【米ビルボード・ソング・チャート】リゾ自身初のNo.1、テイラー2曲TOP10入り
【米ビルボード・ソング・チャート】リゾ自身初のNo.1、テイラー2曲TOP10入り

 リゾの「トゥルース・ハーツ」が新たな1位に輝いた、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 先週TOP3入りした同曲は、2019年8月26日に開催された【2019 MTV Video Music Awards】でのノミネート&パフォーマンス効果を受け、各ポイントが上昇。デジタル・ソング・セールス・チャートでは、週間53,000ダウンロードを記録し、2位から1位へ浮上。前週に先立って1位を記録した、R&B/ヒップホップ・チャートとラップ・チャートでも、2週目のトップを維持している。

 セールスが伸びた理由としては、新人ラッパーのダ・ベイビーをフィーチャーしたリミックスの売上、それからiTunesでの値下げ効果も挙げられる。ストリーミング・チャートでは、週間3,440万試聴を記録し、6位から4位に上昇。エアプレイ・チャートでは、前週とほぼ横ばいの週間9,840万回を記録し、同4位にランクインした。

 5月18日付チャートで50位にデビューし、登場17週目でトップに立った「トゥルース・ハーツ」だが、そもそもは2年前の2017年9月19日にリリースされた曲で、今年4月に発売されたデビュー・アルバム『コズ・アイ・ラヴ・ユー』のプロモーションと、同4月に公開されたNetflix映画『サムワン・グレート』に使用されたことで最注目され、2年越しにチャートインを果たした。

 リリースから2年以上をかけて1位を獲得するケースは稀だが、過去にはレゲエ・バンドのUB40が、1983年にリリースした「レッド・レッド・ワイン」でチャートインから約4年(1984年~1988年)を経て、No.1に達したケースもある。チャビー・チェッカーの大ヒット・ナンバー「ザ・ツイスト」も、1960年に1位を獲得した後、2年後の1962年に2度目のNo.1に輝いている。

 女性ラッパーによる首位獲得は、2018年9月から7週のNo.1をマークした、マルーン5の「ガールズ・ライク・ユーfeat.カーディ・B」があるが、リード曲としては、そのカーディが同年7月7日付チャートで記録した「アイ・ライク・イットfeat.バッド・バニー&J.バルヴィン」以来、約1年ぶりとなる。また、フィーチャリング・アーティストを含まないリード曲としては、2017年10月から3週のトップを維持した、カーディ・Bの「ボダック・イエロー」以来、約2年ぶりの快挙達成。

 2019年は、リゾの「トゥルース・ハーツ」以外にも女性アーティストによる首位獲得曲が6曲ある。

・アリアナ・グランデ「thank u, next」(1月)
・ホールジー「ウィズアウト・ミー」(1月)
・アリアナ・グランデ「7 rings」(2月)
・レディー・ガガ&ブラッドリー・クーパー「シャロウ」(3月)
・ビリー・アイリッシュ「バッド・ガイ」(8月)
・カミラ・カベロ&ショーン・メンデス「セニョリータ」(8月)

 この記録は、2014年に同7曲を輩出して以来、5年ぶりの記録更新だが、14年時はうち2曲がフィーチャリング・アーティストとしてのクレジットだったため、実質的には5曲ということになる。一方、今年は7曲すべての楽曲が女性アーティストによるリード曲だったが、うち2曲はデュエットによるものだった。

 4月から独走状態だった、リル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロードfeat.ビリー・レイ・サイラス」(今週5位)がダウンして以降、ビリー・アイリッシュの「バッド・ガイ」(8月24日付)、カミラ・カベロ&ショーン・メンデスの「セニョリータ」(8月31日付)と、週毎に1位が入れ替わっている。3週連続で1位が入れ替わるのは、バーティカル・ホライズンの「エヴリシング・ユー・ウォント」(2000年7月15日)、マッチボックス・トゥエンティの「ベント」(2000年7月22日)、イン・シンクの「イッツ・ゴナ・ビー・ミー」(2000年7月29日)以来、約19年ぶりの記録更新。

 今週のアルバム・チャートで、通算6作目のNo.1獲得を果たしたテイラー・スウィフトの新作『ラヴァー』からは、6月29日付チャートで初登場2位を記録した2ndシングル「ユー・ニード・トゥ・カーム・ダウン」が、先週の14位から4位へ、TOP10復帰を果たしている。また、前週19位にデビューした3rdシングル「ラヴァー」も、アルバムの発売効果を受け、10位にTOP10入りを果たした。

 テイラーのTOP10入りは、これで通算25曲目。アルバム『ラヴァー』からは、5月11日付チャートで2位にデビューした1stシングル「ME! feat.ブレンドン・ユーリー」(今週11位)含め、3曲全てがランクインしたことになる。TOP10獲得数としては、エルヴィス・プレスリーと並ぶ歴代7位タイに浮上。上位には、マドンナ(38曲)、ドレイク(35曲)、ビートルズ(34曲)、リアーナ(31曲)、マイケル・ジャクソン(30曲)、マライア・キャリー、スティービー・ワンダー(28曲)、 ジャネット・ジャクソン、エルトン・ジョン(27曲)がいる。

 「ユー・ニード・トゥ・カーム・ダウン」と「ラヴァー」は、前述の【2019 MTV Video Music Awards】でいずれもパフォーマンスされ、その効果もセールスやストリーミングに反映したと思われる。アルバム『ラヴァー』のストリーミングも好調で、週間2億2,600万視聴を記録し、175,000ユニットを獲得している。なお、週間セールスは679,000枚を売り上げ、週間ユニット数は2019年最大の867,000を記録した。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、9月6日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「トゥルース・ハーツ」リゾ
2位「セニョリータ」ショーン・メンデス&カミラ・カベロ
3位「バッド・ガイ」ビリー・アイリッシュ
4位「ユー・ニード・トゥ・カーム・ダウン」テイラー・スウィフト
5位「オールド・タウン・ロードfeat.ビリー・レイ・サイラス」リル・ナズ・X
6位「Ran$om」リル・テッカ
7位「ノー・ガイダンス」クリス・ブラウンfeat.ドレイク
8位「トーク」カリード
9位「アイ・ドント・ケア」エド・シーラン&ジャスティン・ビーバー
10位「ラヴァー」テイラー・スウィフト