2017年の英マンチェスター自爆テロ実行犯の弟に55年の禁固刑
2017年の英マンチェスター自爆テロ実行犯の弟に55年の禁固刑

 2017年に英マンチェスターのコンサート会場で自爆テロ事件を起こしたサルマン・アベディ(Salman Abedi)の弟ハシェム(Hashem)が、2020年8月20日に55年以上の禁固刑を言い渡された。

 2017年5月22日にマンチェスター・アリーナで行われたアリアナ・グランデのコンサート終了後、当時23歳だったサルマンが爆弾を爆発させ、22人が死亡、数百人が負傷した。サルマンはこの爆発で死亡した。

 ハシェムの量刑手続きは、新型コロナウィルス感染拡大による移動制限の影響で延期されていた。2日間にわたって行われた量刑に関する審問に彼は出席しなかった。ハシェムはテロ計画への協力を否定していたが、殺人、殺人未遂、爆発を起こそうと企てた罪で有罪になった。

 ジェレミー・ベイカー判事は、「爆発による死と怪我について兄弟は平等に責められるべきである」と述べ、「直接責任はサルマン・アベディにあるが、(ハシェムの)参加も計画に不可欠だったことは明白だ」と結論づけた。事件には”計画性がかなりあり”、動機は”イスラム教のイデオロギーを推進するため”と彼は指摘している。

 もしハシェムが事件当時21歳以上だったとしたら、終身刑になっていたとベイカー判事は述べている。仮釈放が検討されるまで少なくとも55年服役しなければならず、「自身が刑期を勤めるのが最低で55年であることを被告人ははっきりと自覚すべきだ。釈放されることはないかもしれない」と判事は付け加えた。