グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロング、トランプ大統領は国民の半分を人質に取っていると批判
グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロング、トランプ大統領は国民の半分を人質に取っていると批判

 グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングが、英NMEとの最新インタビューで、先日行われた米大統領選挙でジョー・バイデン前副大統領に対して敗北を認めようとしないドナルド・トランプ大統領を批判した。

 大統領選挙の結果を受けた政権移行作業が滞っている現状や、全米における新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない状況について、“kind of crazy”(ちょっとせわしない)と述べたアームストロングは、「(トランプ大統領の任期だった)過去4年間において、つまらなかった瞬間はなかったな」と振り返っている。そして、選挙結果を覆そうと全米各地で裁判を起こしているトランプ大統領が、いずれはホワイト・ハウスを去ることになるのは“避けられない”としつつも、「彼は(米国民の)半分を人質に取っているよね。どっち側なのかは分からないんだけど……彼を支持している人々なのか、彼のことを嫌悪している人々なのか?ここまで来ると、彼が出ていくのを待つ持久戦になっているけど、そうなれば熱気もまた少し冷めると思う」と語っている。

 アームストロングはまた、日本では2020年11月27日にリリースされるカヴァー・アルバム『No Fun Mondays / ノー・ファン・マンデーズ』についても語っている。新型コロナのパンデミックが始まり、ツアーなどの予定が次々と中止に追い込まれる中、毎週月曜日に発表し続けてきた宅録カヴァーの数々をまとめた14曲入りのレコードだ。

 アルバムの1曲目であるトミー・ジェイムス&ザ・ションデルズの「I Think We’re Alone Now」を最初に取り上げたという彼は、「今年の予定がキャンセルされることが分かったから、手持ち無沙汰にならないように始めたことだった」と説明し、「インスタグラムでファンのためにリリースしたら、反応が良かったんだ。ちょっと音楽を聴いて、少しでも通常どおりの気持ちになれたことが良かったってみんな言ってくれた。心情的にちょうど良かったんだね」と述べている。

 カヴァーが好きな理由や、曲選びについて彼は、「メロディーが大好きで、DNAに組み込まれてるんじゃないかって思う」と語り、「あとは予想外のことをやったり、あまり誰も聴いたことがないような曲を演るのもすごく好きなんだ。Stiv Batorsの“Not That Way Anymore”を演ったけれど、あれは超レアなパワー・ポップ・ソングなんだよ。すごく楽しかったな。何もかもがとても自発的な感じだった。自分はThe Coverupsというカヴァー・バンドをやってるんだけど、演奏するために地元のクラブに行くとたくさんの友人が来てくれる。とにかく楽しむことが全てで、そこに自分の音楽の趣味をどう結びつけるかってこと(を意識していた)」と説明している。

 このアルバムで彼は、新型コロナ感染症により4月に亡くなった、故アダム・シュレシンガー(ファウンテンズ・オブ・ウェイン)の「That Thing You Do」もカヴァーしている。「新型コロナはアメリカを痛めつけてきたし、今だってそうだ。良い人たちがそれによって命を落としている。アダムはその一人で、ジョン・プラインもそう。僕はずっとソングライターとしてのアダムを心から尊敬していたし、この曲が大好きなんだ。ギターを増強することで、もうちょっとダーティーな感じのヴァージョンができるかなって思ったんだよ」と彼は語り、「“ノー・ファン・マンデーズ”は、夢中になって聴いてくれるリスナーがいる自分のラジオ番組をやるようなものだった上に、特定の瞬間に存在する文化の意識に合わせて曲をリリースすることができた」と解説している。