パノラマパナマタウンが楽曲の制作過程を生配信 リスナーと築く新たな可能性 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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パノラマパナマタウンが楽曲の制作過程を生配信 リスナーと築く新たな可能性

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パノラマパナマタウンが楽曲の制作過程を生配信 リスナーと築く新たな可能性

パノラマパナマタウンが楽曲の制作過程を生配信 リスナーと築く新たな可能性

 パノラマパナマタウンが、楽曲制作の過程を生配信する番組『PPT online studio』を、毎週火曜日21:00より公式YouTubeチャンネルにて配信中だ。本番組は現在、第9回まで配信されており、YouTubeではダイジェスト動画が視聴可能となっている。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ライブ活動を制限せざるを得ない現在、多くのアーティストがリスナーとのコミュニケーション方法を模索している。無観客ライブの配信や、ゲーム上でのオンラインイベントの開催、楽曲のパラデータ公開など、やり方は多岐にわたるが、その中でパノラマパナマタウンが始めたのが、『PPT online studio』だ。

 『PPT online studio』は、メンバーが持参したデモ音源を、オンライン上でブラッシュアップし、月末の最終火曜日にワンコーラス完成させる企画だ。毎週、各々がアイデアを持ち寄り、各楽器のフレーズ、音色、歌詞、ミックス等を解説しながら、アレンジを詰めていく。さらに、完成した曲はあくまでデモであり、今後ライブや正式音源化の際には、再びアレンジし直されるとのこと。

 #1~3の配信では、岩渕想太(Vo./Gt.)が制作したデモ音源を元に、楽曲をアレンジしていくことに。今回のデモは、往年のサーフロックを1.2倍速にしたような疾走感あるロックチューンで、荒々しいギターのリフが、馬が駆ける姿を連想することから、「Rodeo」という仮タイトルが付けられた。#1の「Rodeo」は、ギターとドラムと仮歌詞のみということもあり、ややモヤモヤした印象を受けたが、#3で公開された完成版では、「わがままな女の子」を暴れ馬に見立てたユニークな歌詞と、4弦をメインに使った地を這うようなベースラインによって、「Rodeo」の名にふさわしい力強い楽曲に進化した。

 「Rodeo」の制作過程で特に変化が顕著だったのが、浪越康平(Gt.)のギターとタノアキヒコ(Ba.)のベース、サポートメンバー大見(Dr.)による打ち込みドラムが追加された#2のデモだ。#1のデモには入っていなかったベースが加えられ、リフの補強を担ったり、キメの部分にフィルが入ったことで、各セクションの抑揚がはっきり付き、楽曲の盛り上がりが一気にわかりやすくなった。またギターに関しては、回を追うごとに歪みが過激になっていき、”暴れ馬”感が増していったのが印象的だった。これまでの楽曲でも、トリッキーなリフや印象的な音色でスパイスを効かせてきた浪越とタノだが、今回の配信では、そんな二人の存在感をなお一層、認識することができた。

 普段、リスナーが知ることができない「デモがどのように進化していき、曲が完成するのか」を見ることができるのが、『PPT online studio』の醍醐味である。しかし、楽曲の制作過程を開示することは、作り手にとっては手の内を明かす行為でもある。それでも、過程を一からシェアすることで、リスナーは楽曲に散りばめられたこだわりに気付き、細部まで楽曲を楽しむことができるようになる。また、デモがどのように肉付けされ、形になっていくかを実際に見たり、楽曲についてコメントしていくことにより、リスナー自身の音楽の聞き方、見方も進化していく。『PPT online studio』は、バンドにとってもリスナーにとっても実験的な試みであり、だからこそ、毎週の配信を通し、それぞれがより濃い信頼関係を築ける可能性があると思う。

 パノラマパナマタウンは、8月に自身初のオンラインライブ【PPT Online Live「On the Road」】を開催予定だ。従来のパノラマパナマタウンのライブでは、バンドとオーディエンスが一体となってできる“熱狂”が大きな魅力であったが、『PPT online studio』の配信を経た今、バンドがどんなライブを見せ、オーディエンスがどんな感想を抱くのか、非常に楽しみだ。


◎岩渕想太(Vo./Gt.)コメント
 あまりに赤裸々な企画なんで、思いついた時は躊躇もあったけど、やってみた感想としてはとても面白いです。毎回デモを流す時にコメントを眺めてるんですが、そういう時にここが気になるんだ!とか、ここは気づかないんだ!とか、色んな視点があって。例えば、歌詞や音色の変化は届きやすいけど、ドラムのフィルは中々言及されなかったり。そうした曲にとって大事な一つ一つの変化を、視聴者に説明しながら共有できるのは、今までになくエキサイティングです。

 これから先、PPTOS(※PPT online studioの略)内でやったデモが音源化されることがあっても、番組を見ていた人は細かなこだわりを聴いてくれるだろうし、曲について新しいコミュニケーションが取れてる感じがします。この状況下で、自分たちだけで制作を続けていたら、きっともっと閉鎖的になってしまっていたと思うけど、PPTOSがあることで、新たな視点も取り入れられるし、そういう意味で制作にも役立ってます。毎週、放送前の日曜月曜はバタバタですが。(岩渕)


◎『PPT online studio』アーカイブ
https://www.youtube.com/playlist?list=PLU5pPpwFCjNtbsltqhj0txzJ-hb9UXYKE


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