<ライブレポート>CASIOPEA 3rd、ビルボードライブで行われた【Heartful Tour】最終日を生配信 カシオペアの今と昔を辿るステージ
<ライブレポート>CASIOPEA 3rd、ビルボードライブで行われた【Heartful Tour】最終日を生配信 カシオペアの今と昔を辿るステージ

 2019年にデビュー40周年を迎えた日本を代表するフュージョン・バンド、CASIOPEA 3rdによるツアー【CASIOPEA 3rd Heartful Tour】の最終公演が2020年10月4日にビルボードライブ東京で行われ、2ndステージが【CASIOPEA 3rd ONLINE SHOW ~LIVE LOVERS~ from Billboard Live supported by CASIO】として生配信された。

 当初、4~5月に予定されていた公演の延期日程として行われた今回のツアー。8月2日の横浜公演、そして前日(10月3日)の大阪公演を経て、ようやく最終日の東京公演の開催ということもあり、来場したファンのみならず、オンライン上でも多くのファンがこの日を待ちわびていた。会場が暗転し、CASIOPEA 3rdのメンバーが登壇。会場から、そしてオンラインからも大きな拍手が送られつつ最終日の幕が上がった。

 まずは、“CASIOPEA 3rd”として初めてリリースした2013年のアルバム『TA・MA・TE・BOX』からの名曲「DAYS OF FUTURE」でスタート。続けて「MODE TO START」、「ME・ZA・ME」、「TSU・BA・SA」と、スピード感ある展開で駆け抜けていき、一気にカシオペア・ワールドへ引き込んでいく。「長らくお待たせいたしました。本来なら4月の予定だったライブがやっと実現しました。5か月のブランクがあったので、本気でライブをやるときが来ないのではという気持ちにもなりましたよ。」と野呂一生(g)がコロナ禍での心境を打ち明けつつ、「最初の4曲では、“CASIOPEA 3rd”の歴史を辿ってみました。次は、昨年リリースした最新作からの楽曲を、作曲した本人の解説付きで披露していきます。」と告げ、2019年にリリースされたアルバム『PANSPERMIA』の世界へと誘っていく。

 大?清美(key)による最新グッズ紹介や、ナルチョこと鳴瀬喜博(b)の愉快なトークで会場の雰囲気を温めつつ、大?が作曲の「ENCELADUS」、そして、鳴瀬作曲の「THE WARP」を披露。曲名通り、まるで宇宙のどこかへワープしているかのようなサウンドに合わせて、黒子が登場し観客へダンスを促す。感染症対策のため大声での歓声はできない状況だが、ダンスなら、ということもあり、観客は着席スタイルのまま手を動かし曲に合わせて踊りだす。そして、神保彰(ds)作曲の「SPACE LOCOMOTION」では、「カシオペアの伝統的な必殺技である“16分音符のクイ”を、配信で見ている方もお願いします」という神保の声掛けに配信のチャット上では「クイ」の文字が並ぶ。リアルとオンライン、場所は違えど、各々がそれぞれの方法でカシオペアのサウンドをしっかりと感じているようだった。

 野呂作曲の「BEYOND THE GALAXY」と続き、最新作の“宇宙”を体感したあとは、「次は過去にさかのぼってみたいと思います。(野呂)」と、第二期からの色褪せない名曲「Top Wind」や、1981年にリリースされた第一期時代からの「Domino Line」を披露。美しいメロディライン、まさにドミノ倒しのような独特のテンポ展開や、彼らの息の合った神業ともいえるテクニックには圧倒されるしかなかった。それぞれのソロ・パートも、絶妙に重なり合うサウンドも、彼らにしか表現できない世界が広がっていた。

 本編ラストを飾るのは、カシオペアの代表曲「ASAYAKE」。会場の観客も曲に合わせてこぶしを突き上げ、配信のチャット上でも「へい!へい!」とリアルとオンラインが空間という見えない壁を越えてひとつになっていた瞬間だった。今回の公演では、1979年のデビュー以来、メンバーが変わりつつもカシオペア・サウンドを愛し続けるファンに向けたメンバーからの想いがしっかりと伝わるステージであり、カシオペアの過去と進行形の現在(いま)を共に辿ることのできた貴重なタイム・トラベルだった。

Photo:Masanori Naruse

◎配信情報
【CASIOPEA 3rd ONLINE SHOW
~LIVE LOVERS~ from Billboard Live supported by CASIO】
2020年10月4日(日) Billboard Live TOKYO
オンライン視聴券:,800
チケット購入URL:https://eplus.jp/casiopea-st/
販売期間:2020年10月7日(水)21:00まで
※アーカイブ視聴可能期間:2020年10月7日(水)23:59まで

<Member>
G:野呂一生
B:鳴瀬喜博
Key:大?清美
Dr:神保彰 ※special support