・シリーズがFXで製作されることが明らかになった。『Pistol』と題された全6話のシリーズは、バンドのギタリスト、スティーヴ・ジョーンズの回顧録『Lonely Boy: Tales From a Sex Pistol』に基づいている。

 監督と製作総指揮は、『トレインスポッティング』、『スラムドッグ・ミリオネア』、最近ではザ・ビートルズがいない世界を描いた『イエスタデイ』などで知られるダニー・ボイルが担当する。シリーズのクリエイターはクレイグ・ピアース(『ムーラン・ルージュ』)で、脚本はピアースとフランク・コットレル=ボイスが手掛ける。

 『Pistol』は、70年代半ばにピストルズを共同設立したジョーンズの人生を軸に、西ロンドンの公営住宅で育った彼が、パンク・ロック・カルチャーの初期の中心地だったヴィヴィアン・ウェストウッドとマルコム・マクラーレンのブティック“SEX”に出入りするようになった経緯や、急成長したピストルズの盛衰が描かれる。

 ボイル監督は、「“ザ・クラウン”や“ダウントン・アビー”の世界に仲間と乱入し、それらが代表する全てに対する自分の怒りや楽曲を浴びせることを想像してみよう。英国社会と文化が永遠に変わった瞬間だ。普通の若者が舞台に立ち、怒りとファッションをぶちまけた、英国のストリート・カルチャーが爆発した瞬間。そして全ての人がそれを観て聴かなければならず、全ての人が彼らを恐れるか後に続いた。ザ・セックス・ピストルズ。その中心には、若くチャーミングで無学の盗癖者、つまり時代のヒーローだったスティーヴ・ジョーンズがいた。自身を史上94番目に偉大なギタリストと呼ぶ彼が、どうやってそこへ辿り着いたのかが(このドラマで)描かれる」とコメントしている。

 ジョーンズ役はトビー・ウォーレスが決定しており、他にもフロントマンのジョニー・ロットン(ジョン・ライドン)をアンソン・ブーン、ベーシストのシド・ヴィシャスをルイス・パートリッジ、ドラマーのポール・クックをジェイコブ・スレイター、初期メンバーでのちに脱退したグレン・マトロックをフェイビエン・フランケル(Fabien Frankel)、ピストルズの前身だったバンドでジョーンズとプレイしていたウォーリー・ナイチンゲールをディラン・ルウェリン(Dylan Llewellyn)、70年代にSEXで働いていた、のちにプリテンダーズを結成するクリッシー・ハインドをシドニー・チャンドラー、ヴィシャスの恋人ナンシー・スパンゲンをエマ・アップルトン、パンク・アイコンだったジョーダンをメイジー・ウィリアムズが演じる。

 ボイル監督は、2018年のシリーズ『Trust』で、ディズニーが所有するFXと仕事をしたことがある。ジョーンズも製作総指揮に関わっている『Pistol』は3月にクランクイン予定だ。