マーク・ロンソン、“サピオセクシャル”発言の経緯を説明し謝罪
マーク・ロンソン、“サピオセクシャル”発言の経緯を説明し謝罪

 先日マーク・ロンソンが、英ITVの『グッド・モーニング・ブリテン』に出演した際に、サピオセクシャルであるとカミングアウトしたというニュースが瞬く間にネットを駆け巡った。

 サピオセクシャル(sapiosexual)とは、“外見やジェンダーではなく、相手の知性に魅力を感じる人”という意味で、近年出会い系サイトのプロフィール欄などでよく目にするようになった言葉だ。一見すると差し障りのないように思えるが、実はジェンダーや人種、階級差別などの問題が複雑に絡むため、最近では好意的に解釈されなくなっており、特にストレートの白人男性が自称する場合には要注意という意味合いが強い。

 ロンソンは、2019年9月26日、米ニューヨークのラルフ・ローレンでローリング・ストーンとのライブ・インタビューに応じ、『グッド・モーニング・ブリテン』での発言に至るまでの経緯を説明した上で謝罪した。

 同番組では、サピオセクシャリティについて取り上げており、司会者がロンソンに意見を求めた。ニュー・アルバム『Late Night Feelings』について話す予定で出演していた彼は、サピオセクシャルの意味を知らなかったため、その場で“知性に魅力を感じる人”という意味を教えてもらった。その上で、「それはもちろん最高じゃないか、そうじゃない人っているの?」と何気なく返したところ、2時間後にホテルに戻るとネットで大炎上していたそうだ。
 
 「まるで僕がわざわざ“みんな、重大なニュースがあるんだ”って言うために出演したかのようだった。僕がテレビに出演して、ヘテロセクシャルの白人男性として、社会的に無視されているグループの一員であるかのような発言をするなんて(思われているのが)恐ろしかったし、何より恥ずかしくもあった。だからあまり深く考えなかったんだ、番組を見ればそういう意味で言ったんじゃないってみんなわかってくれるだろうって思った」と彼は説明しているが、Twitterの拡散力は凄まじかった。

 わざわざ反論するほどのことでもないと最初は考えたそうだが、友人のジャーナリストYashar Ali(ヤシャール・アリ)の助言もあり、はっきりコメントすることにしたと彼は述べ、カメラ目線で、「僕は自分が社会から無視されたコミュニティーの一員だとは思っていない。誤解したり気分を害した人がいたなら謝るよ」とカメラに向かって謝罪している。