【SXSW】チケット購入者が返金を巡って集団訴訟
【SXSW】チケット購入者が返金を巡って集団訴訟

 米テキサス州オースティンで開催予定だった【SXSW】が、新型コロナウイルス感染拡大のために中止後、チケット購入者から返金を巡って契約違約と不当利益を理由に集団訴訟を起こされた。

 2020年4月24日、米テキサス州西部オースティン地区裁判所で原告2名により、2020年3月12日から20日までに予定されていたイベント参加費用1,000ドル(107,000円)を巡って訴訟が起こされた。イベント主催者は、2020年3月6日にオースティン市から集団集会の禁止令が発令されたことによって、中止を発表していた。

 中止直後、【SXSW】はチケットとパス保有者に対して、返金しない代わりに2020年のチケット代と同額の2021年、2022年、もしくは2023年のチケットに変更可能、加えて2020年分のチケット代にかかった費用に応じて、同期間の追加チケット代を半額にすると通知した。

 原告両者は、3月12日にチケット変更の提案をされた際、「将来フェスティバルが開催されるか確約できない」と併せて記載されており、 またチケット変更は2020年4月30日が期限とされていたと訴えている。

 「【SXSW】は新型コロナウイルスのパンデミックの負担をフェスティバル参加者に責任転嫁している。絶望的な時期に個人が必要としているのは中止された【SXSW】に支払った金額の返済です」と告訴状に記されている。

 【SXSW】のスポークスパーソンは「スティーヴ・アドラー市長が2020年3月6日に新型コロナウイルス拡大感染のため、今年の【SXSW】開催を禁止した時、我々は理解を示し、市長にとって苦渋の決断に同意しました。パンデミックと【SXSW】中止により、我々のビジネス、スタッフ、オースティン市、そしてオースティン市民は甚大な被害を受けました。素晴らしいイベントにするため膨大な時間、エネルギー、資金を1年かけて準備しましたから、まだ困難な事態を収拾しているところです」と米ビルボードに声明で説明した。

 また「 【SXSW】のビジネス特有の性質として、 1年に1回のイベントに依存しており、イベント実施前に広範囲な返金不可な費用を負担しています。これらの支出と予定していた収入の損失により、返金する資金がない状況です。【SXSW】のような米国内の多くの小企業は切迫した財政事情で明確に返金がないことを記載した契約に頼らざるを得ません。我々もどうにかしたいですが、この状況を調停できるように最善を尽くし、2020年のチケット購入者には延期可能なパッケージの選択を提案できるようにしたいです」と続けた。

 今月初めには、米カリフォルニア州の音楽フェスティバル【Lightning in a Bottle】に対して、チケット返金を巡り2件の集団訴訟があり、米ライブ・ネイションとスタブハブの返金規定を巡る集団訴訟に続く今回の【SXSW】の集団訴訟と、音楽業界では同様の訴訟が相次いでいる。