NINのトレント&アッティカス、オファーが絶えない2人が若手監督のオファーを引き受けた理由を明かす
NINのトレント&アッティカス、オファーが絶えない2人が若手監督のオファーを引き受けた理由を明かす

 豪華アーティストによる31曲が物語を彩るプレイリスト・ムービー『WAVES/ウェイブス』が2020年4月10日より全国公開される。

 本作は『ムーンライト』や『レディ・バード』、『ミッドサマー』など次々と話題作を発表してハリウッドに新風を吹き込む映画制作会社A24の最新作だ。【トロント国際映画祭】では『パラサイト』や『ジョジョ・ラビット』など【アカデミー賞】を争う注目作が上映されるなか、同映画祭が始まって以来、最長のスタンディングオベーションを浴び、話題を呼んだ。

 本作の主役とも呼べるのは、フランク・オーシャンやテーム・インパラ、ケンドリック・ラマー、H.E.R.、タイラー・ザ・クリエイター、SZA、エイサップ・ロッキー、アラバマ・シェイクスといった今の音楽シーンをリードする豪華アーティスト陣による31曲の数々。トレイ・エドワード・シュルツ監督は使用する楽曲のプレイリストを作成し、そこから着想を得て脚本執筆に取り掛かり、登場人物の個性や感情に寄り添うように使用された曲が、時にはセリフの代わりに登場人物の心の声を伝える。

 ミュージカルを超えたこのプレイリスト・ムービーの誕生に一役買っているのが、オリジナルスコアを手掛けたナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーと音楽プロデューサーのアッティカス・ロスだ。【アカデミー賞】で<作曲賞>を受賞した『ソーシャル・ネットワーク』や『ドラゴンタトゥーの女』、『ゴーン・ガール』などの話題作も手掛けている。

 彼らは本作において、登場人物の心情を伝え時にセリフのようにも使われるアーティストの楽曲に対し、メロディーラインを強調しないそぎ落とされたソリッドなオリジナルスコアで感情の微細な動きを巧みに、そしてエモーショナルに浮かび上がらせることに成功。サウンドデザインに際し、劇中の効果音やセリフをサンプリングするなど、独創的な音楽の制作にも挑戦している。また、フランク・オーシャンなどの名曲と自分たちのスコアを絶妙なアレンジで流れるように繋げているのも彼らの手腕だ。

 今夏アメリカで公開されるピクサー・アニメーション・スタジオ製作『Soul(原題)』の音楽も担当する映画界で引っ張りだこの2人がキャリアの浅い若手監督であるトレイのオファーを引き受けたのは、トレイの前作を観て一緒に仕事をしてみたいと思っていたからだそう。トレントは今回のプロジェクトについて「以前から面白いことをしてるな、一緒に仕事をしてみたいなと思う人たちのリストを作っているんだ。そこにトレイの名前も入っていた。アッティカスも俺も『イット・カムズ・アット・ナイト』が大好きで、何か特別なものがあると思った。それで、デビュー作の『Krisha(原題)』を観て、衝撃を受けたんだ! 『WAVES/ウェイブス』の脚本は今までに読んだどんな脚本とも違っていた。読んだ瞬間、これは紛れもなく、適当な仕事でも気楽な仕事でもなく、誰かが心血を注いで作ったもので、この映画にとてつもない時間を費やして興味深いビジョンと全体像を作ったんだと分かった。トレイはまだキャリアが浅いけど本物だ。それに、これに打ち込むのは最高のプロジェクトだったよ!」と語っている。オスカー受賞デュオが惚れ込んだ若き才能が描く感動と唯一無二のオリジナルスコアを、ぜひ劇場で。

◎公開情報
『WAVES/ウェイブス』(PG-12)
2020年4月10日(金)より、全国公開
監督・脚本:トレイ・エドワード・シュルツ
出演:ケルヴィン・ハリソン・Jr、テイラー・ラッセル、スターリング・K・ブラウン、レネー・エリス・ゴールズベリー、ルーカス・ヘッジズ、アレクサ・デミーほか
配給:ファントム・フィルム
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