<ライブレポート>King Gnu、ツアーファイナル公演で見せた音源とは違うポップスター性 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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<ライブレポート>King Gnu、ツアーファイナル公演で見せた音源とは違うポップスター性

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Billboard JAPAN
<ライブレポート>King Gnu、ツアーファイナル公演で見せた音源とは違うポップスター性

<ライブレポート>King Gnu、ツアーファイナル公演で見せた音源とは違うポップスター性


 King Gnuが11月26日にZepp Tokyoにて【King Gnu Live Tour 2019 AW】の最終公演を開催した。
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 2019年に大きく飛躍したことはもはや周知の事実であるKing Gnu。2月22日に配信リリースされた「白日」はロングヒットを見せ、Billboard JAPANのストリーミング・チャートでは3月11日付チャートから本ライブレポート公開日の12月3日まで39週連続でTOP7をキープ。12月2日付の総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”では、リリースからおよそ9か月経っているにもかかわらず自己最高位の4位を記録した。また、8月9日に配信リリースした「飛行艇」や10月11日に配信リリースした「傘」も高い人気を見せている。先日『第70回NHK紅白歌合戦』への出演も発表され、2020年以降の活躍も期待されるKing Gnuが、まさにヌーが集団をどんどん大きくして大移動していくようなダイナミックな変化の過程にあるタイミングでのツアー最終公演。今回は、その模様をレポートする。

 蟻の這う間もなくパンパンに膨れ上がったZepp Tokyo。スモークで見えなくなったステージに登場したKing Gnuは「飛行艇」からスタートした。ゆっくりしたBPMで大きなドラム音がスモークでぼやけた空間をいきなり圧倒的に支配する。本公演を通して一番驚いたのは勢喜遊(Drs.Sampler)の繰り出すドラムの音の大きさだ。「飛行艇」のドラム音が大きいのは想像しやすいが、スモークが晴れて「Sorrows」が披露された時も、その大きさは継続されていく。疾走感のあるナンバーでありながら、ライブ独特の迫力をしっかり演出していた。

 興奮がずっと続いていたオーディエンスに「It’s a small world」でグルーヴ空間を作り上げると、赤いスポットライトを浴びた勢喜のドラムソロから「Vinyl」へ突入する。井口理(Vo.Key.)の絶妙にギリギリのバランスで披露される歌声がオーディエンスを魅了し、2番のAメロで「騙し騙し生きて行こうじゃないか」と叫ぶと、オーディエンスは大きな歓声を上げた。2番終わりでの常田大希(Gt.Vo.)のギターソロもまた、バンド特有の魅力を見せつけた。

 ライブも中盤に差し掛かり、「NIGHT POOL」でチルな雰囲気を醸し出したところで披露されたのは「白日」。King Gnuで最も人気と言ってよい楽曲だが、オーディエンスは前半のような盛り上がりを見せたというより、どちらかというと聴き入っていた。最大の代表曲であるがゆえに一音も聴き逃さないようにしていたのかもしれないが、「白日」はバラードの要素があるのかもしれない。純然たる“歌”としての魅力があるがゆえに、ストリーミングで何度も聴かれ、カラオケでもよく歌われているのだろう。その象徴として、「白日」が終わると「NIGHT POOL」同様にオーディエンスはまず拍手で応えた。そして「Slumberland」で再び会場には熱狂が生まれていく。

 ライブ後半はKing Gnuの様々な側面が繰り出される。特に「The hole」での井口の姿は印象的だった。苦しそうに体を動かして歌う井口から発せられる「僕が傷口になるよ」という言葉。「愛を守らなくちゃ あなたを守らなくちゃ」と庇おうとする、そんな彼もまた「ぽっかりと空いたその穴」を持っているのだろうか。この会場にいるオーディエンスが日ごろから低域で抱えている不安を彼が背負っているように見えてきた。そして彼は、背負ったものをそのまま代弁しているのではなく、ポップスターとして表現している。

 しかし、「The hole」を披露するとあっけらかんとした感じで「こんばんは。お元気ですか。僕はすごい元気です」と挨拶した。ちなみにここまでは、曲が終了したあとに井口が「サンキュー」という以外はほとんど何もしゃべっておらず、これが事実上最初のMCである。このあと、森の音楽隊のようにも見える立ち振る舞いでAcousticの「Don’t Stop the Clocks」「McDonald Romance」「Bedtown」を披露し、また違う一面を見せた。そしてライブは終盤へ向かっていく。「Prayer X」で多くのシンガロングを起こしたかと思えば、「Flash!!」でダンスビートを入れ込んだロックナンバーを見せつけ、終盤にしてオーディエンスに新しい動きをもたらした。そして本編最後は12月20日に配信リリースされる「Teenager Forever」で日本の王道的な軽やかなロックチューンを披露し終演した。

 アンコールに登場したKing Gnuは、常田によって新アルバムのリリースと全国ツアーの開催を発表されると、会場からは大きな歓声が上がった。そして10月11日に配信リリースされた「傘」、そして「サマーレイン・ダイバー」を披露。オレンジ色の光を浴びながら「サマーレイン・ダイバー」が歌われ始めると、確実にこの公演に幕が下ろされ始めたかのような雰囲気が満ち始めた。「”Dance dance, anyway, it’ll work” she says.」と感傷的にオーディエンスみんなで歌い、ファイナル公演は最高の充実感を持って終了。2020年以降もさらなる飛躍が期待されるKing Gnuだが、ひとまず本公演で今のKing Gnuに一つの区切りをつけたような、行き切った公演だった。


Text by Akihiro Ota


◎公演情報
【King Gnu Live Tour 2019 AW】
2019年11月26日(日)
東京・Zepp Tokyo

<セットリスト>
1. 飛行艇
2. Sorrows
3. あなたは蜃気楼
4. ロウラブ
5. It's a small world
6. Vinyl
7. Overflow
8. NIGHT POOL
9. 白日
10. Slumberland
11. Vivid Red
12. Hitman
13. The hole
14. Don't Stop the Clocks(Acoustic)
15. McDonald Romance(Acoustic)
16. Bedtown(Acoustic)
17. Tokyo Rendez-Vous
18. Prayer X
19. Flash!!
20. Teenager Forever
-Encore-
1. 傘
2. サマーレイン・ダイバー

◎リリース情報
アルバム『CEREMONY』
2019/1/15 RELEASE
<初回生産限定盤(CD+Blu-ray)>
BVCL-1046/1047 4,500円(tax out)
<通常盤(CD)>
BVCL-1048 2,900円(tax out)

<CD収録曲>
・白日
・飛行艇
・傘
・Teenager Forever

◎ツアー情報
【King Gnu Live Tour 2020 "CEREMONY”】
2020年2月29日(土)福岡・マリンメッセ福岡
2020年3月5日(木)大阪・大阪城ホール
2020年3月17日(火)、3月18日(水)東京・国立代々木競技場第一体育館
2020年4月4日(土)、4月5日(日)宮城・仙台GIGS
2020年4月10日(金)、4月11日(土)神奈川・KT Zepp Yokohama
2020年4月16日(木)、4月17日(金)北海道・Zepp Sapporo
2020年4月20日(月)、4月21日(火)愛知・Zepp Nagoya


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