オスカー6部門ノミネート、ビートルズ/ボウイ/トム・ウェイツなど神曲がテーマを色濃く映し出す『ジョジョ・ラビット』

Billboard JAPAN

2020年1月17日より公開の映画『ジョジョ・ラビット』が、【第92回アカデミー賞】で<作品賞>、<助演女優賞(スカーレット・ヨハンソン)>、<脚色賞>、<編集賞>、<美術賞>、<衣裳デザイン賞>の6部門にノミネートされ、受賞にむけて期待が高まっている。
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 本作は『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)のタイカ・ワイティティ監督の最新作だ。第二次世界大戦中のドイツを舞台に、戦時下に生きる人々の生きる歓びと人生の真実を弾けるユーモアとともに描き、【トロント国際映画祭】で最高賞の<観客賞>に輝き、【第77回ゴールデングローブ賞】では、<作品賞(ミュージカル&コメディ部門)>と、ローマン・グリフィン・デイビスが<主演男優賞(ミュージカル&コメディ部門)にノミネートされた。
 観客の心を鷲掴みにする最も印象的なシーンの一つに、ヒトラーを前に大熱狂しているドイツ市民の映像に合わせてザ・ビートルズの名曲「抱きしめたい」のドイツ語ver.が流れる場面が挙げられるが、本作にはデヴィッド・ボウイの「ヒーローズ」やトム・ウェイツの「大人になんかなるものか」をはじめとした世界的アーティストの名曲や、ロック、クラシック、ラテン・ミュージック、ジャズ、ポップスと多岐にわたる音楽がテーマと時代性を色濃く反映している。
 タイカの唯一無二の映像センスを“音楽”で強力にサポートしたのが、マイケル・ジアッキーノだ。マイケルは『レミーのおいしいレストラン』(2007)で【第50回グラミー賞】の<最優秀スコア・サウンドトラック・アルバム>と【第35回アニー賞】の<音楽賞(映画)>を、『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009)で【第82回アカデミー賞】の<作曲賞>と【第52回グラミー賞】の<最優秀インストゥルメンタル作曲賞>など、数々の受賞歴を持つ。実写作品でも『ジュラシック・ワールド』シリーズや、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)など、話題の作品を次々と手がける大人気作曲家のマイケルは、普段は脚本を読まずに映像から受ける情感を直接吸い上げることを優先するスタイルを取っている。しかし本作では、タイカからの要望で、先に脚本に目を通したそうで、「読んでおいて本当によかった。監督には喜劇と悲劇の紡ぎ方がわかっていたね。最良の喜劇は最も厳しい状況から生まれる。(タイカとは)ストレートで純粋で誠実な音楽にしようと意見が一致した。ジョジョが閉ざされた世界観の殻を破り、全く違った視点で世の中を見始めた時の気持ちが作曲の発想源になった」と振り返る。
 それまでの常識をも覆して新たな手法へと駆り立てられたほど、大胆不敵な脚色による脚本の強烈な力によって、作品への想いが溢れ出たマイケルは、かつて仕事を共にし親交のあるポール・マッカートニーにこの作品での「抱きしめたい」の使用を直談判。周囲からも「この映画は誤解されやすいが、本当は人種憎悪に反対する強力な声明だ」と説得されたポールは、本作の強いメッセージに共感し許諾し、この作品世界を象徴する名シーンが誕生した。タイカの「今こそ、この物語が語られるべき時だ」という揺るぎない信念と、絶妙にリンクする音楽を、是非スクリーンで。

◎公開情報
『ジョジョ・ラビット』
2020年1月17日(金)より、全国公開
監督・脚本:タイカ・ワイティティ
出演:ローマン・グリフィン・デイビス、タイカ・ワイティティ、スカーレット・ヨハンソン、トーマシン・マッケンジー、サム・ロックウェル、レベル・ウィルソンほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation &TSG Entertainment Finance LLC

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