山崎まさよし、書き下ろし主題歌「影踏み」に込めた想いを語る「歌を聞き終えて、最後にやっと“この映画、良かった”となるのが主題歌」
山崎まさよし、書き下ろし主題歌「影踏み」に込めた想いを語る「歌を聞き終えて、最後にやっと“この映画、良かった”となるのが主題歌」

 横山秀夫の小説『影踏み』を山崎まさよし主演で映画化した『影踏み』が2019年11月15日より全国公開する。
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 山崎まさよしは、深夜に寝静まった民家を狙い現金を盗み出す忍び込みのプロ<ノビ師>という孤高の泥棒で、本作の主人公・真壁修一を演じる。証拠も残さず決して口を割らない、その高く強固な壁を思わせるしたたかさから、名前をもじって“ノビカベ”と呼ばれる凄腕の泥棒だ。

 修一は、ある日、忍び込んだ先で偶然遭遇した事件をきっかけに逮捕されてしまう。2年後、刑期を終え出所した修一は、まだ自分が逮捕されたことと、あの時遭遇した事件に対しての疑惑を抱えていた。何故あの日の侵入がバレていたのか? そして、あの時侵入した家の寝室で夫を殺そうとしていた女(中村ゆり)の行方は? 幼馴染みで恋仲の久子(尾野真千子)の制止を聞かずに、修一は相棒であり弟の啓二(北村匠海)と共に事件の真相を求め行動を開始。しだいに事件と女の裏に潜むいくつもの影が浮かび上がっていく。しかし事件の謎が解き明かされていくにつれ、修一自身が封印した20年前の悲劇も蘇っていき……。1つの事件が“過去”の事件を呼び醒すとき、修一、啓二、久子の止まったままの運命の歯車も再び動き出す。

 山崎は本作の主題歌「影踏み」を描き下ろしており、劇伴も担当している。映画は重厚なサスペンス作品だが、エンドロールで流れる山崎のミディアムバラード調の楽曲が、緊張感漂うラストを優しく包み込んでくれる。本作の撮影が終了し、編集前のラッシュ映像を何度も見返しながら書き下ろしたという山崎は、撮影先の群馬県内で購入したギターでレコーディングを実施。山崎は主題歌について、「劇中で描かれる物語の前後を歌った曲。映画では描かれない修一と啓二の幼少期や、クライマックスのその後を想像しながら歌詞に落とし込みました」と、映画との関係性について言及する。さらに山崎は映画音楽のあり方についても独自の見解で「映画における音楽の大事な役割って、映像の中に映し出されたシーンを引き立たせることだと思うんです。絵があって、音楽があって、初めてなりたつエンターテインメントですから、相乗効果を生み出すことを意識して作りました」と、その重要性についても語った。

 今年でデビュー25周年目に突入した山崎は、11月13日に約3年ぶりとなるオリジナル・アルバム『Quarter Note』を発売。主題歌の「影踏み」は本アルバムにも収録されているが、劇場で流れる“movie ver.”とは違うバージョンで、本編を観てエンドロールが流れるタイミングでこの曲を聞くと、より胸に迫るものがある。山崎は「エンディングで主題歌が流れるときは、まだ映画は終わっていないんです。最後の歌が始まったから“帰る”ではなくて、歌を聞き終えて、最後にやっと“この映画、良かった”となるのが主題歌だと思っています」と想いを告白した。山崎が語るようにオープニングからエンディング、そして最後のエンドロールまで全てを鑑賞し、初めて映画として完成する。劇中の登場人物たちを優しく包み込むような山崎の楽曲に是非注目してほしい。

◎映画『影踏み』
2019年11月15日(金)より、全国ロードショー(※群馬県先行公開中)
原作:横山秀夫『影踏み』(祥伝社文庫)
監督:篠原哲雄
出演:山崎まさよし、尾野真千子、北村匠海、中村ゆり、竹原ピストルほか
配給:東京テアトル
(C)2019「影踏み」製作委員会