【深ヨミ】ロング・セールを続けるLiSA『紅蓮華』はどのように売れ続けているのか
【深ヨミ】ロング・セールを続けるLiSA『紅蓮華』はどのように売れ続けているのか

 2020年5月25日付のBillboard JAPAN週間“Top Singles Sales”で、2019年7月3日発売のLiSA『紅蓮華』が1,822枚を売り上げ、8位を獲得した。(集計期間2020年5月11日~2020年5月17日)

 『紅蓮華』はテレビアニメ『鬼滅の刃』のオープニングテーマで、LiSAの15枚目のシングル。2019年7月3日に発売され、発売初週に24,262枚を売り上げBillboard JAPAN週間“Top Singles Sales”で3位を獲得。その後も安定したセールスを続け、発売後10カ月以上経過した現在でも上位を維持し続けている。

 ここでは、発売以来『紅蓮華』がどの様に売れてきたかをSoundScanJapanのセールスデータを元に調査してみた。まず、発売週から現在までの販路別(実店舗・Eコマース)での販売数をグラフにした物が図1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/88201/2)である。

 発売後6週までは他の一般的なシングルと同様に徐々に販売数が減少していたが、7週目に前週を超える伸びを見せて以降、年末までは1,000枚前後の売上を維持している。そして2019年12月の後半、『第70回NHK紅白歌合戦』の出演を始めとする音楽番組への出演や、タイアップである『鬼滅の刃』が話題になると、セールスが大きく増加。2020年1月5日には発売2週目の4,718枚を超える4,796枚を売り上げ、発売週に次ぐセールスを記録した。また、実店舗とEコマースの比較を見るとEコマースは2週目以降あまり増減がなく、毎週一定数がEコマースで購入している事がわかる。一方、実店舗では2019年末以降、大きくセールスを伸ばしている。おそらく『紅蓮華』や『鬼滅の刃』に興味を持っている人は、自らEコマースで検索して購入するのではなく、CDショップで『紅蓮華』のCDをみかけたことが後押しし、購入に至るというケースが多いのだろう。

 また、ここ数週間の動きを見ると、2020年3月15日以降大きく販売数が減少している。これは新型コロナウィルスの影響で店舗が自粛している事によるもので、『紅蓮華』に限らず3月中旬以降は実店舗のセールス数は大きく減少している。そして現在では、39県で緊急事態宣言が解除されたため、販売数が再び戻りつつあるようだ。ただ、『紅蓮華』においては自主休業の緩和によるセールス増にとどまらず、『鬼滅の刃』の原作の連載が惜しまれながら終了し、メディアやSNSで取り上げられる事も大きく後押しし、さらにセールスを伸ばしている。これらの要因によって、『紅蓮華』のセールスが引き続きどこまで伸びるのか、注目していきたい。