西海岸ヒップホップ・シーンのレジェンド、ファーサイドが魅せた、誰もが踊り出さずにいられないステージ
西海岸ヒップホップ・シーンのレジェンド、ファーサイドが魅せた、誰もが踊り出さずにいられないステージ

 2019年6月26日、ロサンゼルス出身のヒップホップグループ・ファーサイドが約2年ぶりにビルボードライブ東京のステージに再来した。ショーが始まる前、ステージにはターンテーブルとドラム、キーボードが並ぶ。今年もバンドセットでの登場だ。
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 2人が登場する前、DJマイクがターンテーブルの前へ。六本木でよく見かけるサラリーマンのようなスーツの着こなし方だが、油断はできない。映画『ロッキー』のテーマが流れるとファーサイドの2人が登場。すでにライブ中盤のような一体感と強気なコール・アンド・レスポンスを観客に要求し、誰よりもボルテージが高まっているのが伝わる。今日という日を待ちわびていたのが伝わってくる登場だった。

 90年代以降のウェストコート・ヒップホップ・シーンに欠かせない彼らだが、約2年ぶりというオンステージでも人気は衰えることない。それは登場してからさっそく、MCの2人に負けじと盛り上がる観客を見て伝わってきた。次々と流れるトラックに対し、まるで囚われたかのように身を任せ、身体の揺れを止めること知らない。分厚い音の重量感がビルボードライブの空間をクラブのダンスフロアへと変化させ、誰ひとりとして西海岸からやってきたビートの波に乗り遅れず、スピーカーから伝わる振動が心の奥底までも踊らせているようだった。

 「Drop」をはじめ、スクリーンに映し出される当時のMVはオリジナルメンバーがまだ脱退する前のものばかりだが、イマーニ、ブーティ・ブラウンの2人でも充分に力強く、バンドセットによりミックスされた楽曲たちは盛り上がりを止めることを知らない。後半に差し掛かると、待ってました!といわんばかりに観客が総立ち。『Runnin'』が演奏される。最高潮の会場は、思い思いに身体を揺らし、手を上げ2人に応える。音が止まるまで一生続いても違和感はないと思うほど熱が冷めぬままアンコールへと突入した。

 観客の盛り上がりと共にステージ上のイマーニがダンス・パフォーマンスをしていたように、誰もがじっとはしてられなかった東京公演。この熱気は6月28日、ビルボードライブ大阪へと続く。おぼつかない天気を吹き飛ばすようなハイパワーのショーをぜひ体感してほしい。

Text: Shiori Imamura
Photo: Yuma Totsuka

◎公演情報
【SOUL CAMP presents
ファーサイド with LIVE BAND】
2019年6月26日(水) ※終了
ビルボードライブ東京

2019年6月28日(金)
ビルボードライブ大阪
1stステージ 開場 17:30 開演 18:30
2ndステージ 開場 20:30 開演 21:30