<ライブレポート>ポップス界の5人のアーティストとオーケストラの豪華競演 withコロナの今、感謝と応援の気持ちを歌に乗せて 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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<ライブレポート>ポップス界の5人のアーティストとオーケストラの豪華競演 withコロナの今、感謝と応援の気持ちを歌に乗せて

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<ライブレポート>ポップス界の5人のアーティストとオーケストラの豪華競演 withコロナの今、感謝と応援の気持ちを歌に乗せて

<ライブレポート>ポップス界の5人のアーティストとオーケストラの豪華競演 withコロナの今、感謝と応援の気持ちを歌に乗せて


 コロナ禍を受けてbillboard classicsが初めて企画したチャリティ公演【billboard classics festival 2020 in Tokyo ~音楽をチカラに~】が10月17日、東京文化会館大ホールで開催された。

 場内の観客数は感染対策のためキャパ2000人の半分に削減されたが、空けた席数分にあたる1000名の医療従事者が同時配信ライブへ招待された。またチケット代に寄付金を追加できる料金システムを取り入れたほか、会場でのチャリティグッズ販売や募金を実施。寄付金の全額はライブエンタメ従事者、オーケストラ関係者、医療従事者の支援のために各団体へ寄付される。そして、そんな感謝と応援の気持ちを歌で届けたい、という思いのもと、NOKKO、ANRI、佐藤竹善(SING LIKE TALKING)、小柳ゆき、石崎ひゅーいの5人のアーティストが集結。各アーティストからは、歌に加え、コロナ禍での率直な思いや医療従事者へのメッセージも発せられた。

 東京フィルハーモニー交響楽団の面々がチューニングを終えると、指揮者の?澤寿男が登場し、ヨハン・シュトラウス2世「雷鳴と稲妻」の明るく力強い響きとともにコンサートの幕が開ける。そしてMCの中井美穂がトップバッターとして呼び入れたのは、小柳ゆき。新旧の曲を交え情感たっぷりに歌い上げるその歌声は、スケール感溢れるオーケストラの演奏との共鳴を生んだ。また「あなたのキスを数えましょう」では圧倒的なダイナミズムをたたえ、観客を魅了。有観客のライブは9か月ぶりという本人も「感無量です!」と嬉しそうな笑顔を見せた。

 続く石崎ひゅーいは「僕の音楽の力で少しでも活力になれば」と、菅田将暉に提供した「さよならエレジー」を含む3曲を披露した。感情を振り絞るようなモノローグ調のボーカルが胸に迫るとともに、その響きが美しい管弦楽器の調べと相まって、いっそう色彩と深みを増す。リアルな心象風景が浮き彫りになる世界観に、一気に引き込まれていった。

 休憩を挟み、第2部のオープニングでは、MC中井と指揮の?澤のトークコーナーが行われた。そこで、海外オーケストラの活動も不自由を余儀なくされている現状について語られた後、佐藤竹善のステージへ。オフコースの名曲のカバー「生まれ来る子供たちのために」など、メッセージ性のある楽曲が並ぶ中、自身初の組曲「The Lost Treasure」は、場面転換や起伏に富む構成がシンフォニックなアレンジによって際立つ1曲だった。トークでも語られた、「始まったものは必ず終わる。悲しい歌が終わって楽しい歌が始まるのと同じ感覚で時間を過ごせたら」という思いにも重なる物語性を感じさせられる。

 佐藤竹善から肘タッチでバトンを受け取ったのは、ANRI。バラード曲「LANI~Heavenly Garden~」では、流麗なオーケストラの音色と透明感のあるボーカルが溶け込み、穏やかで心地いい空気感を醸す。一転「悲しみがとまらない」では、テンポ感のある軽やかな演奏に客席から手拍子が。やはり、一つの空間を皆で共有できる喜びは格別で、本人の言葉通り「ライブって本当にいいな」「音楽はなくならない」と実感したひと時だった。

 そしてMC中井から「大トリ」と紹介されステージに現れたNOKKOは、「今は急なカーブがいっぱいある山道をみんなで降りている感じ。平らできれいな海が見える、安全なところに辿り着くまで頑張りましょう」と呼びかけ、筒美京平作曲の代表曲「人魚」をパフォーマンス。時に力強く、時に優しい、表情豊かな歌声を響かせる。また「Maybe Tomorrow」などREBECCA時代の名曲も披露。「フレンズ」では、抑揚の効いた管弦楽の演奏に呼応するようにパフォーマンスにも熱が入り、最後は場内から割れんばかりの拍手が湧き起こった。

 アンコールでは再びNOKKOが登場し、NOKKO自身の作詞による「翼」をオーケストラと共に披露。いきものがかりの水野良樹作曲の美しいメロディに乗せられた、〈心に響く拍手 何度も挫けそうな君を 強く支えた その声が 美しい歌に 今変わる〉というフレーズが、コロナ禍でも前を向いて一歩ずつ進んでいく人々の姿とシンクロする。2コーラス目からは共演アーティストの4人も加わり、全員で歌唱。深い愛を注ぎ込むように歌い、5人の声が重なり合うユニゾンは、前向きなパワーをたたえたメッセージとして聴衆へ届けられた。大きな歓声とともに会場は一体感に包まれ、温かな雰囲気に。まさに音楽のチカラを体感できたフェスティバルとなった。

 なおbillboard classicsでは、今後のコンサートでも募金やチャリティグッズの販売をし、支援継続を予定。12月20日には西宮、同月25日には東京で第2弾公演が行われる。

TEXT:水白 京


◎公演情報
【billboard classics festival 2020 in Tokyo ~音楽をチカラに~】
2020年10月17日(土)
東京・東京文化会館 大ホール
出演: NOKKO、ANRI、佐藤竹善、小柳ゆき、石崎ひゅーい(順不同)
指揮:?澤寿男指揮 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
司会:中井美穂
演奏曲
小柳ゆき:「be alive」「Prelude」「あなたのキスを数えましょう ~You were mine~」  
石崎ひゅーい:「ピリオド」「花瓶の花」「さよならエレジー」
佐藤竹善:「生まれ来る子供たちのために」「The Lost Treasure」「La La La」
ANRI:「悲しみがとまらない」 「LANI~Heavenly Garden~」
NOKKO:「人魚」「Maybe Tomorrow」「フレンズ」
アンコール:NOKKO、ANRI、佐藤竹善、小柳ゆき、石崎ひゅーい:「翼」


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