米ビルボード親会社ヴァレンス・メディアがニールセン・ミュージックを獲得
米ビルボード親会社ヴァレンス・メディアがニールセン・ミュージックを獲得

 米ビルボード(以下ビルボード)の親会社Valence Media(ヴァレンス・メディア)が、チャート・データに情報を提供しているNielsen Music(ニールセン・ミュージック)を獲得したと2019年12月18日に発表された。約10年ぶりにビルボードとニールセンが同会社の下で営業することになる。

 ニールセン・ミュージックは、1991年にマイク・ファインとマイク・シャレットによりニールセン・サウンドスキャンとして設立され、ビルボード・チャートにフィジカル・セールス、ダウンロード、ストリーミングに関する消費洞察を提供してきた。ソング・チャート“Hot 100”を始め、アルバム・チャート“Billboard 200”、アーティスト・チャート“Billboard Artist 100”を含むジャンル別/エアプレイ・チャートがその対象だ。

 ビルボードとニールセンは、1999年から2009年にかけて共にオランダのメディア関連巨大複合企業Verenigde Nederlandse Uitgeverijen(VNU)が所有していた。VNUは、ビルボードを1994年に、ニールセンを1999年に獲得した。2007年にVNUはニールセンと社名を変更し、その2年後にビルボードをe5 Global Media Holdings(e5 GMH)に売却した。e5 GMHはのちにGuggenheim Digital Mediaの下でPrometheus Global Mediaとなった。ビルボードは、2018年からヴァレンス・メディアの下で営業している。

 ヴァレンスによるニールセン・ミュージック買収の金銭的条件は明らかにされていない。ニールセンを獲得したヴァレンスは、新たにMRCデータ部を設立し、現ビルボード/ザ ・ハリウッド・リポーター・メディア・グループのディアナ・ブラウン社長がトップを務める。ヴァレンス・メディアは、ディック・クラーク・プロダクションズ、ビルボード/ザ ・ハリウッド・リポーター・メディア・グループ、MRCフィルム、MRCテレビジョン、MRCノンフィクションを運営している。

 今回の取引には、ニールセン・ミュージックが持つアーティスト/アルバム/楽曲のミュージック・ストリーミング/エアプレイ/セールス・データを提供するMusic Connectアナリティクス・プラットフォームとAPI、米国/カナダの全国/地域レベルにおけるストリーミング/セールス/エアプレイ・データを提供するBroadcast Data Systems、そして業界に影響を及ぼす消費者トレンドを提供するMusic 360の音楽調査/洞察レポートが含まれている。