ミーターズ/ネヴィル・ブラザーズのアート・ネヴィルが81歳で死去
ミーターズ/ネヴィル・ブラザーズのアート・ネヴィルが81歳で死去

 2019年7月22日、アート・ネヴィルが81歳で死去した。ネヴィル・ブラザーズのリーダー的存在で、ミーターズでも活躍した彼は、2018年12月に音楽活動からの引退を表明していた。長い間闘病していたことは知られているが、死因は明らかにされていない。長年のマネージャー、ケント・ソレルが声明で、アートが「自宅で妻のロレインに見守られながら、今朝静かに息を引き取った」と報道を認めた。

 1937年12月17日に米ルイジアナ州ニューオーリンズで生まれたアート・ネヴィルことArthur Lanon Nevilleは、1954年の17歳の時にThe Hawkettes(ザ・ホーケッツ)のリード・ボーカルとして、今やニューオーリンズのマルディグラ・カーニバルの定番曲となった「Mardi Gras Mambo」を地元のラジオ局でレコーディングした。海軍での任務を終えた彼は帰郷し、「Cha Dooky Do」や「All These Things」など、1950年代後半~60年代のR&Bの名曲の数々をレコーディングした。

 “Poppa Funk”の異名を持つアートは、1960年代にR&B/ファンク・バンド、ミーターズを結成し、「Sophisticated Cissy」、「Fire on the Bayou」、「Here Comes the Meter Man」など多数の名曲を世に出した。ミーターズが1970年代後半に解散したあと、1976年頃に弟のアーロンとシリル、そして2018年4月に死去した故チャールズと共にネヴィル・ブラザーズを結成した。その後ネヴィル一家は50年以上ニューオーリンズのファンク・シーンを牽引し続け、数々の関連ファミリー・バンドを結成しながら多くのファンク・ミュージシャンのキャリア・アップにも貢献した。

 ネヴィル・ブラザーズのピークは1989年で、ダニエル・ラノワがプロデュースし、ゴールド認定(50万枚)された『イエロー・ムーン』の「ヒーリング・チャント」が【グラミー賞】<最優秀ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンス>を受賞した。アートは3回【グラミー賞】を受賞しており、この中には2018年に授与された<生涯業績賞>も含まれている。

 ネヴィル・ブラザーズは毎年恒例の【ニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバル】の最終日に、メイン・ステージの大トリを長年務めていた。アートは1994年から活動しているファンキー・ミーターズのメンバーとして、昨年末までツアーを続けていた。音楽活動からの引退を表明した際、「支持してもらった素晴らしい年月と、われわれの音楽を世界と共有させてくれた」ことへの感謝を声明で綴っていた。