<ライブレポート>コンセプチュアルにしてエッセンシャル BIGMAMA躍進の礎“Roclassick”は最新ツアーを経て、いよいよ最終章へ 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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<ライブレポート>コンセプチュアルにしてエッセンシャル BIGMAMA躍進の礎“Roclassick”は最新ツアーを経て、いよいよ最終章へ

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<ライブレポート>コンセプチュアルにしてエッセンシャル BIGMAMA躍進の礎“Roclassick”は最新ツアーを経て、いよいよ最終章へ

<ライブレポート>コンセプチュアルにしてエッセンシャル BIGMAMA躍進の礎“Roclassick”は最新ツアーを経て、いよいよ最終章へ


 BIGMAMAが10月17日、東名阪を巡る【Roclassick tour 2019】の東京公演を渋谷CLUB QUATTROにて開催した。この日が千秋楽となった本ツアーは、タイトルからも分かる通り、彼らが過去にリリースしたコンセプト・アルバム『Roclassick』と『Roclassick2』をモチーフとしたもの。とりわけ2010年にリリースされた『Roclassick』は、ロックとクラシック音楽が引き起こす化学反応の可能性を示したマイルストーンとも言える重要作であり、多種多様なバンドが鎬を削り合うロック・シーンおいて、彼らがキャリアを重ねても“代わりのいないバンド”であり続けられた、その不可侵のオリジナリティの礎ともなっている作品だ。
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 そんな背景があるからこそ、発掘したての天然石のように無骨で、何より極めてエッセンシャルな内容となったこの日のパフォーマンスも道理にかなっているのだ。ライブでは屈指のフロア制圧力を誇るキラー・チューンとして定着し、今回も初っ端からモッシュ&クラウド・サーフの嵐を巻き起こした「荒狂曲“シンセカイ”」からスタートしたショーは、まともなMCタイムもなく、時に前後のイントロやアウトロを再構築して溶接しながら、ほとんど息つく暇もなく進行していく。「荒狂曲“シンセカイ”」から同じく『Roclassick』収録曲の「虹を食べたアイリス」「走れエロス」「英雄を抱いてマリアは眠る」が連投された冒頭は、改めて“Roclassick”シリーズの革新性を再提示したと同時に、かつての単刀直入なパンク・アティチュードも兼ね備えた、容赦なし&助走なしのスタート・ダッシュだった。

 続く「ダイヤモンドリング(2035/09/02)」までがノンストップの序盤戦となった今回、セットは“Roclassick”シリーズを中心としつつ、新旧楽曲を織り交ぜて展開。その中でも前述のようなステージ運びが終始続いていくものだから、起承転結の組み立ても鮮やかで、全編を通してほとんど一つの組曲のような構成になっていた。エルガー作曲「威風堂々」の圧倒的勇壮感を宿した「bambino bambina」を皮切りに、東出真緒がヴァイオリンをタンバリンに持ち替えて煽りに煽る「Zoo at 2 a.m.」、ベートーヴェンの名ラブ・ソングが小洒落たコミック・ソングに姿を変えた「テレーゼのため息」まではパーティ・チューンの3連打で、その後の「Perfect Gray」を転換点とし、ショーは次のセクションへと突入する。

 前半の軽快でやんちゃな流れから一転、重心をグッと下に据えて、中盤戦は『Roclassick2』のオープナー「Animanimus」からスタート。この「Animanimus」にしろ、続く「mummy mummy」にしろ、荒々しく炸裂するヘヴィ・サウンドをキュっと引き締め、スパイシーな緊張感を加える東出のヴァイオリンが際立っていた。そもそもBIGMAMAが掲げるドグマは至極シンプルで、それは“ヴァイオリニストを擁するロック・バンド”という在り方を突き詰めることであり、“Roclassick”は飽くまで方法論の一つでしかない。金井の作家としてのロマンティシズム、バンドのルーツでもあるメロディック・パンクのマナー、そしてヴァイオリンの気品が絶妙にブレンドされた「秘密」は、“Roclassick”をモチーフとした本公演にあって、また違った角度でこのバンドの核心を象徴するような一幕だったし、その次にパフォーマンスされた未音源化の新曲「St.Light」が、それこそ「秘密」のエッセンスを踏襲したような、バンドの原点と現在地を一気に見渡せるような楽曲だったことも興味深かった。

 ここまでの怒涛の勢いを「Royalize」「Moonlight」といった比較的チルなナンバーが解きほぐしたところで、ショーはいよいよ後半戦へ。ここからは2014年リリースの『Roclassick2』以降、つまりこの5年間で蓄積されたレパートリーの中から、いわゆるアンセムを惜しみなく解放していく、文句なしのクライマックスだ。特にシームレスに繋がれた「No.9」「Sweet Dreams」「MUTOPIA」の3曲は、演者と観客のあいだで1時間以上にわたった熱量の応酬が一気にバーストした、紛うことなきこの日のピーク・ポイントだった。ただ、この【Roclassick tour】はその名の通り、“Roclassick”の歴史を巡る時間旅行にも似た体験であり、だからこそ『Roclassick』のエンド・ソング「計算高いシンデレラ」でその旅路を締めくくり、ついに来たる新作『Roclassick~the last~』から新曲「誰が為のレクイエム」を突如投下して、最後はしっかり未来に目を向けた幕切れは感慨深く、それと同時に実にBIGMAMAらしい立ち去り方だったと言えるだろう。

 新曲「誰が為のレクイエム」は現在すでに先行配信中。とはいえ“シリーズ最終章”とされるニュー・アルバム『Roclassick~the last~』の全貌はまだまだベールに包まれたままだ。一体どんな歴史的名曲をスクラップ&ビルドして、令和の時代に蘇らせるのか。続報を待ちたい。


Text by Takuto Ueda
Photo by 高田梓


◎公演情報
【Roclassick tour 2019】
2019年10月17日(木)
東京・渋谷CLUB QUATTRO
<セットリスト>
01. 荒狂曲“シンセカイ”
02. 虹を食べたアイリス
03. 走れエロス
04. 英雄を抱いてマリアは眠る
05. ダイヤモンドリング(2035/09/02)
06. bambino bambina
07. Zoo at 2 a.m.
08. テレーゼのため息
09. Perfect Gray
10. Animanimus
11. mummy mummy
12. 秘密
13. St.Light
14. Royalize
15. Moonlight
16. ファビュラ・フィビュラ
17. Swan Song
18. Strawberry Feels
19. Flameout
20. No.9
21. Sweet Dreams
22. MUTOPIA
23. 計算高いシンデレラ
24. 誰が為のレクイエム

◎リリース情報
アルバム『Roclassick~the Last~』
2019/12/18 RELEASE

◎公演情報
【Roclassichristmas】
12/25(木)mynavi BLITZ AKASAKA

◎公演情報
【Roclassick Tour 2020】
01/30(木)千葉 LOOK
01/31(金)水戸 LIGHT HOUSE
02/02(日)栃木 HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
02/11(火・祝)仙台 Rensa
02/15(土)高松 MONSTER
02/16(日)高知 X-Pt.
02/18(火)京都 KYOTO MUSE
02/20(木)神戸 VARIT.
02/22(土)福岡 DRUM Be-1
02/23(日)広島 CLUB QUATTRO
03/01(日)札幌 PENNY LANE24
03/07(土)盛岡 CLUB CHANGE WAVE
03/08(日)郡山 HIPSHOT JAPAN
03/14(土)新潟 LOTS
03/15(日)金沢 EIGHT HALL
03/20(金・祝)長崎 DRUM Be-7
03/21(土)熊本 B.9 V1
03/28(土)長野 CLUB JUNK BOX
03/29(日)富山 MAIRO
04/04(土)滋賀 U☆STONE
04/05(日)奈良 NEVER LAND
04/11(土)なんば Hatch
04/16(木)LiveHouse 浜松窓枠
04/18(土)岡山 CRAZY MAMA KINGDOM
04/19(日)周南 RISING HALL
04/29(水・祝)Zepp Nagoya

◎公演情報
【Roclassick Tour 2020 -the Last of the Last-】
05/10(日)Zepp Tokyo ※母の日


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