【米ビルボード 2020年間ソング・チャート】ザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」が制す、ポスト・マローンが4年連続でTOP10入り

2020/12/04 13:37

【米ビルボード 2020年間ソング・チャート】ザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」が制す、ポスト・マローンが4年連続でTOP10入り
【米ビルボード 2020年間ソング・チャート】ザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」が制す、ポスト・マローンが4年連続でTOP10入り


 2020年の年間ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”は、ザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」が首位に輝いた。

 4thアルバム『アフター・アワーズ』から2曲目のシングルとして2019年11月29日にリリースされた「ブラインディング・ライツ」は、ヨーロッパの主要各国で先立って1位を獲得し、アメリカでは『アフター・アワーズ』がアルバム・チャート“Billboard 200”で1位に初登場した2020年4月4日付チャートで首位に到達。翌11日、4月25日、5月2日の計4週トップを独占した後、集計期間終了の11月最終週までTOP5に33週、TOP10に40週ランクインする驚異的なロング・ヒットを記録した。

 TOP5、TOP10の滞在記録はいずれも歴代最長を更新。その他にもエアプレイ・チャートで26週、R&Bソング・チャートでは通算36週の首位を獲得し、いずれも最長記録を塗り替えた。Hot 100での累計チャートイン数は51週、リリース1年後の11月末時点で7位にランクインしている。

 ザ・ウィークエンドの年間チャートTOP10入りは、2015年の9位にランクインした「アーンド・イット」、同年10位の「ザ・ヒルズ」以来5年ぶり、通算3曲目で、首位獲得は初の快挙。『アフター・アワーズ』からは、2019年12月14日付チャートで1位を獲得した1stシングル「ハートレス」も年間28位に滑り込み、TOP30に2曲をランクインさせている。そのアルバム『アフター・アワーズ』も、年間アルバム・チャートで8位にTOP10入りした。

 R&Bにカテゴライズされるアーティストが年間1位を獲得したのは、2015年にマーク・ロンソンの「アップタウン・ファンクfeat.ブルーノ・マーズ」が記録して以来5年ぶり。なお、ブルーノ・マーズはフィーチャリング・アーティストのクレジットであり、リード曲としてはビヨンセが「イレプレイスブル」で獲得した2007年以来13年ぶりとなる。「ブラインディング・ライツ」は、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートでも年間1位を獲得した。

 続いて年間2位にランクインしたのは、ポスト・マローンの「サークルズ」。同曲が収録された3rdアルバム『ハリウッズ・ブリーディング』の初登場週である2019年9月21日付チャートで7位にデビューして、3か月後の11月30日付チャートで首位を獲得。翌12日7日、2020年1月11日付チャートの計3週トップに立った。7位に初登場してから39週連続でTOP10にランクインし続け、上半期の時点ではTOP10滞在記録の歴代1位に立ったが、前述にもある通り「ブラインディング・ライツ」がその後記録を打ち破っている。なお、メインストリーム・エアプレイ・チャートではTOP10滞在記録を歴代最長の30週に更新し、Hot 100でのチャートイン数は「ブラインディング・ライツ」を上回る61週を記録している。

 ポスト・マローンが年間TOP10に初めてランクインしたのは、2017年に10位を記録した「コングラチュレーションズfeat.クエヴォ」で、翌2018年の年間チャートでは5位に「ロックスターfeat. 21サヴェージ」、6位に「サイコfeat.タイ・ダラー・サイン」を同時ランクインさせ、昨2019年も2位に「サンフラワーwithスウェイ・リー」、5位に「Wow.」を2曲エントリーさせている。非連続で4年以上年間TOP10にランクインしたアーティストはいるが、4年連続で年間TOP10入りしたのはポスト・マローンが歴代初。「サークルズ」が収録された『ハリウッズ・ブリーディング』は、昨年の年間アルバム・チャートで9位、そして今年は初の首位を獲得している。

 3位は、米カリフォルニア州出身の若手ラッパー=ロディ・リッチの「ザ・ボックス」がランクイン。2019年12月6日にリリースされたデビュー・アルバム『プリーズ・エクスキューズ・ミー・フォー・ビーイング・アンチソーシャル』から4曲目のシングルとして今年1月にカットされ、2020年1月18日から3月28日付チャートまで通算11週のNo.1をキープした。首位獲得週としては今年の最長記録で、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートで12週、ラップ・ソング・チャートでは14週連続1位という記録を打ち立てている。

 「ザ・ボックス」は、シングルとしてリリースしてからではなく、TikTokのダンス動画に使用されたことで注目され、チャートを上昇したタイミングでカットされた珍しいパターンでのヒット。昨年に続き、今年もTikTokをはじめとしたSNSでの拡散がチャート上昇の起爆剤となっている。1位の「ブラインディング・ライツ」も、新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウン期間中に同曲を使用したダンス動画がブレイクし、ヒットに繋げた。「ザ・ボックス」のヒットを受け、『プリーズ・エクスキューズ・ミー・フォー・ビーイング・アンチソーシャル』も年間アルバム・チャートで3位にランクインする大ヒットを記録している。

 ロディ・リッチにとってHot 100での首位獲得、年間TOP10入りはいずれも初の快挙だが、今年は「ザ・ボックス」の他にもゲストとして参加したダベイビーの「ロックスターfeat.ロディ・リッチ」が週間チャートで首位を獲得し、年間チャートでは5位にランクインするヒットを記録した。年間R&B/ヒップホップ・ソング・チャートでは「ザ・ボックス」が2位、「ロックスター」が3位と2曲をTOP3に送り込んでいる。リード・アーティストのダベイビーにとって、首位獲得と年間TOP10入りはいずれも初の快挙達成。

 「ロックスター」は、2020年6月13日から20日、7月4日から8月1日付チャートの計7週首位を獲得して、集計期間終了までの31週間TOP20にランクインするロング・ヒットを記録した。同曲が収録されたダベイビーの3rdアルバム『ブレイム・イット・オン・ベイビー』も、5月2日付アルバム・チャートで1位を獲得している。ダベイビーは、同曲の他にもリミックスのゲストとして参加したジャック・ハーロウの「ホワッツ・ポッピン」が年間13位に、「BOP」が29位にランクインする等計5曲を100位内にランクインさせている。

 2020年も若手ラッパーが大活躍したが、ドレイクとフューチャーのコラボレーション「ライフ・イズ・グッド」が年間7位にランクインする等、中堅の勢力も健在。「ライフ・イズ・グッド」は最高位が2位と首位は逃しているが、初登場した1月25日から3月14日付チャートまで8週連続で同位をキープして、TOP40には計37週チャートインした。初登場からの連続2位獲得記録としては、同曲の8週が歴代最長となる。

 ドレイクは、4月18日付チャートで首位デビューした「トゥージー・スライド」を年間32位に、ゲストとしてクレジットされたクリス・ブラウンの 「ノー・ガイダンス feat. ドレイク」を36位に、8月29日付チャートで2位にデビューした「ラフ・ナウ・クライ・レイター」を41位にランクインさせるなど、今年も大活躍を遂げた。年間TOP10入りは、2016年の「ワン・ダンスfeat.ウィズキッド & カイラ」(3位)、リアーナの「ワーク feat.ドレイク」(4位)、2018年の「ゴッズ・プラン」(1位)、「イン・マイ・フィーリング」(9位)、そして昨年9位にランクインしたトラヴィス・スコットの「シッコ・モード feat. ドレイク」に続く6曲目で、フューチャーは意外にも初のランクインとなる。

 上記の通り今年もR&B/ラップ勢が強かったが、TOP10にランクインした残り5曲はポップ/ロック・アーティストによるタイトルで、トータルでみるとジャンルの偏りは然程感じられない。

 年間4位にランクインしたデュア・リパの「ドント・スタート・ナウ」も、「ライフ・イズ・グッド」同様最高位は2位どまりだったが、集計期間終了まで50週を超えるロングヒットを記録して自身初の年間TOP10入りを果たした。年間チャートでの最高位は2018年に「ニュー・ルールズ」が記録した16位で、週間チャート、年間チャートいずれも最高位を更新している。同曲が収録された『フューチャー・ノスタルジア』も、アルバム・チャート“Billboard 200”で4位に最高位を更新し、UKアルバム・チャートでは自身初のNo.1を獲得した。本作からはスマッシュ・ヒットを記録した「ブレイク・マイ・ハート」も年間33位にランクインしている。

 年間6位にランクインしたのは、ハリー・スタイルズの「アドア・ユー」。最高位は6位とTOP5にもランクインしなかったが、「ドント・スタート・ナウ」と同じく50週以上チャートに居座り年間上位に食い込んだ。年間TOP10入りはワン・ダイレクションの楽曲でも果たしておらず、他のメンバーもソロ曲では成し得ていない。8月15日チャートで自身初のNo.1を獲得した「ウォータメロン・シュガー」も年間チャート20位に、TOP20に2曲をランクインさせている。

 8位には、年間チャート常連のマルーン5が「メモリーズ」で2年ぶりにTOP10入りした。こちらも最高位は1月4日付チャートで記録した2位で首位を逃がしているが、6月末まで半年間TOP40に滞在するロング・ヒットが上位ランクインの決め手となった。2015年に大ヒットした「シュガー」も週間チャートの最高位は2位だったが、年間チャートでは5位を記録している。マルーン5が初めて年間TOP10入りしたのは、16年前の2004年に4位を記録した「ディス・ラヴ」で、その他2011年の「ムーブス・ライク・ジャガーfeat.クリスティーナ・アギレラ」(9位)、2012年の「ペイフォンfeat.ウィズ・カリファ」(4位)、2018年に10位を記録した「ガールズ・ライク・ユーfeat.カーディ・B」の計6曲が年間チャートでTOP10入りしている。

 昨年のチャートと集計期間が分かれてしまったが、ルイス・キャパルディの「サムワン・ユー・ラヴド」は今年も上位をキープして、年間チャートでは10位にTOP10入りした。首位獲得は2019年11月2日、16日、23日付チャートの計3週で、上半期終了まで50週を超えるロングランを記録している。2019年の年間チャートでは27位にランクインしていて、期間割れしなければTOP5入りも確実だった。8月にTOP10入りした「ビフォア・ユー・ゴー」も年間21位にランクインしているが、この曲も来年のチャートと集計期間が分かれなければ、さらに上位が見込めただろう。年間12位にランクインしたギャビー・バレットの「アイ・ホープfeat.チャーリー・プース」も、期間終了の11月末時点で4位にランクインしていて、来年の集計と期間が分かれてしまったことが惜しまれる。

 惜しくもTOP10入りは逃したが、5月16日付チャートで首位に立ったドージャ・キャットの「セイ・ソーfeat.ニッキー・ミナージュ」は年間11位と大奮闘した。今年は、「セイ・ソー」の他にも女性ソロ・アーティストによるコラボレーション曲が次々とヒットし、15位にランクインしたミーガン・ジー・スタリオンの「サヴェージfeat.ビヨンセ」、ミーガンとカーディ・Bのコラボレーション曲「WAP」(24位)、レディー・ガガ&アリアナ・グランデの「レイン・オン・ミー」(48位)の4曲が週間チャートで1位に輝いている。

 その「レイン・オン・ミー」をはじめ、今年は初登場1位獲得曲も続出し、通年記録では11曲に歴代最多を更新した。また、首位を獲得したタイトル数も2006年の同19曲と並び、こちらも歴代最多記録を更新している。「ブラインディング・ライツ」がTOP5、TOP10の滞在記録を更新したことや、ジャンル別のチャートによる首位獲得総週など、その他にも様々な記録が塗り替えられた。

 ヒットの傾向としては、オリジナル・バージョンに著名ゲストを招いたリミックスをリリースして、セールス、ストリーミングを上昇させる戦術が多くみられた。前述の「セイ・ソー」や「サヴェージ」、「アイ・ホープ」も同様の手法でヒットに繋いでいる。「アイ・ホープ」や 、年間23位にランクインしたダン+シェイ&ジャスティン・ビーバーの「10,000アワーズ」、故ジュース・ワールドとマシュメロとのコラボ曲「Come & Go」(年間54位)など、ジャンルの異なるアーティストによるコラボレーションや、47位にランクインした24kGoldnの「ムード feat.イアン・ディオール」のように、ヒップホップ・アーティストがロック・チャートにランクインする等、ジャンルレスが強まったのも2020年の傾向として挙げられる。

 サウンド面では、年間1位の「ブラインディング・ライツ」や「ドント・スタート・ナウ」、「セイ・ソー」、38位にランクインしたBTSの「Dynamite」など、80年代のディスコ・サウンドを取り入れた曲がブームとなった。こういった時世を受けて、リスナーは華やかなサウンドを求めたのかもしれない。

Text: 本家 一成
◎【Billboard Hot 100】2020年年間チャートTOP10
1位「ブラインディング・ライツ」ザ・ウィークエンド
2位「サークルズ」ポスト・マローン
3位「ザ・ボックス」ロディ・リッチ
4位「ドント・スタート・ナウ」デュア・リパ
5位「ロックスター」ダベイビーfeat.ロディ・リッチ
6位「アドア・ユー」ハリー・スタイルズ
7位「ライフ・イズ・グッド」フューチャーfeat.ドレイク
8位「メモリーズ」マルーン5
9位「ザ・ボーンズ」マレン・モリス
10位「サムワン・ユー・ラヴド」ルイス・キャパルディ

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