台湾インディシーンの新世代バンド、DSPS  8月からのジャパン・ツアーを前に来日直前インタビューが到着〈前編〉
台湾インディシーンの新世代バンド、DSPS  8月からのジャパン・ツアーを前に来日直前インタビューが到着〈前編〉

 台湾インディシーンの新世代バンドとして、ここ日本でも注目を集めるバンド、DSPSが今年8月から9月にかけて【台湾ビーツ】への出演を含むジャパン・ツアーを開催。Billboard JAPANでは、その来日直前インタビューを前後編に分けてお届けする。前編では「PLAY YARD SYMPHONY」リミックスをはじめ親交の深いHomecomingから受ける刺激や、アジアでの「シティ・ポップ」のブームについて、彼らの視点を語ってもらった。

《DSPSインタビュー(前編)》

――2018年から日本インディーズで「DSPS」の名前が短い時間で注目を集めてきました。日本で注目されたことに対して、DSPSの皆はどう思いますか?

稔文:わぁ、思いもしなかったですが、本当に注目されているとしたら、とても嬉しいですね。確かに日本のイベントに声をかけてもらうことが増えたと思います。その中でもとても嬉しかったのは、毎回私たちのライブに来てくれるファンの方が、ライブ後に真面目な顔で「今回は今までで一番(ライブが)良かった!」と言ってくれたこと。とても嬉しくて、ますます「毎回、前よりいいライブをするぞ」という目標を達成したいなと思います。

シャオジー:やはりDSPSの曲自体がリスナーに受け入れられてきているなと思います。細かい解説をしなくても、リスナーがそれぞれの感覚で曲自体を感じ取ってくれるので、DSPSが生み出している特別な雰囲気を皆さんが楽しんでくれて、どんどん注目されるようになっていったのかなと思います。それはとても嬉しいことで、皆さんがDSPSを聴いている時に、リラックスして楽しんでくれたらと思っています。

奕安:嬉しくて感激です。練習と思索を重ねて、全てを出しつくし、メンバーと一緒に毎回素晴らしいものを皆さんにお届けしたいと思います。

――日本ではHomecomingsとのコラボも注目を集めました。共演時の面白いエピソードはありますか?

稔文:この間のリミックスでのコラボ以外にも、何度も共演をしてきました(この6月には韓国でもご一緒しました!)。何度も会っているのでお互いに話すことも、単なる挨拶や好きな食べ物の話とかだけじゃなくなってきています。もちろん、お互いに話す言葉は違うので、しっかりと理解し合うには時間がかかりますね。後になってから、その当時起きた事に対してお互い同じことを考えていたことがわかったりしたことも多々あって。時差みたいで面白いですね。

シャオジー:私はスマホでみんながおしゃべりしているのをこっそり撮影したりしています。面白い写真がたくさんありますが、何気ない等身大のおしゃべりができるのが、とても嬉しいです。一緒にいる時間は多くはないので、写真を撮って思い出の記録にして大事に残していきたいですね。

奕安:とても親切でやさしいHomecomingsと知り合えて嬉しいです。彼らと会って話したり、一緒にツアーをしたりする日々はとても貴重な時間です。

――デビューしてから、日本のいろんな都市でライブをしてきましたね。他にここでライブしたい!という都市はありますか?

稔文:5月のツアーが終わった後、自分はそのまま【瀬戸内芸術祭】に行きました。高松とその近くの島々が大好きで、いつかそこでライブができたらいいなと思います。メンバーにもそこの雰囲気を味わってほしいですね。

シャオジー:自分は自然が好きで、前にPVを撮影した日光は、東京からそんなに遠くはないのに、とても美しかったですね。機会があればできるだけ日本の大自然を味わって、自然の中でライブをしたいです。友人は北海道を推薦してくれました。とても風光明媚な土地だと聞いています。

――日本のライブハウスや音楽祭についてはどう思いますか。

稔文:はじめて日本に行ったのは【FUJI ROCK FESTIVAL】の時でしたが、当時の自分にとっては相当な衝撃でした。日本人の中でライブを観て、オーディエンスの楽しみ方や、ステージとお客さんのコミュニケーションなど、全てが目から鱗が落ちるような体験でした。その後、自分が日本でライブをするようになって気づいたのは、日本のお客さんは本当に素晴らしく、感受性が強く、真面目にフィードバックを返してくれることです。良かったところは認めてくれて、悪かったところは修正していくべきだと伝えてくれる。私にとってはとても重要なことです。

シャオジー:この間、DSPSは初めて日本のフェスティバルに参加しました。静岡の【FUJI & SUN ‘19】というフェスでしたが、ディティールを含めて、あらゆるスタッフから出演者にいたるまで非常にプロフェッショナルだと感じました。ステージスタッフの人数もとても多かったです。全体として私たちの要求を汲み取ろうとしてくれて、素晴らしかったです。ステージだけでなく、フェスの動線や出店、ラインナップやトークショーなど、全てのクオリティが高く、お客さんもリラックスしてフェス全体を楽しめるようになっていました。フェスを開催することは、もはや音楽だけを聴かせることではないですね。出演者として自分もとても楽しみました。

奕安:とてもプロフェッショナルで快適です。各ポジションの専門の方々の仕事の取り組み方に感動し、多くを学びました。

――アジアでは、いま「シティ・ポップ」がブームになっていますね。DSPSはシティ・ポップについてどう思いますか。

稔文:日本の80年代や90年代の音楽はすごいです。自分もよく聴きます。その時代だからこそ生まれたであろう音楽は、とても魅力がありますね。いまシティ・ポップと呼ばれる現代の音楽は、それぞれ自分のやりかたで昔の曲のエッセンスを受け継いでいるように思います。そこにはまた違った魅力が詰まっていて、とても愛のある表現方法だと思います。

◎DSPS来日公演情報
2019年8月25日(日)兵庫・ONE MUSIC CAMP
2019年8月27日(火)京都・UrBANGUILD
2019年8月30日(金)沖縄・那霸【SUKIYAKI OKINAWA(DAY1)】桜坂劇場 ホールA
2019年8月31日(土)沖縄・那霸【SUKIYAKI OKINAWA(DAY2)】桜坂劇場 ホールB
2019年9月28日(土)長野【りんご音楽祭】
2019年9月29日(日)東京【台湾ビーツ】