<ライブレポート>THE CHARM PARKがビルボードライブに登場 “まだ終わらせない“ライブを披露
<ライブレポート>THE CHARM PARKがビルボードライブに登場 “まだ終わらせない“ライブを披露

 シンガーソングライターのTHE CHARM PARKが7月5日にビルボードライブ東京で1日2回の公演を開催した。
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 THE CHARM PARKは8歳から24歳までをアメリカで過ごし、ボストンのバークリー音楽大学を卒業。その後、日本で音楽活動をスタートさせ、CMソング、楽曲提供やプロデュース、大橋トリオのサポートギターなど多方面で才能を発揮している。そして、7月3日にリリースしたミニアルバム『Standing Tall』は、収録されている6曲すべてがタイアップ曲となっており、彼のソングライティングが支持されていることが分かるだろう。

 そんなTHE CHARM PARKにとって初となるビルボードライブ公演。今回はビルボードライブ東京での2nd公演をレポートする。

 大きな拍手で出迎えられたTHE CHARM PARK。まずは「カルペ・ディエム」をピアノソロで披露した。ピンスポットに照らされた彼は、滑らかなピアノの音と澄んだ歌声を会場いっぱいに運び、オーディエンスの心を一気に鷲掴みにした。

 「ビルボードライブ東京、2ndステージへようこそ。THE CHARM PARKです。」と、一人ステージで挨拶。その柔和な語り口を聴くと、彼の楽曲が生まれる理由もわかるような気がした人もいただろう。

 そして今度はギターを手に取り、「Imperfection」へ。会場全体は冒頭から手拍子が沸き起り、サビでは掛け声も。底抜けに軽快な楽曲を披露した後は、「マジック」で軽快な中にも怪しげな雰囲気を持つ楽曲を披露。これまでの3曲はすべてソロでの演奏であり、一人だけでここまで幅広く披露する彼に、改めて魅了されたオーディエンスもいることだろう。「マジック」の後半では怒涛のギターを披露し、どんどん会場を高揚させていった。

 「えっと、一人では生きていけないと思っております。サポートメンバーを紹介したいと思います。」とステージに登る小川洋行(Bass)、金藤稔人(Key)、Mark Stein(Guitar)、神谷洵平(Drums)を迎え入れ、THE CHARM PARKのソロ演奏はここで終了。ここからはバンド編成で披露していくことになった。会場にしっとりとした空気を演出した「Sincerely,」、透明感を持って突き抜けた「そら」を披露した後、「CDで聴いてくれた方いらっしゃいますか」と尋ねると、多くのオーディエンスが手を挙げた。それを見て彼は「すごい。大阪(7月3日開催のビルボードライブ公演)は56%ぐらい手を挙げてましたね。2ndステージは54%ぐらいでしたね。で、今日の1stステージは58%ぐらいいらっしゃいましたけど、今回は59%いらっしゃいますね。ありがとうございます。嬉しいです!」と、遠回りながらもオーディエンスにお礼をコメントし、会場を温めた。

 続いて「花が咲く道」、「Standing Tall」とリリースされたばかりのミニアルバム『Standing Tall』から2曲を披露した後、「ワンダーランド」へ。原曲よりテンポを落としてアレンジされた今回の「ワンダーランド」は、優しく歌い上げながらも、どこか近寄りがたい雰囲気を持つものだった。途中、ステージの後ろに設置されている大きなカーテンがオープンし、夜の光が会場内に入ってくることで、その近寄りがたさ、神々しさと言っても良いのかもしれないが、それがより一層際立った。そのような雰囲気を引き継いだまま「Favorite Songs」へと移る。しかし、後半へ進むにつれて演奏に熱が帯び、エゴイスティックむき出しのプレイを見せつけ、会場からもどんどん歓声が沸き起こった。そして「Ordinary」、「Still in Love」を披露し、会場に多幸感を生み出した。

 本編の最後に彼が演奏したのは「Stars Colliding」。終盤では、オーディエンスにコーラスを求めた。ライブの最も大切な瞬間について、「お客さんと繋がることができる」と語っているTHE CHARM PARKにとって、そのコーラスが聴こえるのは素晴らしい瞬間だったかもしれない。そして、アンコールでは「Holding Hands」を披露。そこでも彼はオーディエンスにコーラスを求めた。彼は、最後に、会場全体が声で満たされること、それによってどこにでも行けるような気持ちになること、神がかった瞬間が訪れること、そんな時間になることを求めてライブをしていたのかもしれない。「もったいなくて、まだ終わらせないです。すいません。もう一度歌いましょう。」と、最後の最後に微笑んで語ったのが印象的だった。

 THE CHARM PARKは以前、Billboard JAPANのインタビューで“家”について言及していた。「自分が、“家”って呼べる場所を増やしていきたいなと思います。」、「家って、自分が一番自由になれる場所じゃないですか。」と語っている彼にとって、今回の公演は家と呼べるものだったのだろうか。ただ、再びビルボードライブに来た時、オーディエンスは暖かい表情で彼を迎え入れるだろう。そして彼もまた、いろいろな家でオーディエンスを笑顔で迎え入れるだろう。人は一人では生きていけない。たくさんの人がいるからこそ生まれる自由を、THE CHARM PARKは演出していくだろうし、彼自身もその自由を微笑みながら享受していくだろう。

 今回のTHE CHARM PARKの公演セットリストはプレイリストとして各種配信サービスで公開されている。そして、ビルボードライブでの公演開催に続き、リリース記念のアコースティックツアーも開催が決定しており、7月29日に福岡、8月5日に仙台、8月6日に宇都宮で開催する予定だ。

Text by Akihiro Ota
Photo by 勝永裕介

◎公演情報
【THE CHARM PARK】
2019年7月5日(金)
ビルボードライブ東京
1. カルペ・ディエム
2. Imperfection
3. マジック
4. Sincerely,
5. そら
6. 花が咲く道
7. Standing Tall
8. ワンダーランド
9. Favorite Songs
10. Ordinary
11. Still in Love
12. Stars Colliding
-Encore-
13. Holding Hands

◎ライブ情報
【THE CHARM PARK Acoustic Live in FUKUOKA】
2019年7月29日(月)
福岡・ROOMS
OPEN 18:30 / START 19:00

【THE CHARM PARK Acoustic Live in SENDAI】
2019年8月5日(月)
宮城・ナカオカフェ
OPEN 18:30 / START 19:00

【THE CHARM PARK Acoustic Live in UTSUNOMIYA】
2019年8月6日(火)
栃木・悠日
OPEN 18:30 / START 19:00