【深ヨミ】乃木坂46のロングセールスの裏にある存在とは
【深ヨミ】乃木坂46のロングセールスの裏にある存在とは

 5月27日付週間シングル・セールス・チャート“Billboard JAPAN Top Singles Sales”で、乃木坂46『Sing Out!』が初週累計1,058,575枚を売り上げ、1位を獲得した(集計期間2019年5月27日~2019年6月2日)。

 『Sing Out!』は乃木坂46の23作目のシングル。2位以下に大きく差をつけたセールスに加え、PCによる読取回数であるルックアップ、ツイート数などでもポイントを積み上げ、同日付“Billboard JAPAN HOT100”でも1位を獲得している。

 乃木坂46のシングルセールスは、デビュー以来急成長を遂げてきたが、直近の4作品は初週の売上が105~120万枚で安定している。一般的に言ってシングルセールスは、リリース直後にピークがあって時とともに減少していく。乃木坂46の場合もリリース直後がピークではあるが、チャートインし続ける期間が長いのが特徴だ。場合によっては次のシングルがリリースされてからも売上が大きく増加することがある。この理由を探るため、SoundScan JAPAN の発売以来累計売上を使って2017年、2018年、2019年に発売されたシングルの売上推移を調べてみた。

 グラフ(billboard-japan.com/d_news/image/76477/2)に示す通り、発売直後に大きく売上げた後も売上は伸び続けている。リリースからある程度時間が経っているにもかかわらず所々急激に伸びている週があるが、それらの週の前後にはもれなく握手会の存在があった。グラフ上に紫の矢印で示したポイントがそれだ。握手会が開催されていても目立った伸びが見られないこともあるが、その逆はなかった。握手会によって3~4か月(長い時で6か月程度)売上と話題性を維持し、セールスの長期化を実現できる。だが、それだけでもないのが興味深いところで、握手会がすっかり終わってしまった後にもチャートインしてくるのはやはり新規ファンを獲得できているからと言えるだろう。

 ところで、着実にセールスが伸びているのはグラフからも明らかなところだが、年間の売上では公式ライバルであるAKB48の壁を超えていない。アルバムとシングルを合計した金額での比較では2017年、2018年ともにAKB48が上回っているがその差は小さくなっている。年間で最も売上げる総選挙投票券付きシングルが発売されない2019年はついに乃木坂46が1位となるのか、それともAKB48が底力を見せるか、今後の動向に注目したい。