【ビルボード 2020年年間HOT Albums】米津玄師『STRAY SHEEP』が3冠で堂々の首位
【ビルボード 2020年年間HOT Albums】米津玄師『STRAY SHEEP』が3冠で堂々の首位

 2020年年間Billboard JAPAN総合アルバム・チャート“HOT Albums”で、米津玄師の『STRAY SHEEP』が1位を獲得した。

 2020年8月にリリースされた米津玄師『STRAY SHEEP』は、12月4日現在で、CDセールスで147万枚、ダウンロードで18万DLを突破。CDセールス、ダウンロード、ルックアップ(PCへのCD読み取り回数)の3指標すべてで1位を記録した。これは、CDセールス、ダウンロード、ルックアップの3指標による年間総合アルバム・チャートの発表を開始した2015年以降、初めてのこととなる。

 また、年間総合アルバム・チャートだけでなく、年間ダウンロード・アルバム・チャートおよび年間アルバム・セールス・チャートでも1位を獲得し、合わせて3冠獲得を達成した。アルバム3部門の制覇は、Billboard JAPANが年間ランキングでダウンロード・アルバム・チャートの発表を始めた2017年以降で初となる。

 2017年以降、本チャートでは安室奈美恵『Finally』(2017年と2018年で1位)や嵐『5×20 All the BEST!! 1999-2019』(2019年1位)といったベスト・アルバムが1位を獲得してきたが、2020年はベスト盤ではない『STRAY SHEEP』が獲得することになった。これは、2016年の宇多田ヒカル『Fantome』以来となる。さらに、トップ10を見てみてもベスト盤はチャートインしていない結果となった(最も上位のベスト盤は、15位のJUJU『YOUR STORY』)。

 ベスト盤というヒット曲が収録されていることが明確な作品はセールスに繋がりやすく、これまでも年間チャートでは上位に来ることが多かった。しかしここ数年はストリーミング・サービスの浸透もあり、今どの曲がヒットしているのかが世間的に認知されるようになってきた。そして、そのヒットした曲がアルバムに収録されていることが認知されるとセールスに繋がるといった流れが出来あがりつつあることが、このトップ10を見ると分かるだろう。『STRAY SHEEP』に収録されている「Lemon」や「馬と鹿」、「感電」もさることながら、2位のKing Gnuの『CEREMONY』に収録される「白日」や「Teenager Forever」、「飛行艇」、2020年で活動を休止することも影響にあるものの、3位の『This is 嵐』に収録の「カイト」や「BRAVE」、「Turning Up」、4位のBTS『MAP OF THE SOUL : 7 ~ THE JOURNEY ~』に収録の「Stay Gold」、「Boy With Luv -Japanese ver.-」、5位のOfficial髭男dismの『Traveler』に収録の「Pretender」、「宿命」などといった曲がその最たる例と言える。

 2位の『CEREMONY』、5位の『Traveler』、8位のあいみょん『おいしいパスタがあると聞いて』など、2018年や2019年にストリーミングでヒットしたアーティストがアルバムというフォーマットで結果を出した2020年の本チャート。しかし、2020年はストリーミングのみならず、TikTokやYouTubeなどのヒットが目立った年だった。そこで話題となったアーティストは現状、楽曲がヒットしている状況と言えるだろう。「香水」でヒットした瑛人が2021年1月1日に1stオリジナル・アルバム『すっからかん』をリリースするが、そのようなアーティストが2021年、アルバムという形でどのような結果を残すのか、早くも注目だ。

【Billboard JAPAN HOT Albums of the Year 2020】トップ10
1位『STRAY SHEEP』米津玄師
2位『CEREMONY』King Gnu
3位『This is 嵐』嵐
4位『MAP OF THE SOUL : 7 ~ THE JOURNEY ~』BTS
5位『Traveler』Official髭男dism
6位『L&』King & Prince
7位『Make you happy』NiziU
8位『おいしいパスタがあると聞いて』あいみょん
9位『24H』SEVENTEEN
10位『MAP OF THE SOUL : 7』BTS

集計期間:2019年11月25日(月)~2020年11月22日(日)