テイラー・スウィフト、弁護士が元レーベル買収に関して見解「音源を買い取る機会を一切与えなかった」
テイラー・スウィフト、弁護士が元レーベル買収に関して見解「音源を買い取る機会を一切与えなかった」

 テイラー・スウィフトが初期作をリリースしたビッグ・マシーン・レーベル・グループ(BMLG)を、大物マネージャーであるスクーター・ブラウンのIthaca Holdings(イサカ・ホールディングス)が3億ドル(約322億円)以上で買収した問題で、異議を唱えているテイラー側の弁護士が声明を発表した。

 ドン・パスマン弁護士は2019年7月2日、「(BMLG設立者/CEO)スコット・ボーチェッタは、現在他の人たちにはそうしているようだが、テイラー・スウィフトに自分のマスター音源やレーベルを、小切手を切って買い取る機会を一切与えなかった」とコメントした。テイラーがマスターやレーベルを買い戻せるとボーチェッタがほのめかしたことが実際にあったのか、そして“他の人たち”とはブラウンなのか、または(レーベル所属の)他のアーティストなのかは不明だ。

 6月末に買収が明らかになった直後、テイラーはTumblrへの投稿を通じて自身の初期作をブラウンが購入したことを“最悪のシナリオ”と嘆き、彼や彼のクライアントたちから“人を操ろうとする、絶え間ないいじめ”を受けてきたと非難した。このメッセージで彼女は、「私は自分の作品を所有するチャンスがほしいと何年も頼み、懇願し続けてきた。代わりに提示されたのは、ビッグ・マシーン・レコードと再契約し、新作1枚と引き換えに過去作を1枚ずつ得るという条件だった」と明かしている。

 その数時間後、ボーチェッタが反論した。“まあそんなわけで真実(を明かす)時が来た”と題された投稿で彼は、「テイラー・スウィフトには新契約を結んだ瞬間から100%全ての資産が譲渡される予定だった。(当時)我々は、新しいストリーミングの時代に対応する、必ずしも“アルバム”ではなく、期間に関する新しいタイプの契約を共に検討していた。テイラーは自分のマスター音源のみならず、動画、写真、仕事にまつわる全てのものを所有するあらゆる機会が提供されていた。彼女が去ることを選んだのだ」と主張している。

 テイラーのマネージメント・チームとパスマンが提案した2018年8月15日付の“TS提案書”に対する返答でボーチェッタは、新契約が成立した際、「BMLGは、全ての録音物(オーディオそして/またはビジュアル)、アートワーク、写真、そしてBMLGが所有または管理するTSに関する他の資料をTSに譲渡する」ことに同意している。

 最終的にテイラー側とBMLGは合意せず、テイラーは同年11月にユニバーサル・ミュージック・グループとのグローバル契約を締結した。彼女の初期6作のマスター音源はBMLGに残っており、現在はブラウンのイサカ・ホールディングスが所有している。