TikTokで再熱のフリートウッド・マック「ドリームス」、全米“Hot 100”に復帰 1977年以来初
TikTokで再熱のフリートウッド・マック「ドリームス」、全米“Hot 100”に復帰 1977年以来初

 フリートウッド・マックの「ドリームス/Dreams」が、リリース当時の1977年以来となる米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”入りを果たした。この楽曲を使用した動画がショート・ムービー・プラットフォームTikTokでバズった効果で、2020年10月17日付のチャートで21位を獲得している。

 「ドリームス」は、10月8日に終わるチャート週で、過去最高となる全米ストリーミングとダウンロード数を達成した。ニールセン/MRCデータによると、ストリーミングが1,340万回(54%増)、ダウンロード数が22,000を記録している。米ビルボード・ストリーミング・ソングス・チャートでは36位から18位、デジタル・ソング・セールス・チャートでは9位から3位にそれぞれジャンプ・アップしている。

 スティーヴィー・ニックスにクレジットされているこの曲は、1977年4月16日付のチャートで初めてHot 100入りし、6月18日付の週にNo.1を獲得した。今週返り咲く前に最後に入っていたのは1977年8月20日付のチャートだ。

 今週以前にフリートウッド・マックの楽曲がHot 100のTOP40入りを果たしたのは1990年5月19日付のチャートだ(「Save Me」)。最新チャートで「ドリームス」が21位を記録しているが、それ以前のバンドとしての最高位は「Everywhere」の17位(1988年2月20日付)だった。フリートウッド・マックが最後にHot 100入りしたのは2003年3月で、「Peacekeeper」が同年5月に80位を記録した。この楽曲は、全て新曲で構成されているフリートウッド・マックのアルバムとしては最新となる『Say You Will』に収録されている。

 「ドリームス」はほかにも、米ビルボード・ホット・ロック&オルタナティブ・ソングス・チャートで8位から2位、グローバル・チャート“Global 200”で51位から20位、同“Global Excl. U.S.”で161位から68位にそれぞれ浮上している。
 
 一方で同曲が収録されているアルバム『噂/Rumours』は、最新のアルバム・チャート“Billboard 200”で27位から13位にランク・アップした(29,000ユニット/48%増)。この作品が全米アルバム・チャートのTOP20入りを果たすのは2011年5月21日付の週以来となる(『glee/グリー』でフィーチャーされた影響)。リリース当時、『噂』は1977年から78年にかけて31週首位に君臨した。これはデュオまたはグループによるアルバムの最長記録だ。

 また、『噂』はアルバム・セールス・チャートでも29位から22位に浮上(6,000枚/37%増)、ヴァイナル・アルバム・チャートでも24位から5位にジャンプ・アップしている(4,000枚/28%増)。

 今回のバイラル人気は、バンドの新たなファンも生み出したようだ。フリートウッド・マックのベスト盤がBillboard 200で103位から61位(12,000ユニット/34%増)に上昇したほか、いくつかの過去曲もストリーミングが増えている。『噂』からは「The Chain」が520万回(22%増)と「Go Your Own Way」が290万回(17%増)、そして「Landslide」が380万回(16%増)、「Gypsy」が290万回(17%増)をそれぞれ記録している。

 TikTokで話題になった動画は、米アイダホ州の人気ユーザーであるネイサン・アポダカが、同曲をBGMにジュースを飲みながらスケートボードで移動するという癒し系のものだ。人気のあまり、同じ設定をミック・フリートウッドが動画で再現したり、アポダカが飲んでいたジュースの製造元であるオーシャン・スプレー社が、クランベリー=ラズベリー・ジュースが積まれた赤いピックアップ・トラックをプレゼントするなど、バイラル動画は広範囲に影響を及ぼした。