【米ビルボード・ソング・チャート】リゾが4週目No.1、ルイス・キャパルディ自身初のTOP5入り
【米ビルボード・ソング・チャート】リゾが4週目No.1、ルイス・キャパルディ自身初のTOP5入り

 リゾの「トゥルース・ハーツ」が4週目の首位獲得を果たした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 週間1億1,640万回を記録し、エアプレイ・チャートでも前週の2位から1位に上昇した、「トゥルース・ハーツ」。ラップ・ソングがエアプレイ・チャートでNo.1獲得を果たしたのは、昨年夏に大ヒットしたカーディ・Bの「アイ・ライク・イットfeat.バッド・バニー & J.バルヴィン」以来、約1年ぶり。それ以前には、2015年にウィズ・カリファが「シー・ユー・アゲインfeat.チャーリー・プース」で、2014年にイギー・アゼリアが「ファンシーfeat.チャーリーXCX」で同チャート首位獲得を果たしているが、この傾向からみても、ヒップホップ系のアーティストがエアプレイ・チャートで1位を獲得し難いことが分かる。

 「トゥルース・ハーツ」は、週間27,000ダウンロードを記録し、デジタル・ソング・セールス・チャートでも同4週目のトップを維持。 週間2,940万試聴を記録し、 ストリーミング・チャートでも14位から8位にTOP10復帰している。その他、 メインストリーム・ポップ・ソング・エアプレイ・チャートで2位から1位に、 メインストリームR&B/ヒップホップ・エアプレイ・チャートで11位から6位に、 アダルト・ポップ・ソング・チャートでは14位から11位にそれぞれ上昇し、リズミック・ソング・チャートでは3週目の1位獲得を果たしている。R&B/ヒップホップ・チャートとラップ・チャートでは、それぞれ5週目のNo.1を維持した。

 女性ラッパーとしては、2017年10月から3週のトップを維持した、カーディ・Bの「ボーダック・イエロー」を抜く歴代2番目の記録更新。最も長く1位の座についたのは、前述の イギー・アゼリア「ファンシーfeat.チャーリーXCX」だが、フィーチャリング・アーティストを含まないソロ楽曲としては、歴代最長となる。

 8月31日付チャート で首位獲得を果たした、ショーン・メンデス&カミラ・カベロの「セニョリータ」は2位をキープし、 8月24日付チャートで1位を記録したビリー・アイリッシュの「バッド・ガイ」は前週の5位から3位に再TOP3入りを果たした。

 一方、先週3位に上昇したポスト・マローンの「グッバイズ」は8位に、4位に最高位を更新した「サークルズ」は9位に、それぞれダウンしている。アルバム『ハリウッズ・ブリーディング』の初登場週であった前週は、トラヴィス・スコットとオジー・オズボーンをフィーチャーした「テイク・ホワット・ユー・ウォント」が8位にデビューしたが、同曲も今週は17位までダウンし、10位にランクアップした「サンフラワーwithスウェイ・リー」も、14位まで順位を落としている。なお、『ハリウッズ・ブリーディング』は今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で、2週連続の首位獲得を果たしている。

 先週9位にTOP10入りした ルイス・キャパルディの「サムワン・ユー・ラヴド」 は、今週4位まで一気に順位を上げている。週間8,690万回を記録し、エアプレイ・チャートで6位から5位に、2,420万試聴を記録し、ストリーミング・チャートでは23位から13位にジャンプアップした。デジタル・セールス・チャートでは、今週の<Sales Gainer>を獲得して4位から3位にTOP3入りしている。また、 アダルト・ポップソング・エアプレイ・チャートでは、自身初のNo.1獲得を果たした。

 今週TOP10入りしたのは、リル・ナズ・Xの「パニーニ」。アルバム『7』のリリースを受けてデビューした7月16日付チャートから、約2か月を経て今週5位まで到達した。前週の14位から一気に順位を上げたのは、9月13日にリリースしたダ・ベイビーをフィーチャーしたリミックスによる効果。週間4,370万試聴を記録し、ストリーミング・チャートでは9位から2位までランクアップしている。デジタル・ソング・セールス・チャートで33位から17位まで急上昇(週間9,000ダウンロード)。エアプレイも好調で、前週から30%増加の2,220万回を記録している。

 リル・ナズ・XのTOP10入りは、首位獲得総週の歴代最長記録を19週に更新した、「オールド・タウン・ロード」に続く2曲目。「パニーニ」のヒット効果か、同曲も前週の11位から10位に再TOP10入りを果たしている。「パニーニ」には、1991年にリリースされたニルヴァーナの「イン・ブルーム」がサンプリングソースとして使われていて、間接的ではあるが、同曲にとっても初のTOP10入りを果たしたことになる。原曲は、メインストリーム・ロック・チャートで5位を記録しているが、Hot 100にはランクインしたことがない。

 TOP10以下では、13位にアリアナ・グランデ、マイリー・サイラス、ラナ・デル・レイによるコラボ・ソング「ドント・コール・ミー・エンジェル」が初登場している。同曲は、11月15日にアメリカで公開される映画『チャーリーズ・エンジェルズ』(リメイク版)の主題歌として起用され、9月13日に公開された映画をモチーフにしたミュージック・ビデオも話題となった。同映画シリーズからは、2000年にデスティニーズ・チャイルドが担当した「インディペンデント・ウーマン・パート1」が、通算10週のNo.1獲得を果たしている。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、9月27日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「トゥルース・ハーツ」リゾ
2位「セニョリータ」ショーン・メンデス&カミラ・カベロ
3位「バッド・ガイ」ビリー・アイリッシュ
4位「サムワン・ユー・ラヴド」ルイス・キャパルディ
5位「パニーニ」リル・ナズ・X
6位「Ran$om」リル・テッカ
7位「ノー・ガイダンス」クリス・ブラウンfeat.ドレイク
8位「グッバイズ」ポスト・マローン
9位「サークルズ」ポスト・マローン
10位「オールド・タウン・ロードfeat.ビリー・レイ・サイラス」リル・ナズ・X