<インタビュー>マカロニえんぴつ・はっとりが考えるコロナ禍の向き合い方「意識ひとつでいろんな音楽の楽しみ方がある」 #音楽を止めるな 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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<インタビュー>マカロニえんぴつ・はっとりが考えるコロナ禍の向き合い方「意識ひとつでいろんな音楽の楽しみ方がある」 #音楽を止めるな

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<インタビュー>マカロニえんぴつ・はっとりが考えるコロナ禍の向き合い方「意識ひとつでいろんな音楽の楽しみ方がある」 #音楽を止めるな

<インタビュー>マカロニえんぴつ・はっとりが考えるコロナ禍の向き合い方「意識ひとつでいろんな音楽の楽しみ方がある」 #音楽を止めるな


 緊急事態宣言が発令され、国内では、これまで以上に厳しい緊迫した状況が続いている。各業界がこの未曾有の事態に大きなダメージを受けていることは目に見えているが、この状況を悲観するだけでは、体力的にも精神的にもダメージが大きすぎる。少しでも明るく楽しく過ごす日が作れないか、それを考えているアーティストや発信者はたくさんいて、自宅待機や手洗いを呼びかける歌や配信ライブ、はたまたお笑いや自撮り、歌繋ぎリレーなど、SNSで飛び交う数多の情報の中で、心が温かくなるトピックも目立っている。

 日頃からリスナーと寄り添ってきたラジオ局でも、あるプロジェクトが発足した。J-WAVE(81.3FM)の「#音楽を止めるな」だ。J-WAVEは、元サッカー日本代表の中田英寿をディレクターに迎えて、山手線新駅の高輪ゲートウェイ駅前で開催されるイベント【Takanawa Gateway Fest】会場内にエンターテインメントレストラン「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」をオープンする予定だったのだが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開店を見送っている。しかし、J-WAVEは「大好きな音楽を、アーティストを、ライブハウスを応援したい」という想いから、ライブ会場に行けないリスナーとライブを届けられない音楽関係者への活動支援を目的としてこのプロジェクトをスタート。その想いに賛同したアーティストがレストラン内のステージで無観客ライブを行い、J-WAVEの新番組『YEBISU BEER BEGINNINGS LIVE FROM TAKANAWA GATEWAY』でその模様が届けられている。

 今回、4月1日の初回放送に登場したマカロニえんぴつのはっとり(Vo.)にミニインタビューを実施。「コロナウイルスの影響で世の中が大変なことになってしまっている中、僕自身も何かできることがないか」を考えていたというはっとりが、これからの音楽の発信や希望、コロナ禍の向き合い方について語ってくれた。

――先ほどの番組の生放送を終えて、観客がいる普段のライブと無観客ライブでは、パフォーマンスの面で精神的に、そして体力的に異なりますか?
はっとり:全然違うかなと思ったんですけど、決してレコーディングではないというか、リアルタイムでラジオの向こうで聞いている方がいると思って歌ったら、普段通りだった感じがします。(ライブ演奏に)ブランクがあったというのもあって、いつもより筋肉が硬直していた気がしますけど、その分、心が柔らかくなって、柔らかい気持ちで歌えた気がします。

――ライブが行えない状況が続いていますが、アーティスト同士やバンドメンバーと話したり、新しいアイデアを考えたりしていますか?
はっとり:クリエイティブなことは続けないと、それは止まっているのと同じだっていう感覚があって、僕たちはライブを主体に置いたバンドなんですけど、このタイミングだし、メンバーも張り切って曲を作っています。自分達を鼓舞するためにも、精神を安定させるためにも、曲作りはしています。個人的には、段階を踏んで音楽を発信するというよりは、この際、スピード感のある発信ができないかと考えていますね。外出もないし、配信が善としたこの時代に届けられるスピードの速さが一番重宝されるから、曲を作って、ぽんっとすぐに出せないかなって漠然と思っています。

――この状況のなか、アルバム『hope』がリリースされました。このアルバムが持っていた本来の『hope』の意味と、この状況でリリースされる現在の『hope』の意味は変わりましたか?
はっとり:変わってると思います。このタイトルは、こういう状況になる前に付けたもので、その時はこのバンドが音楽的なhope(希望)でありたいというのが一番強かったし、マカロニえんぴつのファンに対して、今まで通り、安心して逃げられる場所を提供するという感覚だったんですけど、今はファンという垣根を越えて、時代に訴えかける作品になってくると思うし、リード曲(「hope」)もタイミング的に普遍的な曲になりそうな気もしています。恋愛の曲として最初は書きましたけど、そうじゃない間口の広さと力強さがこの曲にあって、いい曲が出せたような気がします。アルバムの中にはふざけた曲もありますけど、それがまた良かったかなって思っています。やっぱり音楽って、張りつめてするものでも、聞くものでもないし、面白い、楽しいっていうのが一番大事な根本だと思うから、他の曲で、そういうことが提示できて良かったと思います。皆さんにとって、ちょっとしたhopeになっていれば、作った甲斐はあるかなって思ってます。

――今のこの状況は決して希望がないわけではなく、多くの人が早くこの事態を乗り越えようと動いていると思いますし、これまで通り、音楽を欲していると思います。一アーティストとして、そして一音楽好きとして、どうしたい、また、どうして欲しいという願望がありますか?
はっとり:率直にライブがないとアーティストも音楽業界も厳しいですけど、スタッフの方々のおかげで僕たちはライブができてCDが作られて、プロモーションもしてもらえています。そうした方々にお金が入らなくて生きていくことが難しいっていう状況になるのは本当に、本当になんとかしなくちゃいけないと思っているので、援助金とかがあると全然違うと思うんですよね。これはもう、国に対しての願望になってしまうんですけど……。発信の仕方が変わってくると思うんですけど、少しでも世界を明るくさせたいから無料で配信したいという気持ちはあるんですけど、長い目で考えるとそれも厳しくなってくると思うので、発信者と受け手の間で、実のあるお金の動きやシステムが整うと、この状況は絶望だけではないんじゃないかと思います。

――この事態が収束したとき、はっとりさんが作られる音楽にも影響が出てきそうでしょうか?
はっとり:出ざるを得ないと思います。今までは自分やバンドとか内向きだった矢印が、今はもっと外へ、外へと向いていますし、自分の無力さを痛感していくと思うので、もっとメッセージとして強いものを作っていくような気がします。

――最後に、ファンの方々へのメッセージや伝えたいことがありましたら、お願いします。
はっとり:みんなが限界というものを感じていると思うんですけど、いま一度、落ち着いて、無理して全てを前向きにとらえる必要はないけれど、考え方を変えることを意識してみるのもいいと思います。外に出られない、ライブに行けないというこの機会に、今まで手を出していなかった音楽をディグって聞いてみるとか、いろんなバンドの演奏に目を向けてみるとか、意識ひとつでいろんな音楽の楽しみ方があると思います。あとは、自分が発信者になるのもいいと思います。結構、簡単に音楽を発信することができますし、言いたいことって歌に乗せやすいので、暗いツイートをするより、鼻歌でもいいし、歌詞を書いて歌ってみるのもいいと思います。そんなことをみんなでしたら、音楽のすごい力を感じられるんじゃないかと思います。


Interviewed by Mariko Ikitake

◎番組情報
『YEBISU BEER BEGINNINGS~LIVE FROM TAKANAWA GATEWAY』
月曜日~金曜日12:30~13:00、J-WAVEで放送
ナビゲーター:レイチェル・チャン(月・火)、シシド・カフカ(水・木)、J-WAVE ナビゲーター(金)

◎リリース情報
アルバム『hope』
2020/4/1 RELEASE
<初回限定盤(CD+DVD)>
TLTO-22 3,454円(tax out)
<通常盤(CD)>
TLTO-23 2,727円(tax out)


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