【CDJ19/20】Cocco、3年ぶりGALAXY STAGEに登場<ライブレポート>
【CDJ19/20】Cocco、3年ぶりGALAXY STAGEに登場<ライブレポート>

 Coccoが、12月30日に千葉・幕張メッセにて開催された【COUNTDOWN JAPAN 19/20 supported by Amazon Music】に出演した。

 2019年は、3年ぶりとなるオリジナルアルバム『スターシャンク』をリリースし、全国6都市を回るツアーを敢行するなど、精力的な活動を展開したCocco。その締めくくりとなるのが、2016年以来の出演となる【COUNTDOWN JAPAN】のステージだ。最新ツアーのメンバーである長田進(Gt.)、藤田顕(Gt.)、根岸孝旨(Ba)、椎野恭一(Dr)、渡辺シュンスケ(Key)をサポートに迎え、昼下がりのGALAXY STAGEに登場した。

 オープニングは、イントロのディストーション・ギターが印象的な「強く儚い者たち」。白いドレスにベールで顔を覆ったCoccoが、物語の語り手のように歌う姿は息を呑むほど神秘的で、ゆったりとした曲調とも相まって、会場は心地良い浮遊感に包まれていく。しかし、2曲目の「極悪マーチ」で空気は一変。〈極悪だわ〉を連呼する情念渦巻くようなCoccoの歌唱と、それを増幅するようなバックバンドの気迫溢れる演奏は、物恐ろしささえ感じてしまうほど衝撃的で、演奏終了後、拍手を忘れるほど圧倒されているオーディエンスも多く見かけた。

 「音速パンチ」のイントロが始まり、Coccoがベールを外してこの日初めて表情を見せると、フロアからは自然と拍手が巻き起こる。続けて、慈愛に満ちた歌声を響かせた「有終の美」、危うげな世界観に引き込まれる「暗黙情事」と、序盤2曲のミステリアスな印象とは異なる生き生きとした魅力がある楽曲を披露。曲ごとに様々な表情と動きを見せるCoccoに、オーディエンスの視線はさらに釘付けになっていく。ワンマンライブに比べると時間の短いフェスのステージでも、物足りなさを感じることのないセットリストやステージングは、キャリアの長いアーティストが多かったこの日の出演者の中でも、一際傑出していたように思う。

 イントロで歓声が上がった「樹海の糸」、そしてラストソングには、最新作『スターシャンク』より「フリンジ」を披露し、この日のライブは終了した。本編ではMC一切なしだったCoccoだが、最後に「ありがとう、よいお年を」と言い残し、お辞儀をしてステージを後にした。2020年、Coccoは初の地を巡る全国ライブハウスツアー【みなみのしまのはなのいろ】を3月よりスタートする。

◎公演情報
【COUNTDOWN JAPAN 19/20 supported by Amazon Music】
2019年12月30日(月)
千葉・幕張メッセ
〈セットリスト〉
1.強く儚い者たち
2.極悪マーチ
3.音速パンチ
4.有終の美
5.暗黙情事
6.樹海の糸