【米ビルボード・アルバム・チャート】リル・ベイビー首位保持、TOP10デビュー作は2週連続なし
【米ビルボード・アルバム・チャート】リル・ベイビー首位保持、TOP10デビュー作は2週連続なし

 リル・ベイビーの『マイ・ターン』が首位をキープした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 先週、約3か月ぶりに返り咲いた『マイ・ターン』は、前週から12%増の72,000ユニットを記録して、初登場した3月14日付チャート含む、通算3週目の首位を獲得。2020年度(2019年12月~)で3週以上1位を記録したアルバムは、ロディ・リッチの『プリーズ・エクスキューズ・ミー・フォー・ビーイング・アンチソーシャル』と、今週10位にランクインしているザ・ウィークエンドの『アフター・アワーズ』、そして『マイ・ターン』の3作のみ。

『プリーズ・エクスキューズ・ミー・フォー・ビーイング・アンチソーシャル』 12/21、1/18、2//8、2/22
『アフター・アワーズ』 4/4~25
『マイ・ターン』 3/14、6/20~27

 先週に続き、今週もTOP10に初登場した新作はなかった。新作不在で2週以上首位を獲得したのは、2019年1月12日~26日の計3週を記録して以来、約1年半ぶり。なお、12月~1月はホリデー・シーズンにあたるため、毎年新譜のリリースが滞る傾向にあるが、それ以外の月でこういったチャート・アクションが起きるのは、異例のケースといえる。ストリーミングがポイントに加算されるようになった2014年12月以前では、マムフォード&サンズの『バベル』が、2013年3月2日~9日の2週間、TOP10に新作がラインクインしない中、1位をキープしている。

 『マイ・ターン』のユニット数が前週より上昇したのは、6月12日にリリースした「ザ・ビガー・ピクチャー」のプロモーションが主な理由として挙げられる。同曲は本作『マイ・ターン』に未収録の新曲だが、ストリーミング・サービスでは関連作品として同アーティストのアルバムが聴かれる傾向にあり、視聴回数も増加する。72,000ユニットのうち、71,000がアルバム・ストリーミング(SEA)によるもので、そのほとんどを占めた。週間視聴回数は1億1,000万回と高水準を維持している。アルバムの収録曲では、「ウィ・ペイド」が先週のストリーミング・ソング・チャートで27位から14位に上昇中。

 先週2位にダウンしたレディー・ガガの『クロマティカ』は、前週比31%減の44,000ユニットまで数字を落としているものの、同2位をキープ。ダベイビーの『ブレイム・イット・オン・ベイビー』は、4%増の40,000ユニットを獲得して、6位から3位にTOP3復帰を果たした。2位、3位のユニット数が4万台というのも異例で、それだけアルバムが売れてない、聴かれていないことを物語る。

 4位以下もユニット数は低く、昨年9月にリリースしたポスト・マローンの『ハリウッズ・ブリーディング』は、4%増の38,000ユニットを獲得して8位から4位に上昇。ドレイクの『ダーク・レーン・デモ・テープス』は、前週から8%も減少しているが5位をキープしている。3週前に初登場1位を記録したフューチャーの『ハイ・オフ・ライフ』は、『ダーク・レーン・デモ・テープス』とほぼ同等の36,000ユニットを獲得しているが、4位から6位にダウンした。

 先週3位に上昇したガンナの『ワンナ』は、12%減の35,000ユニットまで落ち込み7位に下降。3月に初登場から2週連続の首位をキープしたリル・ウージー・ヴァートの『エターナル・アテイク』は、安定したユニット数を維持し、9位から8位に上昇。以下、ポロ・Gの『ザ・ゴート』とザ・ウィークエンドの『アフター・アワーズ』が、同34,000ユニットで続いている。

 今週のTOP10も、前週に続きレディー・ガガ以外、9作全てがヒップホップ/R&Bアルバムの独占となった。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、6月26日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『マイ・ターン』リル・ベイビー
2位『クロマティカ』レディー・ガガ
3位『ブレイム・イット・オン・ベイビー』ダベイビー
4位『ハリウッズ・ブリーディング』ポスト・マローン
5位『ダーク・レーン・デモ・テープス』ドレイク
6位『ハイ・オフ・ライフ』フューチャー
7位『ワンナ』ガンナ
8位『エターナル・アテイク』リル・ウージー・ヴァート
9位『ザ・ゴート』ポロ・G
10位『アフター・アワーズ』ザ・ウィークエンド