<ライブレポート>EXIT NORTH、スティーヴ・ジャンセン率いるユニットが世界初の壮大なステージを披露
<ライブレポート>EXIT NORTH、スティーヴ・ジャンセン率いるユニットが世界初の壮大なステージを披露

 9月25日、ビルボードライブ大阪にて「Exit North」のライブが行われた。元「Japan」のドラマーであるスティーヴ・ジャンセン、トーマス・フェイナー、ウルフ・ヤンソン、チャールス・ストームによる新ユニットで、初来日公演にして今回が世界初となるライブ・パフォーマンスでもあった。

 スティーヴ・ジャンセンは、70年代末から80年代初頭にかけて絶大な人気を博したロック・バンド、「Japan」のドラマーであり、バンド解散後はリチャード・バルビエリ、実兄であるデヴィッド・シルヴィアン、日本では高橋幸宏、竹村延和など様々なアーティストとコラボレーションを行い、2007年以降はソロ・アーティストとして活動。

 ユニットの発端としては、2007年に発表されたソロ第一作『Slope』にトーマス・フェイナーが参加したことから交流がスタート。さらにウルフ・ヤンソン、チャールス・ストームが加わり、4年にわたる共同制作を経て、昨年2018年10月にデビュー・アルバム『Book of Romance and Dust』を発表した。今回はそのアルバムを携えての公演となり、ベーシストにスウェーデンからスヴェン・リンドヴァルが参加するほか、日本からはチェリストの徳澤青弦率いるカルテット、映像演出にはNHK大河ドラマのアート・ディレクションなどでも活躍する菱川勢一が参加した。

 ステージは、ウルフ・ヤンソンの奏でるピアノ、チャールス・ストームのつま弾くギターの音色から始まり、そこにスヴェン・リンドヴァルが奏でるベースライン、スティーヴ・ジャンセンが刻むリズム、弦楽カルテットの重奏、トーマス・フェイナーの低く語りかけるような歌声が織り重なっていった。夜の闇に寄り添う波のように静かに満ち引きを繰り返しながら、穏やかに会場を包む音像世界。荘厳さと雄大さを兼ね備えたそのサウンドは、北欧の大地を想起させながら、観衆の感覚を刺激していった。

 本編では、デビュー・アルバム『Book of Romance and Dust』からのナンバーは勿論、スティーヴ・ジャンセンのソロ作品などのカバーもセレクトされており、「Exit North」というバンドを多角的に知ることが出来る内容となっていた。エレクトロニックを基調としながら、クラシック、ロック、アンビエントなど様々な音楽要素を包括し、独自のサウンドスケープへ昇華したその世界観は圧倒的で、世界初ライブにして、その存在を世界に知らしめる第一歩となったことは間違いないであろう。

 9月27日にはビルボードライブ東京で公演が行われる。世界初となる今回のプレミアムツアーをお見逃しなく!

Text by 杉本ゆかり
Photo by Kenju Uyama

◎公演情報
【EXIT NORTH
Ulf Jansson, Charles Storm, Steve Jansen and Thomas Feiner】

ビルボードライブ大阪
2019年9月25日(水)※終了

ビルボードライブ東京
2019年9月27日(金)
1st Stage Open 17:30 Start 18:30
2nd Stage Open 20:30 Start 21:30