<ライブレポート>家入レオ 様々な表情と声色で魅了した初配信ライブ
<ライブレポート>家入レオ 様々な表情と声色で魅了した初配信ライブ

 家入レオが2020年8月30日に自身初となる生配信ライブ【家入レオ Streaming Live 2020】を開催した。

 会場となった新木場スタジオコーストは、家入が20歳の誕生日当日にライブを行った場所で、約5年ぶりのライブ会場から全国のファンへ生歌を届けた。「今日も気合い入れていくぞ!」とバンドメンバーと舞台袖で気を引き締めてから登場した家入は、白Tに黒パンといたってシンプルな出で立ちだ。

 2015年に放送された月9ドラマ『恋仲』の主題歌「君がくれた夏」でスタートしたこの配信ライブを3つのテーマに分けるとしたら、第1部はドラマ主題歌、第2部はリクエスト、第3部はライブハウスに分けられるだろう。今年放送された『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』の主題歌で、歌詞とストーリーのリンクが視聴者とリスナーの感情を揺さぶった「未完成」では、感情をむき出しにして熱唱。一皮剥けた、新しい家入が感じられる一曲だが、イヤモニを付けず、バックで奏でられる楽器の音を直に受けとめる姿も実に清々しかった。

 「みんなが会場にはいないけど、カメラの向こう側にいると思うと、より届けようと思いました。この空気を、絶対に歌で、演奏で届けるぞって。繋がりがさらに強くなりそうだな、って思いました」と挨拶をした家入は、場所を変えてライブは第2部へ。

 移動した先は会場にあるプールサイドで、そこからお届けしたのは「あおぞら」と「ずっと、ふたりで」の2曲だ。この曲は家入が事前にファンから募集したリクエスト曲の上位3曲のうちのもので、特にコロナ自粛期間に「あおぞら」に励まされた人も多いことだろう。キーボードと家入の歌声(+虫の音)だけということもあり、よりスッと歌詞が入り込んできた。

 細かなドラムと怪しげなベースが家入を屋内へと呼び戻し、栄えあるリクエスト1位の「恍惚」とともに第3部が始まった。これまでと打って変わって、ガツンとハードに楽器が鳴り響き、原色の照明が鋭く刺さったラストパートはまさにライブハウスならではのプレイの連続だった。King Gnuの常田大希が提供した「Overflow」へと続き、視聴者の興奮も一層増したはずだ。

 5月に発表した1st EPの表題曲「Answer」に入る前に、「新しい自分になりたいと思って、今までは外へ、外へとベクトルを向けていたんですが、ふと家に一人でいるときに、外に出ていくよりも自分自身を掘ったほうがいいんじゃないかって思ったんです。怖いけど、私は今、自分に独りぼっちになる勇気をプレゼントしたい。そんな思いで書いた曲です」と、本曲について語った。

 「画面の向こう側にいるみんな、一緒に手拍子してください!」とファンに呼びかけ、ここからは一気に終盤モードへ。「Party Girl」ではポップソングらしく弾け、デビュー曲「サブリナ」ではステージを降りて会場を走り回る家入。最後は「Hello To The World」でエンディングを一気に駆け抜けた。ドラマヒット曲、そしてしっとりと聴かせるナンバーで心を掴み、ロックにポップに突進する姿を見せるなど、家入の多種な表情と声色が十分楽しめるライブであった。

Text by Mariko Ikitake
Photos by 田中聖太郎・渡邊玲奈(田中聖太郎写真事務所)

◎【家入レオ Streaming Live 2020】セットリスト
1. 君がくれた夏
2. Shine
3. 未完成
4. Silly
5. 僕たちの未来
6. あおぞら
7. ずっと、ふたりで
8. 恍惚
9. Overflow
10. Answer
11. Party Girl
12. サブリナ
13. Hello To The World
※2020年9月5日(土)23:59までアーカイブ配信(同日21:00までチケット購入可)